「ボマー・ガール・フー・カーズス・ア・ストーム」

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

KRAAASH！「グワーッ！？」直撃！脳天に痛烈な踵落としが突き刺さる！「グワッ…！」ハ級めいた仮面がひび割れ、青黒い血が零れる。吹雪は対空しながら複雑に動き、両足首でコールドレインの首を挟んだではないか！「ヌ！？」「イヤーッ！」そして空中で自らの体をスイング！ 9

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

このワザはジュー・ジツの禁じ手、ネックカット・ナゲに他ならぬ！「グワーッ！」コールドレインは海面に叩き付けかれ、ブザマに転げまわる。「クッ、何タル…」コールドレインは直ぐ様体勢を立て直す。「イヤーッ！」吹雪の追撃は恐るべき速さで迫る。 10

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」コールドレインははチョップ突きを繰り出す！「イヤーッ！」吹雪は体を軽く捻り、最小限の回避。液体窒素が空しく宙を舞う。そして、ワン・インチ距離に踏み込む！「イヤーッ！」頭部狙いのショートフック！コールドレインは右腕装甲でそれを往なす！「イヤーッ！」 11

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」今度は左ジャブ！またも頭部狙い！「イヤーッ！」掌を開き、液体窒素を飛ばそうとしたコールドレインはこれを諦め、左腕装甲で受ける！「イヤーッ！」右！「イヤーッ！」「イヤーッ！」左！「イヤーッ！」「イヤーッ！」右！「イヤーッ！」「イヤーッ！」左！「イヤーッ！」 12

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

ゴウランガ！ミニマルな木人拳めいた攻撃と防御の応酬が繰り広げられる！((拙イ…))目まぐるしく変化するカラテ小宇宙攻防の中、コールドレインは焦燥する。((掌ヲ開ケネバ液体窒素ハ出セヌ…ソシテ近過ギル！ハヤイ過ギル！攻勢ニ、回レヌ！))「イヤーッ！」「イヤーッ！」 13

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「スゲェ…」嵐はその光景を驚嘆の思いで見つめる。「アレが本当のカラテ…艦娘と深海棲艦のイクサ…」嵐は拳を音を立てて握り締める。既に体調は回復している。艦娘の超人的な回復力の賜物である。肺が酸素を取り込む度、総身に力が、カラテが巡るのを感じた。 14

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

カラテが巡る度、ソウルが疼くのを感じる。疼きは更なる活力を作り出す。何のために？ここから逃げ出すためか。それとも……。嵐は決然とコールドレインを、睨む！そして！「イヤーッ！」「グワーッ！」顔面へのフックを受けコールドレインが仰け反る。ワン・インチ距離死闘を制したのは吹雪だ！ 15

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

ハ級めいた仮面が完全に砕け散る。その下から現れたるはサメめいた目と鋭い鋸歯。脳天から零れる青黒い血が眉間に流れる。「何タルカラテ…面倒ノ極ミ！」コールドレインは呻いた。「液体窒素が使えなければこの程度か」吹雪が処刑人めいてカラテを構える。左目の虹彩が極限まで窄まる。 16

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

そして、吹雪はジゴクめいた声で言った。「ハイクを詠め」「生憎死ヌ気ハナイ！」コールドレインは叫ぶ。その両掌に膨大な量の液体窒素が溢れ出す！「私ヲコノ地ニ追イヤッタ奴ヲ殺スマデ、死ネルカ！イヤーッ！」おお、見よ！コールドレインは膨大な量の液体窒素を、己の真上に飛ばした！ 17

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「何」吹雪は行動の意味を計りかねる。SPRAASH！液体窒素は雨めいてコールドレインに降り注ぐ。そして、おお…ナムアミダブツ！コールドレインの体が、氷のレガース(脚甲)に、ブレーサー(腕甲)に、胴当てに、そして兜に覆われていくではないか！ 18

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」コールドレインは周囲の冷気を吹き飛ばす。現れたるは、騎士めいた氷の鎧に身を包んだコールドレイン！「コレガ、コリ・ヨロイ・ジツ！」コールドレインはカラテを構える。「貴様ヲ…殺ス！」「やってみるろ！」吹雪は手招きする。「イヤーッ！」コールドレインが躍り掛かる！ 19

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」「イヤーッ！」両者のチョップが衝突！拮抗！「硬い…！」「ヤハリ凍ラヌカ…」コールドレインは無感動に呟く。「本来コノジツハ攻撃者ヲ凍ラセルジツダガ、貴様程ノカラテ強者ニハ通ジヌカ」コールドレインは左腕を引く！「ダガ、ドウヤラ硬サハ十分！イヤーッ！」 20

