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芦田宏直 @jai_an
現在、学校教育では「シラバス」ばやりだが、この傾向は、元々は大学の「大綱化」(1991年)にその起源を有している。
芦田宏直 @jai_an
カリキュラムや科目設置の自由化が、90年代初頭の「大綱化」から謳われ、その分、大学は、教育内容自身を自ら検証する必要が生じた。
芦田宏直 @jai_an
それが詳細なシラバスによる授業内容の公開だったのである。
芦田宏直 @jai_an
しかし、このシラバス運動はうまく機能しなかった。80年代後半の中曽根臨調路線に乗っかった個性教育・自主性教育路線が、大綱化によるカリキュラムの自由化の趣旨を、選択制(選択科目制)強化へとねじ曲げてしまったからだ。
芦田宏直 @jai_an
個性尊重、自主性尊重が、いつのまにか教育内容自体を、学習の対象と言うよりは自己表現の対象にすり替えてしまったのである(この間の経緯はこちら→ http://ow.ly/3A75y )。
芦田宏直 @jai_an
大綱化(カリキュラムの自由化)は、4年間のカリキュラム全体の目標を明確化し、その人材目標から、各科目編成、科目内容を定めなさいというものだったが、それがいつのまにか選択制、コース制、専攻制などの(学生の「主体的」な)「自己表現」カリキュラムに変貌していったのである。 
芦田宏直 @jai_an
そこでは、シラバスは、科目間連携(縦の専門ヒエラルキー連関、横の科目連携)の教員間検証資料とならずに、もっぱら選択科目登録のための学生サービスに成り下がったのである。
芦田宏直 @jai_an
この動きは皮肉なことに、少子化による大学全入の動きと並行していた。いわゆる学生の基礎学力低下(より厳密に言えば、AO入試を始め、実質的に無試験で入学してくる学生の増大)である。
芦田宏直 @jai_an
基礎学力低下の学生が1990年代以降拡大する局面での、自己表現主義カリキュラムの導入はたくさんの矛盾を含んでいた。とりあえず3つある。
芦田宏直 @jai_an
1)選択制科目を増やせば増やすほど、基礎学力を補う時間は相対的に縮小する。できないまま入学してくる学生はますますその欠如を埋め合わせる契機を失う。
芦田宏直 @jai_an
2)選択科目を増やせば、その分4年後の人材目標は多様化するわけだから、進捗管理や出口の目標管理はさらに複雑になる。
芦田宏直 @jai_an
3)自己表現主義は、学生の「潜在力」・「可能性」や「個性」や「人間性」に依存するから、教育評価は、結局のところ学生の自己責任になる。学校や教員自身が教育を自己検証する契機を失う。
芦田宏直 @jai_an
この3つの深刻な事態から、大学全入現象に、大学教育自体はますます傷口を広げていったのである。 
芦田宏直 @jai_an
2003年以降始まった「特色GP」は10年以上経過してもいまだなお80年代後半の中曽根臨調路線を踏襲していたが、さすがに、2008年以降は「質の高い大学教育推進」へと施策変更され、「特色」施策は「質」施策へと転換された。2008年以降は「標準化」元年となった。  
芦田宏直 @jai_an
結局のところ、「特色」化が、大学教育全体、カリキュラム全体の目標や特色を担うことにならず、2002年の遠山答申以降の傾斜配分を補う予算獲得や広報・募集上のアピールに留まったからである。 
芦田宏直 @jai_an
そういった大綱化(1991年)以降の「特色ある大学」構想は、施策的には「特色GP」の終焉(2007年)と共に終わった。
芦田宏直 @jai_an
特色化は、むしろ教育力強化を先の3つの理由から殺いでしまっていたのである。
芦田宏直 @jai_an
2008年に始まる「標準化」は、そして、その年の12月24日に答申される「学士課程教育の構築に向けて」(中教審)で詳細に展開される。この答申はいわば文科省の大綱化路線の自己修正文書とも言える。キーワードは「多様性と標準性の調和」となったのである。 
芦田宏直 @jai_an
人材には以下の四つのパターンがある。一つ目は、怠け者だけれども目標を達成する人 二つ目は、がんばり屋で目標を達成する人 三つ目は、がんばり屋で目標を達成できない人 四つ目は、怠け者で目標を達成できない人 この中で最悪はどれか? 答えは http://ow.ly/3Akca
芦田宏直 @jai_an
文科省の言う「キャリア教育」って、一言で言うと、「できない子にはキャリア教育を」です。そのことをわかっていない教育関係者が多すぎる。そこに中途半端なキャリアでも何でもない街のキャリアコンサルタント(研修屋)が入り込んできて、訳のわからないものになっている。嗚呼…。
ミッティー/銀雪(M.Furukawa) @ginsetsu
なるほど。内田樹とはまた違った視点で興味深いな。RT @jai_an RT @dairanju .@Hamyuts_Meseta さんの「芦田宏直@jai_an氏の語る、『日本でシラバスがうまく機能しなかった理由』」… http://togetter.com/li/87074
芦田宏直 @jai_an
あのシラバス論は不完全。 RT @ginsetsu: なるほど。内田樹とはまた違った視点で興味深いな。RT @jai_an RT @Dairanju .@Hamyuts_Meseta さんの「芦田宏直氏の語るシラバス論」… http://togetter.com/li/87074
闇のapj @apj
わかりやすいのでメモ。 (略)RT @jai_an: 文科省の言う「キャリア教育」って、一言で言うと、「できない子にはキャリア教育を」です。
垣谷 公徳 @surface_theory
キッツいな〜。できる子はキャリア教育なんかしなくてもちゃんと就職できるもんなあ。RT @apj わかりやすいのでメモ。 (略)@jai_an: 文科省の言う「キャリア教育」って、一言で言うと、「できない子にはキャリア教育を」です。
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コメント

五代雄介 @Eric_Ridel 2011年1月12日
@jai_an氏らの、シラバス関連ツイートを追加。
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