俺SS「山城前夜」

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「逃げちゃダメだ」 「お前が神話になるんだよ！」

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「おとうさん？おかあさん？」 「今日からお前の名前はセンだよ！」

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「死者の國？イザナミ？インベス？申し訳ありません提督、少し、お疲れなのでは？」 「インベスの骸から艦娘が生まれる。沈んだ艦娘はインベスになる。つまり」 「原初、『柔らかい石』を以て創造された10体の偉大なる艦娘、十天君」 「この世界は仕組まれた世界なんだ……うっ頭が」

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@PPP_Sounds 提督、あなたは少し“壁”に近付き過ぎた。まあ、そう仕向けたのは私なんですけどね。はい。明石です。

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@PPP_Sounds あなたには少し眠っていただきます。何、死ぬわけじゃない。少し、明石に都合のいいように記憶をいじらせて貰うだけですよ。

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@PPP_Sounds 「姉様！扶桑姉様、おいたわしや……山城も今そちらに参ります。お待たせは致しませぬ……死出の旅路とて姉様とならば」「待て！待て山城！お前にはまだやる事が在るんだ！」「幾ら提督の勅命といえど聞けぬ事も御座います」

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@PPP_Sounds 「いま山城の本懐は姉様とともにあること……！扶桑姉様、お待たせいたし……」 『山城』 「……姉様？」 『だめ、山城。来てはだめ。』 「姉様！山城は……山城は……」 山城だけに見える姉の姿は、哀しげに首を左右に振った。

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@PPP_Sounds 戦艦棲姫から放たれた必殺の35.5サンチ弾が、山城を、幻覚の扶桑を、そして提督を白い光の中に包み込んだ。

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@PPP_Sounds 「山城。おい、山城。しっかりしろ。お前はまだ動ける。帰投しろ」 「え…………」

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@PPP_Sounds 意識を取り戻した山城の視界に映ったのは、忌々しくも懐かしい、提督の姿であった。 片足が、無い。

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@PPP_Sounds 「提督、そのお怪我は」 「ああ、やられた。助からん」 「そんな」 「だが、お前は生きろ」

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@PPP_Sounds 「提督、提督……」 「俺は人間だ。艦娘ではない。だから、助からん。だが」 「だ、が、……」 「そうだ。お前は艦娘だ。だから、生きて本土へ戻れ。そして、この役立たずが無様にくたばった事を大本営へ奏上せよ」 「役立たずだなんて……提督、提督……」

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@PPP_Sounds ひとりの人間が動かなくなり、ひとりの艦娘が、それを看取るのに、そう時間はかからなかった。 艦娘は、己が艦娘であることを呪い、慟哭した。 しばしの時が経ち、東の空が青らむ。 夜明けである。

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@PPP_Sounds 『山城』 山城は、応えない。 『山城、提督の遺言よ。約束なのよ』 山城は。

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@PPP_Sounds 山城は、静かに頷いた。

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@PPP_Sounds 「扶桑型二番艦、山城、抜錨！」

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@PPP_Sounds 終わり

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@PPP_Sounds なお、このSSはフィクションであり、実在する扶桑型戦艦や提督、戦艦棲姫とは一切関係ありません

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@PPP_Sounds あと提督が山城に乗ってたのは偶然です。

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「俺SS「山城前夜」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/893378

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@PPP_Sounds イザナギの封印を解き、その加護を得て支配者となることを望んだ民俗学者。しかし、その行為はお互いを封印していた対となる大魔王イザナミも同時に解放してしまう。 イザナミは死霊を鉄とこね合わせ、艦娘と敵対勢力を生み出した。

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@PPP_Sounds 当然、突如戦場に現れ戦局を乱した戦艦棲姫を仲間に引き入れたい国家あり、艦娘を運用したい国家あり。 かくして太平洋枢軸同盟、大西洋協商連合の世界大戦は幕を開けた