『スエズ鎮守府VSラブホテル鎮守府合同演習～変態の夏、パンツの夏～』その４

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『処女膜のない不知火から朝のご挨拶です』 その瞬間、八割下ネタで構成されたアナウンスが鎮守府に響き渡った。 『マスかきやめ、パンツ上げ。本日も合同演習が行われます。第三試合は、ラブホ鎮守府より改装空母龍鳳。そしてスエズ鎮守府より、改装空母龍鳳の対決です』 #スエズ鎮守府

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『皆様に於かれましては、童貞卒業を目前に我慢汁でてらてらと輝く亀頭のように乞うご期待です。以上、今年の夏も司令の精液で熱中症対策が万全な不知火でした』 「……どこかで全部見てんのか、あの不知火は」 「ほんっとすいません、ウチの不知火はもうずっとこんな感じで」 #スエズ鎮守府

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見ているこっちが申し訳なくなるくらい頭を下げる氷室提督を笑顔で制し、俺は隣で身を硬くする龍鳳を見やる。 勢いに乗って言ったところに、このアナウンス。先制攻撃だろうか。 そこまで考えて、俺は内心首を振る。あの不知火は、そういう小細工を仕掛けてくるタイプではない。 #スエズ鎮守府

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「喧嘩を売ったはいいものの……勝算あんのか」 ウチの龍鳳も実力としては申し分ないはずだが、大丈夫だろうか。 そう尋ねると、返ってくるのは少し緊張した声。 「なくはない、です」 「あんまり高くはなさそうだな」 考え無しではないが、現実的でもない。そんなところだろう。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

純粋な練度で見れば、大きな差はない。だが、それでも彼我の間には越えられない壁がある。 それは、向こうの龍歌の指に輝く物――ケッコンシステムである。 艤装の感応能力を更に引き上げる、特殊な触媒。あの存在はかなり大きい。正直、お世辞にも分が良い賭けとは言えないだろう。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

そんなことは百も承知。それでも、サナはこちらを振り返り、 「でも、絶対勝ちます。だって……」 「だって？」 「目を開けろ。勝手に諦めるな。これは恭介さんがわたしにくれた言葉。だから、わたしは諦めないし、絶対に勝ちます」 その目に、怯えの色は存在しなかった。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「惚れさせてあげますから、よく見ていてくださいね」 ふっと微笑む龍鳳。その顔は、かつて俺が救った少女と同じで……しかし、あの時よりずっと強く、美しかった。 彼女は成長している。対して、俺自身はどうなんだろうか。 初めて全てを奪われたあの時から、進めているだろうか。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「……普段からそうなら、ちったぁ可愛く見えるんだけどな」 「えぇっ、てっきり恭介さんは少しえっちな娘が好きなものとばかり……」 「望月見てみろ、そんな素振り無いだろうが」 いや、最近は無くはない。無くはないけど……俺も気付かないフリを貫いている。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「大体、少しって言うけどお前のはそういうの通り越して、単なる下ネタっていうか……まぁいいや」 たぶん、言ったところで治らないだろうし。 それに、なんだかんだ言っても俺は、こんなに一生懸命で奔放に生きている今のサナの姿を、心から好ましく思っているのだ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

かつての神戸で起きた大規模な防衛戦。そこで故郷と母親、右腕を喪い死にかけていた少女。そんなサナが長い道のりを経て、今は龍鳳として笑っている。 あの時、助けられてよかった。心からそう思う。 「なぁ、龍鳳」 「はい？」 だから、俺も彼女に一歩を踏み出すことを決めよう。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

独り善がりで、ともすれば彼女にとって残酷な選択になるのは分かっている。 (だが、それでも) 数ヶ月前、暴走した望月を止められず地に伏した俺を、今度は龍鳳が支えてくれた。 その時に、気付いてしまった。 たとえ、これが龍鳳に対する俺のエゴだったとしても―― #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

それでも俺には彼女が、サナが必要だ。 「後で俺の部屋に来い」 「えっ……そんな……もうっ、恭介さんったら……」 大事な話が……って何だその反応は。 なぜ頬を赤らめて身をくねらせる。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「誠士郎さんっ、こんな目の前で見せつけられたら、私達も負けていられませんねっ」 「……」 謎の対抗意識を燃やす向こうの龍鳳と、意表を突かれたような顔の氷室提督。 な、何だよ。俺、なんか変なこと言ったか？ 「ラブホテルとはいえ、軍のお仕事中に……大胆です」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

