『スエズ鎮守府VSラブホテル鎮守府合同演習～変態の夏、パンツの夏～』その４

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

提督「今回の合同演習で俺が受けたダメージの大半は、秋雲先生の同人誌のせいだからな……覚えてろよお前……」 秋雲「んー、まぁ次回作はそっち方面じゃないから安心していいと思うよん」 提督「えっ」 秋雲「次回はね」 提督「俺はもう、抜か七から解放される……？」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

秋雲「次はホラ、こっちの大淀さんからのリクエストで提督×提督のBL系になるから」 提督「」 望月「あっ、スカートの中で息止まってる」 提督「」 秋雲「……冗談」 提督「ぅううううう」 望月「だから人のパンツに顔埋めて泣くなってのー……」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

The Third Battle スエズ鎮守府 龍鳳VSラブホテル鎮守府 龍鳳 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

九時間後、夜の帳が降りる呉。その中にあってなお、ラブホ鎮守府は煌々としたネオンに照らされていた。 『只今より合同演習第三回戦、“ドキッ♡ いっぱい出たね……謎の白い液体入り水風船対決”を行います。精液、いいですよね。できれば提督同士の絡み合いで濃厚な……』 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『何ですか、スエズの不知火さん。この名前では駄目ですか。公式の書類に載る？ それが何か。……泣かないでください、その勢いで泣かれると、さすがに調子が狂います』 グダグダなアナウンスと共に、ライトアップされる特別会場の屋根。最上部に佇むは、弓を手にした二人の少女だ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『出場選手の紹介に移ります。当ラブホ鎮守府より、改装空母龍鳳。非処女。初体験の相手は氷室提督です』 大淀の下ネタ混じりの読み上げに、屋根の上に立つラブホの龍鳳が右腕を挙げる。 同時に沸き起こる歓声。なんだかんだ、向こうの鎮守府も艦娘同士の仲は良いらしい。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『続きまして、スエズ鎮守府より、改装空母龍鳳。処女。理想の初体験のお相手は、ご自分の提督である神代大佐だそうです』 「て・い・と・く・ぅ！　お慕いしておりまぁすぅっ！」 はるか頭上から響く告白に、周囲の観客が一斉に口笛を吹いて囃し立てる。 ヒューヒューじゃねぇよ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

そんな空気を受け流すように、俺はポケットから望月のパンツを取り出して……何だ望月、無言で人のケツを蹴るな。俺悪くないだろ。 『なお、今回は同名の艦娘同士の演習となりますが……ラブホ龍鳳は改の青い衣装を。スエズ龍鳳は改装前の赤い衣装を着用します。予めご了承ください』 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

衣装が違うとはいえ、兵装自体はまったく変わらない。2人の艤装仕様は互角。戦闘が始まれば、事前に選択した兵装と各々の練度が物を言う。 こちらも策は仕込んである。後は、それを十全に発揮できる状況さえ揃えばいいのだが。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『ルールは簡単。標的は、相手が身体の自由な位置に付けた3つの水風船。これを狙って頂きます。手段は問いません』 そう言って、大淀が巨大液晶に映したのは……あの、なんというか、特定の用途に使うゴム製の……まぁ、アレだ、コンドームだった。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

その中に、軽く引くくらい白く粘度の高い液体が波打っている。 『ちなみに、この量は当鎮守府の提督が一日に出す平均的な……今度は何ですかスエズの不知火さん。分かりました、分かりましたから、報告書を書きながら泣かないでください。どこまで性的な話に免疫ないんですか』 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

何を言いかけていたのかはあまり考えたくないが……氷室提督の方を盗み見ると、今にも倒れそうな顔だった。南無。 『つまり、風船が割れれば白いネバネバの液体まみれ。青少年のなんかが危険な、まさに性的死亡遊戯。不肖この大淀、できれば提督同士の戦いでソレを見たかった……！』 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「司令、聞いているだけでムラムラしてきたので今夜はよろしくお願いします」 「アホぉ！」 氷室提督がラブホ不知火に叫び返す。 そんな様子を目の前に、ウチの部下達はといえば……顔面から表情が欠落していた。 いろいろな意味で静まり返る場内。そこに響く、大淀のアナウンス。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

