酸化力とラジカルと大喜利 ~電子のやりとり~
@Butayama3 んで、浄水場での塩素消毒なんかだと、水源で塩素ガス(猛毒)を水に吹き込む方法なんかもある(カルキとか入れると水の硬度やpHが結構変わるから。もちろん水自体は安全になるようにして使う)。塩素が水にとけると Cl2+H2O→ HCl+HClOで次亜塩素酸が発生
2015-09-25 17:28:54@Butayama3 んで、この化学反応、条件次第では逆方向にも進む(=可逆反応)。その逆方向が「混ぜるな危険」の意味になる。
2015-09-25 17:31:52@Butayama3 はい。便器につく尿石を取るのには、確かに「塩酸」系の洗剤が有効なのだけど(尿石の元になるカルシウム塩なんかを溶かす力が強い)、これを「塩素系」と混ぜてしまって……という事故が。
2015-09-25 17:45:20要するに、次亜塩素酸は、なんでもかんでも「酸化」させてしまうことによって殺菌するんですって。
酸化とは、ほかの物質から電子を奪い取ってくること。
次亜塩素酸と同じく、ラジカル反応でヤっつけるタイプのものにもそのポテンシャルはある。オゾンとかγ線滅菌とか。だけど、どうしても酸化力の強い/弱いなんかがあって。オキシドールや紫外線では、ノロウイルスはおそらく完全に殺滅はしにくく(できても長時間かかる)少数で感染可能なのがネックに
2015-09-25 17:15:58ただ次亜塩素酸は酸化力が高くて化学反応起こしやすいが故に、自分自身はどんどん還元されて消費されていく。また放っておいても自然に還元が進んで効きが弱くなる。
2015-09-25 17:21:12えっと、電子を奪うということは・・・。
これ、放射線の勉強としていたときに出てきましたね。
電子を奪うということがわかると、なるほどγ線で殺菌できるということがわかるわね。 γ線は原子にあたると軌道電子を外に出しちゃうんだったっけ。( 電離作用)
2015-09-25 17:21:22@Butayama3 僕は化学専攻だったので、分子レベルで物を見る世界観を擦り込まれているので漂白剤と放射線というのは自然につながるのですが、そうではない人の方が多数派なのでしょうねえ。物理専攻や生物専攻だとまた見える世界は違うのでしょうし。
2015-09-25 17:27:34実は我々の体の中でもラジカルは利用されていたりするそうです。
次亜塩素酸の話からずいぶん解説が脱線したけど、じつは僕らの体内でもラジカルや活性酸素を上手く利用してたりする。例えば、体内に侵入してきた病原菌やウイルスをやっつけるのにつかったり。また、活性酸素の仲間にあたる一酸化窒素(NO)なんかが体内のシグナル伝達にさまざまに利用されたり。
2015-09-25 17:55:47んー・・・。なんだかみんなつながっているような感じがしませんか。あれもこれも電子で。
@Butayama3 うむ。でもまぁ、どこまでミクロに見て説明すべきかは、そのときどきで変わるからね。例えばパワポでのスライドの作り方を説明するときに、コンピュータが動く原理(例えば半導体の仕組み)を持ち出して説明する必要があるか、という。
2015-09-25 18:18:06「細胞」を対象にする生物学でも、電子のやりとりで理解すべきテーマはいくつかあって。特に、ミトコンドリアでの呼吸とかの「エネルギー代謝」なんかその代表。この辺は、グルコースを(いろんな酵素をつかって)どう化学反応させていくか、という話だから。
2015-09-25 18:22:20これが、アポトーシスとかオートファジーとかくらいの「生命現象」になってくると、電子のやりとり*でないと*説明できない内容が減ってくる。
2015-09-25 18:23:53この、「電子について」。
化学屋さんのだぶさん、KITAYAMAさん、生物屋のわいたんべさん、それぞれ言い方は違うけど、なかなか共通することがあるように思います。