黄昏町(九板)四十一日目
- hiiragi_r_t_d
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【四十一日目】 【魂10/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) #hollytk
2015-12-21 22:08:13「…………」 夕焼け空は、いつも通り赤い。 「…………」 わたしは、ぼんやりとしながら歩いていた。 思い出すのは、昨日の事。 魂が消え、異形に呑まれた女性。 「……わたしも、ああなるんでしょうか」 01 #hollytk
2015-12-21 22:09:32理性の欠片も感じられない、醜い獣。 わたしはぶるりと身を震わせ、少し歩調を速めた。 今まで何度も死んで、何度も殺してきた。でも、あんな事は無かった。 「……大丈夫、大丈夫ですよね」 あんな事は、そうそう起きるものじゃない。きっとそうだ。 02 #hollytk
2015-12-21 22:11:18そんな事を考えながら歩いていたからだろう。民家の屋根に登ってこちらを窺う人影に、わたしは気付く事ができなかった。 ぱしゃり。軽い水音と共に、生温い液体がわたしを濡らした。急激に気化するひんやりとした感覚と、鼻を突く異臭。 「……ガソ、リン?」 03 #hollytk
2015-12-21 22:13:34わたしは上を見る。真上、民家の屋根からこちらをニヤニヤと見るのは数人の少年達。年はわたしとさして変わらないだろう。 「あばよ、バケモノ」 見上げるわたしの視線に気付いた少年は、手にしたライターを無造作に放った。 04 #hollytk
2015-12-21 22:15:21身を守る暇もなかった。気化したガソリンが一瞬で燃え上がり、わたしの全身と肺をこんがり焼き上げた。 「ゲ、ガ、ッハッ」 息ができない。目は焼け、視界は炭に変わっていた。 「ヒッ、カヒュッ、ゴホッ」 焼け焦げた脚元がもつれ、わたしは頭から地面に倒れ込んだ。 06 #hollytk
2015-12-21 22:19:29アスファルトの凹凸が、焼け焦げた肌を容赦なく削る。黒焦げの皮膚がボロボロと崩れ、激痛が全身を走った。 「ぐっ、あぁっ……ゲホッ」 「ヒヒッ、いいザマだなあ?」 屋根の上から投げられた小石が、地面をのたうつわたしを打つ。 「こ……の……」 07 #hollytk
2015-12-21 22:21:13焼け焦げ、先端の欠けた尾が霞む。重い手応えと共に、わたしの隣に何かが落ちる音がした。 「げっ、がっ、ハハッ、ナメた真似、してくれるじゃねえか、バケモノ……」 「仕留め……損ないました、か」 近くで聞こえる、少年の声の方向へと、わたしはゆっくりと這いずる。 08 #hollytk
2015-12-21 22:23:46「でも、死んで下さい……わたしを殺すつもり、なら……」 足の感覚が失せる。腕に力が入らない。それでもわたしは、声の居所に辿りついた。 伸ばした手が、痛みに歪む少年の顔を掴む。 「さよう、なら」 09 #hollytk
2015-12-21 22:25:12わたしの牙が、少年の首に深々と突き刺さる。 少年が呻き声を上げるのをどこか他人事のように聞きながら、わたしはゆっくりと意識を失った。 10 #hollytk
2015-12-21 22:27:23──────── 【四十一日目】 【死亡】 【魂-2/異形は入手せず】 【魂8/力11/探索2】 【喪失】名前(後ろ半分)、感情「楽」 【異形】三ツ目(力+1、探索+2)、牙(力+2)、鱗(水耐性、力+1)、角(力+2)、竜尾(力+5) 11 #hollytk
2015-12-21 22:27:39[町]屋根の上からかかる液体。ガソリンだ。少年達がマッチを手に、君を見下ろす。《異形1つ以下なら保護or火耐性所持で脱出【魂+1】異形2つ以上で焼死【魂-2/異形『火玉(火耐性、探索+1)』入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #hollytk
2015-12-21 22:28:03