- DD_LUNAKICHI
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リカルド「さあな…特になかったと思うが」 瑠奈花「そうですか…」 瑠奈花(駆逐棲姫に敵意は感じられないが、離島棲鬼と繋がっているわけではないのか…) 駆逐棲姫から情報を得られればと思ったが、流石にそう簡単な話はないようだ リカルド「…瑠奈花サン」
2015-09-26 22:40:47瑠奈花「ん?」 リカルド「何やら、深海の事情を色々探ってるみたいだな」 瑠奈花(リカルドさんにも知られているのか…白雪が言いふらしたのか?) リカルド「駆逐棲姫の影響で、俺も深海の事情について少し興味が沸いてきた」
2015-09-26 22:42:07リカルド「そこで、だ。お互いの知る深海の情報について、互いに交換しないか」 瑠奈花「交換?」 リカルド「ああ。俺の知ることは大方伝えたが、実はまだ気になることもある」 この人は、自分には知り得ないことも知っている。悪い提案ではない
2015-09-26 22:43:10大井(大丈夫なんですか?彼を禁忌に巻き込んでも) 瑠奈花(わからん。が、白雪がよく咆哮に出入りしていながら、彼が特に粛清を受けていないことを考えると、何かしらストッパーがかかっているのかもしれない。私にとっての門川元帥のように、ね)
2015-09-26 22:44:12リカルド・ベレンゲルは経歴不明の謎の男。艦娘をも越える圧倒的カラテの持ち主。かつて非合法研究施設の研究員の大半を殺害したとも噂される危険人物。本人にそんな殺戮願望がなくとも、そんな人が提督としてまかり通っているなら、バックに相応の存在があるはずである
2015-09-26 22:44:58瑠奈花「わかりました。話しましょう」 リカルド「よしきた」 瑠奈花も、今自分が知っていることを話し始めた 瑠奈花「まず、深海棲艦について調べていてわかった事です」
2015-09-26 22:46:35瑠奈花「深海棲艦は自然発生した悪しき者ではない。種族の1つです」 リカルド「種族?」 瑠奈花「ええ、彼らは海底に都市を建造し、そこで暮らしている」 リカルド「種族ねぇ…竜人族のようなもんか」
2015-09-26 22:47:49瑠奈花「実際私は、都市の1つを訪問しました。そこにいた彼ら…仮に“深海の民”と呼びますが」 リカルド「仮に?」 瑠奈花「彼らの種族名は、地上に存在しない言語で呼ばれていました」 リカルド「なるほど」
2015-09-26 22:48:53瑠奈花「深海の民は平和に暮らしていました。突然の訪問者である私に敵意はなかった」 大井「彼らによれば、“深海棲艦”とは地上侵攻を目論む派閥が組織した、特別な艤装を纏った深海の民による軍隊の事を指すようです。深海棲艦と深海の民を明確に区別していました」
2015-09-26 22:49:43リカルド「つまり、本来ならその深海の民とやらは、地上の人間とは友好的なわけか」 瑠奈花「そのようです。ただ、穏便派は過激派によって隅に追いやられているらしく、実質ほぼ全面的に敵対状態といっても過言ではないとか」
2015-09-26 22:50:37あちらにも面倒な事情があるのかねぇ、とリカルドは呟く 瑠奈花「この接触で、今まで定説とされていた、“深海棲艦は沈んだ艦艇の怨念”という説は崩れた…ように思いましたが」 大井「え?違うんですか?」 瑠奈花は、甲板にいる駆逐棲姫を見つめた
2015-09-26 22:51:14瑠奈花「またわからなくなってしまったんだよ。彼女の存在でね。どういうわけか、駆逐棲姫と春雨はあまりにも似すぎている」 視線に気づいたのか、駆逐棲姫と春雨はこちらに駆け寄ってきた 駆逐棲姫「なあ、えっと…るなか提督…だっけ?まだ着かないのか?」