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

コールドレインの左ストレートを、吹雪は右腕で逸らす！「イヤーッ！」「イヤーッ！」コールドレインの蹴りが迫る！「イヤーッ！」吹雪は左腕を下げ、受け止める！蹴りの衝撃で吹雪後退！((何たる威力…！))吹雪の頬に冷汗が伝う。 21

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

氷の鎧で質量と硬度を上昇させ、カラテの威力を向上させる。脳裏に過るは師のヨロイ・カラテ。((私で砕けますかね…))吹雪は高速思考する。先程の接触で、ブレーサーの硬度ですら自分のカラテでは容易に砕けないことは分かった。しかも敵の鎧は氷だ。恐らく水分さえあれば再生可能だろう。 22

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

((再生される暇を与えず、一撃で殺す…実際それ位か))吹雪の両腕に緑の炎光が灯る。この炎に科学的な熱は無い。だがカラテの威力を上げることはできる。((大技で砕くしかない…その隙を作れるか？))吹雪は思案を続ける。その時。「俺に手伝わせてくれ」声が掛かる。横を見る。嵐がいた。 23

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「嵐＝サン」「このまま、やられっぱなしは癪だ」嵐が横目で吹雪を見返した。コールドレインは復帰した嵐に警戒し、近づいて来ない。「……」吹雪は嵐の瞳を見た。強迫観念めいた決意を感じ取った。「どうします」吹雪は問う。「俺にはこれがある」嵐は爆雷を見せる。「このままじゃ終われねぇ」 24

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「……」「あんな奴相手に躓いてられねぇんだ、俺は」嵐はカラテを構える。「守らなきゃいけない奴がいる。だから強くなる必要がある。ここで、こんなところで苦戦してる場合じゃねぇんだよ！」「…分かりました」吹雪もカラテを構える。水雷カラテではない。ヨロイ・カラテを。 25

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「タイミングは任せます」「応よ。嵐巻き起こしてやるぜ！」「イヤーッ！」吹雪吶喊！「来ルカ！」コールドレインが吹雪を睨む。コリ・バルカンはもう使えない。掌は完全に氷の鎧で覆われているからだ。コリ・ヨロイ・ジツは完全な近距離カラテ戦の為のジツだ。代償がある故に強力だ。 26

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「ケリヲツケヨウカ！イヤーッ！」コールドレインの右ストレート！「イヤーッ！」吹雪は右腕で往なし、左コークスクリューブローを叩きこむ！「グワーッ！」右脇腹に命中！氷の鎧がひび割れるが、直ぐに音を立てて修復されていく！「そこを集中的に狙え！」嵐が叫ぶ！「そこに傷をつけた！」 27

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤッ！イヤッ！イヤッ！イヤーッ！」吹雪は執拗に右脇腹を殴る！「グワーッ！コシャク！」コールドレインの右チョップ！「イヤーッ！」吹雪は右掌をコールドレインの右手首に当て、チョップを受け止める！「イヤーッ！」今度は左チョップ！「イヤーッ！」右腕で弾く！ 28

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」「グワーッ！」CRAAASH！吹雪の左拳が、氷の鎧を大きく砕く！嵐が作った穿孔が露出！「オノレ！」「イヤーッ！」吹雪は更に左拳を叩きこむ！傷口に緑の炎光が燃え移る！「グワーッ！」「今！」嵐は右手で爆雷を持った。「行って来い！嵐…巻き起こせ！」そして、投擲！ 29

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」吹雪は執拗に右脇腹を殴り続ける！「イイ加減ニ…」コールドレインは両腕でチョップを振るった！「シロ！イヤーッ！」「イヤーッ！」吹雪はブリッジ回避！コールドレインは追撃しようとした。爆雷が寸分の狂い無く穿孔に突き刺さった。 30

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

吹雪はバックフリップで距離を取る。コールドレインはそれを確認しようとした。嵐が指を鳴らした。超低温の血が爆雷を凍りつけにするよりも早く！KABOOOM！「アバーッ！」掌に収まる小さな爆雷とは思えぬほどの爆風が、コールドレインを吹き飛ばす！ゴウランガ！おお、ゴウランガ！ 31

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「まだだ！」嵐は指の間に爆雷を挟み、合計6つの爆雷を構える！「吹き飛べェ！イヤーッ！」そしてそれを全て生まれたばかりの爆煙の中へ放り込む！「流石にあの量は…」吹雪は更に距離を取った。嵐が指を鳴らす！32

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

KABOOOM！KABOOOM！KABOOOM！KABOOOM！KABOOOM！ KABOOOM！ 33