なんやかやあったが、まだ生きている。
82.部屋に戻り、再度身体を念入りに改めながら 傷や出血が無いこと、犬の体液が直接付着していないことを確認して 煮沸して、適温に冷ました湯と石鹸で徹底的に洗っていく。
2015-09-14 00:39:4984.今、繋がるなら、実家に電話を掛けたかった。 でも声は出ない。 心配もさせたくなかった。 きっと、感情を抑えられない。 電車とバスで、ほんの数時間で帰れるはずの距離なのに 異世界のように遠い様に感じる。
2015-09-14 00:43:1686.バスタブの中で一気を失っていた、目が覚めて すっかり水気の飛んだ身体を引きずり、外に出る。 意識が飛んでいたのはほんの半時間ほどだったらしい。 恐ろしく身体が重く、頭の芯が痛む。
2015-09-14 00:47:0688.着替えて、部屋を出て 黙々と、三階までで予定していた必要な作業をこなしていく。 大量のプランターと各種の土に、トマトや葉野菜・豆を植えていく。
2015-09-14 00:49:4889.種が取れて、季節を問わず室内で収穫が可能な 必須の栄養素を摂れる植物を選んで、大量に買い込んだ種と土類。 各階の部屋の、限られた日照量を勘案しながら 生きるための作業を続けていく。
2015-09-14 00:53:1290.こんなことをする意味は有るのだろうかという考えは、殺す。 死にたいのなら『隣人』の後を追えば良い。 生き汚さに飽きる迄は、立ち止まるべきではない。 その為に、避難所に行く事を選ばなかったのだから。
2015-09-14 00:55:3292.3階までの全ての部屋と通路を『菜園』とそのための用具置き場に 4・5階には肥料等の大道具を、6階の自室と『隣人』の部屋だけは鍵をかけられるので(※隣人の部屋の鍵は壊されておらず、室内から愛鍵が見つかった) 自室の補助鍵の幾つかを取り付け、食料倉庫にした。
2015-09-14 01:01:5893.7階から上には、基本的に何も置いていないが もしもの時のために最低限の飲食物の備蓄と、緊急時の武器類の幾つかを隠している。 引きずりだした家具の幾つかは、正面玄関の隙間を埋めるために使った。
2015-09-14 01:03:5195.5階で見つけたサラダ油を熱して、玄関に撒いていく。 もちろん危険な行為だし、気は進まないが消毒に確実性が欲しかった。 消火器を用意して徹底的に高音の油を入年に撒く。
2015-09-14 01:07:5096.油を処理しながら、今度こそ鍵を壊して室内に。 部屋の中は窓が空いており、網戸の類も使われてはいない。 急いで窓を閉めて、部屋から持ってきた殺虫剤を噴霧して、 コンセントでノーマットを起動し念のため自室に戻ってしばし待つ。
2015-09-14 01:11:5299.犬のための『有って然るべき道具類』は、部屋から一切見つからなかった。 強いて言えば臭わないトイレの砂くらいか 散歩用具やエサ類の買い置きも無かった。
2015-09-14 01:15:59