この公式1ですが、∑[k=1→n](c)というのは、
項がすべてある定数cであるような数列の初項から第n項までの和
です。それはcをn個分足し合わせたもので、ncになるはずです。
特に、∑[k=1→n](1)=nです。
さて、次の2つの公式もよく出てきます。ここでは当初掲載した画像に誤りがあったので、訂正版を載せておきます。
おそらく∑の記号を学習するころには知っているはずの(?)「等比数列の和」と「二項定理」を∑を使って表しただけです。
実際の計算例
【∑の記号⑨】さて、いろいろな和を求めてみます。 例(1) : 1から10までの自然数の和は、 1+2+3+4+5+6+7+8+9+10=∑[k=1→n](k) です。これを公式を用いて計算すると、下のようになります。 pic.twitter.com/mbYRAYNvxR
2015-12-12 00:03:24⑨で取り上げた例は、1からnまでの自然数を足し合わせる計算が、公式を用いてできるということがわかります。
しかし、⑩のように、∑の線型性(⑥)を使えば、もう少しだけ複雑なものでも、和を求められるようになります。
【∑の記号⑩】 例(2) : 数列{a(n)}を、a(n)=n(n-2)で定めると、{a(n)}の初項から第10項までの和は、∑[k=1→10](k(k-2))です。これを計算しましょう。 kを使った式の積なので、最初は展開します。 pic.twitter.com/PLfRINCuOD
2015-12-12 00:10:07⑩では、∑の右のk(k-2)が「かえるもじ」kの式同士の積になっていますので、
× ∑[k=1→10](k(k-2))=k ∑[k=1→10](k-2)
としてはいけません。面倒でも最初に∑の右を展開します。
その後は+や-で∑を分解し、定数倍を外に出して、公式(⑦・⑧ででてきた)が使えるようにします。
数列の初項から第n項までの和を求めることもある程度できるようになります。
【∑の記号⑪】 例(3):数列{a(n)}を、a(n)=n^3+3で定めます。このとき、{a(n)}の初項から第n項までの和 ∑[k=1→n](k^3+3) をnで表すと画像のようになります。 pic.twitter.com/mv2doe4Twt
2015-12-12 00:39:22画像3行目の=では、共通因数nと、全体の分母1/4をくくりだしています。2行目の3nが、nがとれたあと1/4でくくった影響で4倍されることに注意します。
最後の n^3+2n^2+n+12 は因数分解できることに気付きにくいかもしれないですが、これを仮にnの整式とみてnに-3を代入すると0になるので、因数定理からn+3で割り切れることがわかります。
∑の計算結果は、なぜか、、、
ここまでで、∑の記号と基本の公式に関してのまとめは終わりです。以下は練習問題です。
練習問題
後日解答を載せる予定でいます。1問だけ「計算結果これでいいの?」ってやつが入ってますが。問題出す前に自分でチェックすればいいのに…