『それでは両者こちらに。性性……もとい正々堂々と、死力を尽くしてください』 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

大淀の言葉に、スエズの龍鳳――サナは己の心拍が高まっていくのを感じていた。 遂に自分の出番だ。 観客席に目を向ければ、そこには自分の仲間がいる。そして中心にいるのは、 （負けられませんね、絶対） 彼と、隣にいる彼女の姿を目に焼き付け、サナはゆっくりと呼吸を整えた。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

自分の最愛と、最大の敵が見ている。 その前で、無様な姿は晒せない。この局面は取る。そうでなければ、自分が彼に、提督に報いることが出来ない。 そうでなければ、あの日に救われた恩など返せない。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「ラブホテル鎮守府所属、改装空母龍鳳。練度126。参ります」 向こうの龍鳳――龍歌が、余裕を保った笑みで左手の甲を掲げる。その薬指に輝くのは銀色。氷室提督に渡されたケッコン指輪。 艦娘と提督が、その高い練度と強い絆で結ばれていることを示す証。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

指輪がどのような意味を持つのか、それは決して戦闘に限った話ではない。 決して埋められない、大きすぎる差。それがずっと羨ましかった。 「……ふふ」 スエズの龍鳳が小さく笑う。 まったく、自分もこんな事にずっと悩んでいたのか。 自分が欲しかったのは指輪などではなく―― #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

(わたしが欲しかったのは、あの人自身だったというのに) 彼女もまた、左手を眼前に掲げる。 「スエズ鎮守府所属……改装空母龍鳳。練度100。参りますっ」 その薬指には、舞い散る羽根の意匠が刻まれた指輪が嵌っていた。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

龍鳳の指輪に、こちらの陣営からもどよめきが起こる。 そりゃそうだろう、この件に関しては、当の本人以外は俺と望月、そして指輪の製作者である明石しか知らなかったことだ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「指輪だと……提督、お前あんなものを何処で。私のも入手に骨を折ったと言っていただろう」 長門が自分の右手人差し指を示す。そこにあるのは、砕けた波の刻印が施された指輪。 俺の隣に座る望月も、首元から鎖に通った指輪を取り出す。こちらは蔓が絡みあうような意匠のものだ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「ああ。望月のは支給されたものだが……お前のそれは、本国にいる技研の連中を騙くらかして手に入れたもんだからな。同じ手は二度も使えない」 「ではどうして、龍鳳が三つ目の指輪を持っている。たしかに、あいつにも資格はあるかもしれないが……そもそも物が無いはずだ」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

力を行使する資格を持つ艦娘がいたところで、指輪は絶対数が非常に少ない貴重品。 とりわけ、スエズはただでさえ僻地である。そんなものがおいそれと手に入るような立地でもないし、運河の支配権争いに関わろうとしない俺は本国の連中から嫌われている。 真っ当なルートは絶望的だ。 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

だが、他に手が無いわけではない。特に、真っ当ではない手であれば。 「数ヶ月前に鎮守府が襲撃してきた連中のこと、覚えてるか」 「あ、ああ……たしか、擬似リングとか言うもので異様な力を持っていたが……まさか」 「そういう事。珍しく察しがいいな、頭殴られて賢くなったか」 #スエズ鎮守府

アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

あの時、俺達を潰すために寄越された艦娘は皆、首に奇妙な金属を埋め込まれていた。 それは、装着すると同時に装備者の精神を歪め、スペックを遥かに超える力を引き出すための触媒。 そう、精錬される前の、指輪の材料となる金属だった。 #スエズ鎮守府