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が、御影は黙って首を横に振る。クリスの笑顔に影が差した。「え、嘘……ダメだった……?」「ううん。四季が起きる前に私が捨てた」「なんてことをーっ!?」頭をかかえるクリス。御影は冷たい視線を向ける。「どこの誰かもわからない相手の贈り物なんて、危ないもの」16 #4215tk
2015-12-27 20:18:06なんてことをーっ!しかし、言われてみれば妥当な判断………?ゆるいメンツが多い中、四季家を守る鉄壁のセキュリティだ #4215tk
2015-12-27 20:21:05「サ、サンタの贈り物は大丈夫だよう……絶対安心だもの」「どうだか」御影は取り合わず、寄木細工の箱を掲げた。箱はひとりでに振動する。「とにかく。人の家に土足で踏み入るのは許せない。ちょっと懲らしめる」「ま、待ってー!ストップストップ!」クリスが距離を取る。17 #4215tk
2015-12-27 20:21:16可哀想…。 でも昨今物騒だしね…詐欺の一種かと思われても文句は言えないし、それに怪異が関わってるとなると四季君の保護者的な立場の御影さんは警戒して当然だよなぁ…。 #4215tk
2015-12-27 20:21:36「勝手に入ったのは謝ります!けど私にも使命があるので!こう、なんとか穏便に済ませられませんか!?」「とりあえず大声出すのやめて。四季が起きる」その言葉に、クリスがはっとしたように口を押さえた。御影は溜息をつく。なんともまあ、騒がしい怪異だ。18 #4215tk
2015-12-27 20:24:13「本当に、悪意はない?」「ない!です!……あわわ、すいません。けど本当に本当です。ここの子はそのう、黒がくるところではないので」「黒?」「悪い子のところに行って、こう……脅かす役です」手振りを交えての説明。御影は首を傾げる。なまはげのようなものだろうか。19 #4215tk
2015-12-27 20:27:11「……で。プレゼントとやらを渡すまで帰る気はない」「当然です。それが私の役目で使命なんですから」真剣な眼差しとともに答えが返ってくる。御影はそれを真っ向から受け止め、睨み返し……小さく溜息をついた。やれやれと首を振り、開きかかっていた箱の蓋を閉じる。20 #4215tk
2015-12-27 20:30:15ループレヒト(?)の方も居るのね。 怪異ってそういう二面性を持っているのが多い…そういえば奇しくも座敷わらしもその一例だったりする…。 #4215tk
2015-12-27 20:31:01「じゃあ、私が四季に渡しておく」「え……う、うーん。本当は私が自分で枕元に……いえ、仕方ありませんね。わかりました。よろしくお願いします」多少渋った様子を見せつつも、クリスは袋の中から丁寧にラッピングされた箱を取り出す。片手で持てるサイズのものだ。21 #4215tk
2015-12-27 20:33:15御影は片手でそれを受け取り、ためつすがめつして観察する。少なくとも害になるものは入っていないらしい。「ん。確かに。あと」「は、はい」「今度から入ってくるときは私に一言ちょうだい。無許可で入られると頭にくる」「あ……わかりました!気をつけます!」22 #4215tk
2015-12-27 20:36:10頭を下げたクリスは、天井を見上げ……ふと思い出したように御影とその寄木細工の箱に目をやった。少し考えるそぶりを見せ、頷く。「帰る前に、ちょっと失礼」そして白い袋を逆さにして振る。小さな音を立てて、きらびやかなラッピングのなされた箱が八つ落ちた。23 #4215tk
2015-12-27 20:39:09御影が眉をひそめる。クリスが微笑を浮かべた。「迷惑代も兼ねて、あなたにもプレゼントを。皆さんの分ありますので、仲良く分けてくださいね。では!」そして跳躍。天井をすり抜けて消えていった。御影はそれを見送る。少しばかりの静寂。ややあってから、鈴の音。24 #4215tk
2015-12-27 20:42:09遠ざかっていく鈴の音に耳を傾けていた彼女は、念話で小雨たちを確認する。『無事?』『も、もちろん。これでも神様だからね……』『だが。疲れた』『そう。あとで家に上がって。暖かいお茶でも出すから』一方的に念話を打ち切り、廊下に散乱したプレゼントを見る。25 #4215tk
2015-12-27 20:45:06