明日9/23の演奏会聴きどころなど。

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笹崎・T・譲 @udupho

メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第26回演奏会。2015年9月23日(祝・水)、14:30~、紀尾井ホール、指揮:小出雄聖。Prokofiev/バレエ音楽「ロミオとジュリエット」抜粋(編曲:笹崎譲)、Liszt「悲しみのゴンドラⅠ・Ⅱ」(編曲:笹崎譲)、北爪道夫「カント」

2015-07-31 10:56:16
笹崎・T・譲 @udupho

Porokofiev「ロミオとジュリエット」は、3年前に打楽器なしの編成で依頼があり、8曲編曲。ピアノもなしでと言われたけれど、イメージ通りの音質が実現できそうもなく、頼んで入れてもらった記憶。その時抜粋を考える中、打楽器入れてこの抜粋方法でやりたいと思ったのが今回の12曲。

2015-07-31 11:14:35
笹崎・T・譲 @udupho

抜粋は6曲+6曲に分かれ、前半6曲と後半6曲は多少自己相似の関係にしてある。また、共通で使用する動機が多くなるように抜粋し、全曲を通じて有機的な流れが感じられるようにしたつもり。演奏会の冒頭と最後に6曲ずつに分けて配置。聴き手の頭の中に休憩時間前の記憶が蘇るといいなと思っている。

2015-07-31 11:26:39
笹崎・T・譲 @udupho

せっかくProkofievを2つに分けたので、プログラム全体もシンメトリーな配置に。2番目にLiszt「悲しみのゴンドラⅠ」、4番目に「Ⅱ」。以前より取り上げたかった、晩年のLiszt作品。プログラムの中央に、北爪道夫さんがマンドリン・オーケストラのために書いた名作、「カント」。

2015-07-31 11:30:13
笹崎・T・譲 @udupho

1.Prokofiev「ロメオとジュリエット」前半6曲 2.Liszt「悲しみのゴンドラⅠ」 3.北爪道夫「カント」 4.Liszt「悲しみのゴンドラⅡ」 5.Prokofiev「ロメオとジュリエット」後半6曲 というプログラム順です。いいでしょ。どうぞお越しくださいませ!

2015-07-31 11:32:21
笹崎・T・譲 @udupho

9/23、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ、Prokofievロミオとジュリエットの抜粋方針。前半も後半も、「序」「3曲セットの争いの発展」「間奏」「終曲的な長い曲」の6曲で構成。前半6曲と後半6曲は自己相似的(少し拡大)。 pic.twitter.com/YiwFNFOtVe

2015-08-01 16:06:03
拡大
笹崎・T・譲 @udupho

抜粋した曲名は、表を見ていただければ。ただし、Prokofievが組んだ第1~3組曲から持ってきた箇所や、他の曲を移調してくっつけた箇所など、そのままではないところも。あくまで、全曲が有機的構成になるように(その意味では、作曲家自身が編んだ組曲とは意味合いが異なる)。

2015-08-01 16:12:43
笹崎・T・譲 @udupho

9/23、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラで取り上げるLisztの「悲しみのゴンドラ」。第1稿(1882)と第2稿(1885)があり、元はピアノ曲。第2番の方はチェロまたはヴァイオリンとピアノのための版が先らしい。調性が明確でない部分も多く、当時としては異例な作品。

2015-08-05 10:43:32
笹崎・T・譲 @udupho

第1版は1882年、LisztがWagnerと娘のコジマをヴェネツィアに訪ねた時、Wagnerの死を予感して書いたとされる(Wagnerの死後、「リヒャルト・ワーグナー-ヴェネツィア」「リヒャルト・ワーグナーの墓に」を作曲)。第1版と第2版は、共通動機を使いつつも、別の曲。

2015-08-05 10:45:51
笹崎・T・譲 @udupho

第2版は、先ほどの室内楽版とは別に、ピアノのための初期稿もあり、これまた第2版とは流れがかなり違う(3連符の音型もあり、この段階では水との強い連関があるが、第2版ではその連関は薄まる)。どういう順序で書かれたよくわからないが、おそらく「ピアノ初期稿」→「室内楽版」→「第2版」。

2015-08-05 10:52:29
笹崎・T・譲 @udupho

運河での葬儀の風景にインスピレーションされたこの作品、マンドリン・オーケストラでは、ピアノ版よりも深刻な暗さが前面に出てくる気がする。ただし、オーケストラで演奏する時のような深刻な現実感は薄まり、深刻な現実を一度映像化して見るような客観性が出るように思い、それを狙って選曲した。

2015-08-05 10:58:13
笹崎・T・譲 @udupho

編曲は、自分でもかなり歪んだ手法になっていると思う。客席ではそうした手法がメインに感じられるわけではなく、Lisztの強い思いから調性すら破棄されてしまったこの曲らしさが滲み出るようにしたつもり。第1版と第2版は、休憩をはさんで演奏されるので、聴衆の心にデジャヴ感が起これば幸い。