そう言って、龍鳳が腕に抱きついてきた。 それでようやく、俺は自分が何を言っているのか理解する。 「いや、そうじゃなくてだな。そういう意味じゃなくて……」 ラブホテルで、男の部屋に女を呼ぶ。確かにこりゃ大胆だ。完全に状況が頭から抜け落ちていた。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

参ったな、なんとかして誤解を解くにはどうすれば…… 「そうだ！ ほら、望月もいるし！ な！ これなら安心だな！ お前一人じゃないし！」 「あの人、処女二人を同時に相手取るおつもりですよ」 「3Pってだけで疲れるのに、しかも処女相手って神代大佐もすごいなぁ」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「恭介さぁん……初めての時くらい、わたしだけを見ていてほしいです……」 「そうじゃねぇよ察しろよお前らぁ！」 思わず、制帽を地面に叩きつける。 なんで朝からこうなる。まったく、ツッコミに回ると疲れるから嫌だ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「……とにかく。そちらも今日の演習はよろしく頼む。さっきの口論も含めて、決着は今日の夜につけよう」 それだけを言い残し、俺は龍鳳の手を引いて部屋を後にする。 「ふぇえ、今すぐにですかぁっ？ それはその……恭介さん、わたし心の準備が……」 「アホ言ってないで来い」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

演習は全4試合。現状はこちらが1敗1引き分け。 故にこの試合には負けられない。種目は分からないが、準備には万全を期さなければならなかった。 試合が始まれば、俺にできる事はない。今のうちに、打てる手は全て打つ。 #スエズ鎮守府

高峯みやび @sukamelancholy

女同士の喧嘩、しかも下世話な話で言い争うというのはなんというか、居心地が悪い。別に放っておけばいいのではと思わなくもないが、他所の艦娘と言い争っているし、しかもその内容が俺も含まれているのだから、どうしようもない。出来る事と言えば沈静化ぐらいである。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「――ですよね誠士郎さん」 うん、落ち着こうか。 「落ち着いてますっ。ほら、私の胸に手を当ててくださいっ」 そう言ってこちら側の龍鳳――龍歌は俺の手を取り自分の胸に手を当てる。 いやそこまでしなくていいから。 「何を言っているんですか。ほら、こうやって……あ♥」 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「む、むむむむねをっ」 龍歌と言い争っていたあちら側、スエズの龍鳳は動揺する。いともたやすくその行為に走る自分と同じ艦娘を見て衝撃を受けていた。 「ほら、私は冷静ですっ。あっ、でも誠士郎さんの手、大きくて、ぁんっ♥ 揉んじゃだめぇ♥」 揉んでません揉んでません！ #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「は、は、は、破廉恥なっ！」 「破廉恥じゃないですぅ。これはぁ、ケッコンした提督と艦娘の、愛のコミュニケーションですぅ。ねっ？」 ねっ？ ではない。こんなコミュニケーションがあるか。 「あんっ。もっと揉み揉みしてくれてもいいのにぃ」 目的が変わってるじゃん。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「誠士郎さんはこういう事をしたって怒らないんです。それにぃ、火が点いちゃったら」 「……ごくっ」 思わず生唾を飲み込むあちらの龍鳳。本人目の前にして誇張表現するのやめて。 「すっごいんですよぉ……♥」 「す、すごい……ごくっ」 実はこの二人仲良いんじゃないのか。 #変態不知火さん

高峯みやび @sukamelancholy

「で、でもっ、恭介さんだって凄いですっ。だって抜か七なんですもんっ！」 それは自慢になるのかならないのか。兎も角本人が居なくてまだよかったな、とは思う。っていうかあの人そういうの苦手だよな多分。 パンツ食ってるけど。 パンツ、食ってる、けど。 #変態不知火さん

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

秋雲「自己紹介しとこう。俺は駆逐艦の中で抜かず7発射精した事がある、抜か七！」 提督「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛っ゛！゛」 望月「やめてやんなよ……しれーかんがあたしのスカートから頭出さなくなるしさー……」 提督「ぅううう……」 望月「泣くなよー……もう25だろー……」 #スエズ鎮守府