映画やノベルゲームにおける美術のアダプテーションについて

ざっとまとめ
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白江幸司 @ttt_cellule

ちなみに、サクラノ詩の美術関連は、オタ方面によくあることだがあまり良くない。モダンアート以後のリテラシーが(disられはしないだけマシだが)すっぽ抜けてる。ノベルゲームは野外インスタレーション路線になったときだけ傷は浅い(「きっと澄み渡る朝色よりも」「乙女が紡ぐ恋のキャンバス」)

2015-11-03 13:10:24
白江幸司 @ttt_cellule

媒体特性上、いくつかの難局がある。平面作品を実際に用意して画面上で出してもあまり大きな効果は見込めないとか、作劇の二次元絵と馴染ませるために使える路線が制約されるなど。そこで顔料や道具、制作作業のドラマ化に傾注する羽目に。真琴√は作品は可視化させずアレゴリー重ねまくりゆえ突出。

2015-11-03 13:14:12
白江幸司 @ttt_cellule

せっかくマネまで出してるんだからマネの背景省きや人物配置の手際ぐらいを立ち絵でさらに絡ませるぐらいのことやればいいのにな。

2015-11-05 20:21:28
白江幸司 @ttt_cellule

野外インスタレーションが馴染むのは、そもそも媒体特性が、背景絵の一変や登場人物の身振りなどとの連動がしやすいため、演出技法が地続きになってるため。人物の背景を作品に落とし込むなどをダイナミックにやりやすい。

2015-11-03 13:16:17
白江幸司 @ttt_cellule

今まで見た中で、これは活路かな?と思ったのは、恋キャンのOPまでのパートで、画材や装飾、建築にかんして博覧強記の主人公が、絵面で見ると凡庸な西洋風お屋敷内装を過剰に説明する語りをすることで背景絵に対してテキストが介入する作用が出せてたこと。ただし本編開始後、あっさり薄れる。

2015-11-03 13:18:52
白江幸司 @ttt_cellule

言うまでもないことだと思い、省いてたけど、他分野からの美術参照からでもリヒターやジェフウォールぐらいの作業をテンプレ扱いでサクッと処理しておいてほしい。立ち絵システムに対する考察を画面で展開するぐらいのハードルで評価したらサクラノ(のみならずノベルゲーム全部)は全然届いてない。

2015-11-05 20:20:08
白江幸司 @ttt_cellule

中原中也宮沢賢治ゴッホの逸話やテキストで丸め込んでるあたりは、深みや思弁とかで感銘を受けるというよりも、このやり方しかできないのかと呆れた感想の方が大きい。哲学者のフレーズも詩人や画家の逸話や名言も深イイ話的に等価だって意味では一貫性あるけど、その水準の模索はちょっと。

2015-11-05 20:25:43
白江幸司 @ttt_cellule

あとは、アートとクラフトの区別がついてないのもまずい。高校美術部の登場人物がそうなのは別に構わないが、美術業界関係者や作家の層までその中で書いてる。

2015-11-05 20:41:17
白江幸司 @ttt_cellule

割りと関心あるのは、サクラノは女性ユーザー客を掴めるのかどうか。アニメ業界は近年男女両方狙いを活発にしているが、性別ごとにマーケットが分割されがちなノベルゲームではそういった刷新の契機が乏しい。

2015-11-05 22:03:43
白江幸司 @ttt_cellule

時計仕掛けのレイラインや月に寄りそう乙女の作法は男女両方狙いの側面もあったが乙女ゲーと融合しつつ全年齢化に踏み切るほどの余力のあるメーカーはいるのか怪しい。前に貼った「乙女ゲーの主人公キャラの前景化」みたいなことは男性向けでも多少は起きている。

2015-11-05 22:05:28
白江幸司 @ttt_cellule

時計じかけのレイラインは、男女プレイヤー率などの結果は全く知らないけど、絵柄も男女両方狙いだし、イケメンもいれた、ヒロインが主人公的に活躍する、ヒロインの同性友情もやる、ロリババア出てくる、シスコンブラコン多め、などなどといろいろやってて、「あわよくば両方攻める」路線だろうと思う