2015-08-05 11:03:34
笹崎・T・譲 @udupho

ほんとですね。Lisztは聖職についた1865年ころから宗教作品が増え、他人からの理解を気にせず、自分の心に忠実に書くうちに次第に調性から離れていったようです。この時期の作品は音源が少なく、まだ十分理解されているとは言えないですね。 twitter.com/k1oku/status/6…

2015-08-05 11:13:52
笹崎・T・譲 @udupho

【9/23メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ】北爪道夫さん1997年作曲の「カント」の3度目の演奏を予定しています。名作だと思います。過去2回の経験を踏まえ、さらに解釈を深め、譜面の書き方も若干変更しました。また一歩、解釈的にこの曲の本質に近づくことができそうな予感。

2015-09-14 15:10:33
笹崎・T・譲 @udupho

この作品は、以前2回の本人の楽曲解説では、「正確にはCanto funebre。亡き友に」というような書かれ方だったのですが、今年それがどなたなのか、改めて聞いてみたところ、「直接的には毛利蔵人君だね。でも、あの頃は次々にいろんな人が亡くなってね。前年の武満徹さんとかね」。

2015-09-14 15:15:56
笹崎・T・譲 @udupho

「乱れた気持ちを、むりやり明るい歌で吹き飛ばそうとする。そんな歌」。1997年の委嘱初演当時から、名曲が生まれた感触がありましたが、演奏回数を重ねるごとに、その思いをさらに強くしているところ。北爪さん作品は、この曲に限らず、空間の中での響きの拡がりが特徴。ぜひ生でお聴き下さい。

2015-09-14 15:24:36
笹崎・T・譲 @udupho

【9/23メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ】Liszt悲しみのゴンドラ1・2。前もツイートしたのだが、少し追加。調べてみたところ、Wagnerに会った1882年に書き上げたのは、割と最近発見されたらしい2の原形のピアノ曲と、2の元となったvnまたはvcとpfの曲。

2015-09-15 18:27:12
笹崎・T・譲 @udupho

原形のピアノ曲は、レスリー・ハワードが hmv.co.jp/artist_%E3%83%… に収録。2とはだいぶ違う。それを整理して室内楽版にしたものは2にかなり近く、曲尾が少し長い。これがさらにピアノ版ゴンドラ2になっていき1885年に出版されるが、この形になったのはいつか不明。

2015-09-15 18:33:09
笹崎・T・譲 @udupho

では1はというと、Lisztの死後20世紀に入ってから出版されていて、これもこの形になったのはいつか不明。結局、2が1882~1885の間、1が1882~1886年の間、ということらしい。成立の経緯から考えて、1の方が後に作られた可能性が高そう。と、かなり成立経緯は複雑かつ謎。

2015-09-15 18:35:44
笹崎・T・譲 @udupho

2曲は複数の共通動機からなるけれども全く同じという箇所はなく、双子のようでいつつも違う作品。減三和音、増三和音、単旋律、半音階などが主で、不協和音をほとんど使用していないにもかかわらず、調性感はかなり薄い。独特の浮遊した世界観。

2015-09-15 18:42:51
笹崎・T・譲 @udupho

このLiszt晩年作品の独自の世界は誰にも受け継がれずに行き止まりとなったのか、それとも20世紀無調音楽に受け継がれていったとみるのか。謎めいた2作品、9/23は、前半、北爪道夫作品の前に1を、休憩後すぐに2を演奏します。うまく前半の記憶を呼び起こすことができるでしょうか。

2015-09-15 18:49:21
Hiroshi Sato @hamulabo

明日のお楽しみ(1)。中間管理職コンマスのお仕事を見つけて! 演奏中、あちこちにアイコンタクトとっているんだけど、みんなどれだけ応えてくれるかな? 理想はVPOの金管などのように、上手く弾けたときにエールを送りあうやつ。両手が離せないから親指は立てられないけどね。

2015-09-22 20:22:01
Hiroshi Sato @hamulabo

明日のお楽しみ(2)。今年はとくに意識的にトレモロのスピードを変えています。オケ全員がそういう表現を目指して、緊張感の持続を試みています。そんな表現がオケのあちこちから立体的に聴こえてくるはず。ステレオ効果以上のあちこちから出てくる響き、その幾重もの重なり合いを楽しんでください。

2015-09-22 20:22:19
Hiroshi Sato @hamulabo

明日のお楽しみ(3)。いつものように特殊奏法も満載。ボトルネックに菜箸、紙、sul pont.、、そういう音色が必要だからそうしているだけであって、本人達はいたって真面目なのです。 でわ明日のマチネ、紀尾井ホールでお待ちしています。 d1.dion.ne.jp/~met/

2015-09-22 20:23:04