2015-09-26 22:52:13瑠奈花「そうだな、コックピットの秋津洲に聞いてみるといい」 駆逐棲姫「そうか、行こう春雨!」 春雨「あっ、待ってよ!」 春雨を引っ張る駆逐棲姫は、かつて敵対してたとは思えないほど微笑ましい
2015-09-26 22:53:02瑠奈花「彼女ら2人の関係は不明だ。クローンとも考えづらいし…それに、深海棲艦が呪術めいた力を持っているのも事実。」 リカルド「だな。結局のところ、奴らの正体なんてどう足掻いても解明できるもんでもないのかもしれん」 瑠奈花ははためくローブを抑えた。風が強くなってきたようだ
2015-09-26 22:53:54瑠奈花「あとは…そう。離島棲鬼か」 リカルド「そういやさっきもなんか言ってたが」 瑠奈花「離島棲鬼は味方…と言い切るべきではないかもしれないが、我々と共通の敵を持つ存在です。彼女らは、深海の過激派に対するレジスタンスだ」
2015-09-26 22:55:56瑠奈花「実は私と彼女らは、秘密裏に何度か接触している」 リカルド「ザハ=サンから話を聞いたことがあるな。奴らとサーモン海で共闘したとかなんとか」 瑠奈花「そうですか。なら話は簡単だ。彼女らとは共同戦線を張れる可能性がある」
2015-09-26 22:56:32瑠奈花「もちろん、全面的に信用してるわけではないですがね。こんなところかな」 リカルド「随分ぶっ飛んだ話だな」 瑠奈花「信じてもらえるかわかりませんが」 リカルド「ここで嘘つくような人じゃないだろうさ」 二人は互いに笑みを交わす 「瑠奈花提督ー」
2015-09-26 22:57:50どこからか声が聞こえた。秋津洲だ 瑠奈花「聞こえてるぞ」 秋津洲「風が強くなってきたかもー。危ないので甲板の人達を中に入れてくださいー」 リカルド「…だとさ。お前ら中に戻ってこい」
2015-09-26 22:58:38リカルドの指示で艦娘達は飛空艇の中に戻ってゆく 大井「妙に風が強いですね…」 瑠奈花「航行に支障がなければいいんだが。ああ、ところで」 リカルド「ん?」
2015-09-26 22:59:43瑠奈花「先ほど気になることがあると仰ってましたけど、それは」 リカルド「ああ、まあ瑠奈花サンが求めてる情報とは関係ないかもしれんが…“ネームド”についてだ」 大井「ネームド?」 聞き慣れない言葉だった。あまりいい予感はしない
2015-09-26 23:00:30リカルド「最近、妙な深海棲艦とよく鉢合う」 瑠奈花「ほう」 リカルド「その姿はヲ級だったり、ツ級だったり。ただ、普通の個体に比べると圧倒的な力と意思を持つ。棲姫級の力を持ってる奴もいる。駆逐棲姫もそいつにやられかけたことがあるらしい」
2015-09-26 23:01:51リカルド「奴らは決まって、最初に自らの名を名乗る。ヲ級やル級といったものじゃなく、固有の名前をだ。だから、便宜上俺は“ネームド”と呼ぶことにしている」 瑠奈花「固有の名前…」 瑠奈花はかつて、サーモン海で立ちはだかり、そして曙を人質に取ったかの深海棲艦を思い出した
2015-09-26 23:02:50戦艦棲姫『奴の名は……。こちらの世界の法で然るべき裁きを下す』 瑠奈花(奴は名乗ってはいなかったが…戦艦棲姫はあの時奴をなんと呼んでいたか…) リカルド「どうした?」 瑠奈花「いえ…」
2015-09-26 23:03:29リカルド「実は初動作戦でもネームドに遭遇したそうだ。その話はあとで天龍から聞くといい」 瑠奈花「そうですね…あ」 瑠奈花は風で飛びそうになる帽子を抑えながら正面を見据えた。リランカ島が見えてきたのだ リカルド「来たか…」
2015-09-26 23:04:12フライトリバティーは門川の調査団の本部へ着陸の準備を始めた。天気は悪くないが、門川に言われた通り、かなり風が強い リカルド「俺達も中に戻るか」 瑠奈花「そうしましょう」 瑠奈花達も甲板を降り、中に入った
2015-09-26 23:05:02