2015-11-05 22:08:22
畠山宗明 @gilledwhale

しかし、文学や美術の人が映画に関して必要とするのは、「不在の現前(ちょっと古いけど)」とか、映画的なイメージの抽象的な定義だけなんだろうなあとやはり思うな。

2015-11-08 14:18:41
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale ノベルゲームにおける美術運用は大抵酷いものだと整理しているうちに、フェアに批判するなら映画における芸術の人生ドラマ的な運用と加味される知性の関係を掘らないといけないなと思ったんですが(最近ではターナーがあったようですが)大抵はメロドラマ化されてしまいそう

2015-11-08 14:24:46
畠山宗明 @gilledwhale

@ttt_cellule 映画の美術参照もたいがいだろってことw?

2015-11-08 14:25:53
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale いや、フィルムスタディーズの成果がソフト化の際に導入される経路があるように、ものによってはいろいろやられてるのかも?とは期待してるんですが、畠山さんに「何か面白いのあります?」と尋ねるのも投げっぱすぎると思って結語を変更しましたw

2015-11-08 14:27:22
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale このへんを掘り下げた論文や記事ぐらいなら割と英語圏にありそうですよね。日本だと対応窓口なさそう。

2015-11-08 14:28:35
畠山宗明 @gilledwhale

@ttt_cellule 映画とモダニズムだとフィルムの物質性を媒体と考えてフィルムそのものを展示するとかありましたが。対してイメージに基礎を置く「リアリズム」の扱いは難しいというのはありますね。そういう話?

2015-11-08 14:30:41
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale いや、もっとレベルの低い話で、大抵の美術ファンは保守的でモダニズム以前であり、そのなかでゴッホやベーコンやバスキアらの映画が撮られてるんではないかと。しかしながら試みられている工夫はどういうものになるのかなと。

2015-11-08 14:32:48
畠山宗明 @gilledwhale

@ttt_cellule そういう映画に「試み」はあるのかってこと?

2015-11-08 14:33:55
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale 何かしらあるでしょう。絵画作品を構成するイメージを撮影対象と絡ませるとか、俳優と絵を重ねるとか。空間秩序を似たものにするとか。制作過程記録に傾注するとか、あるいは作品自体は映さないとか。

2015-11-08 14:37:23
畠山宗明 @gilledwhale

@ttt_cellule どうだろうね。『ピカソ・天才の秘密』とかストローブ&ユイレの『セザンヌ』とかリヴェットの『美しき諍い女』とかではなく、もっと大衆的な次元で工夫はあるかってことだよね?

2015-11-08 14:39:07
白江幸司 @ttt_cellule

@gilledwhale で、まあ映画ならこのぐらいはまずやられると思うんですが、それを対象の美術作品のアダプテーションとして吟味する議論はどのぐらいあるんだろうなとか。

2015-11-08 14:41:00
土屋誠一 @seiichitsuchiya

@gilledwhale @ttt_cellule いやいや、それ、ジャンルというか、単にクラスタ分断にしかならないから、あんまり強調しないほうがいいですよ。私だって、美術の話を非専門家が語るときには鼻白むことはままありますが。

2015-11-08 14:40:09
畠山宗明 @gilledwhale

@seiichitsuchiya @ttt_cellule そうですね。ツイートしたあと逆を考えてちょっと反省しました。

2015-11-08 14:41:18
土屋誠一 @seiichitsuchiya

@gilledwhale @ttt_cellule 専門家はむしろ非専門家の言説に寛容になったほうがよくて、そうしないと内圧は高まるけれども、一見さんお断りになって、タコツボ化します。逆に、非専門家が専門家に対して敬意と緊張感を持たなくなっていることに問題があるんだと思いますね。

2015-11-08 14:42:45
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