ヘリガ・カーオ(Helge Kragh) 20世紀物理学史 訳者による紹介

ヘリガ・カーオ(Helge Kragh)『20世紀物理学史』(原題 Quantum Generations) の本の内容を、訳者のひとりの有賀暢迪(ありが のぶみち)さんが紹介しています。
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[2016年12月13日現在の注] 2016年12月12日から追加されたものを順次入れていきます。

第24章

『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【金属の量子論】これを開拓した最初の物理学者はパウリです。量子力学が登場してすぐ、1926~27年に、いわゆるフェルミ=ディラック統計に基づく磁性の理論が作られました。パウリ自身はこの分野を、「純粋」でない「汚い物理学」と呼んでいたようですが。《#20世紀物理学史 第24章より》

2016-12-14 10:48:38
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【半導体】その存在自体は19世紀中頃から知られていましたが、1930年代に発展したバンド理論によって、特性がよく理解できるようになりました。1941年には、今でも使われているp型とn型という名称が、ベル研究所のスカッフによって導入されています。《#20世紀物理学史 第24章より》

2016-12-23 14:47:49
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【固体物理学】アメリカ物理学会に"solid state physics"部門が作られたのは1947年。当初は原子核物理学に比べて小さな領域でしたが、その後、驚異的な成長を遂げます。60年代半ばには、年間論文数が核物理を上回るようになりました。《#20世紀物理学史 第24章より》

2016-12-14 19:21:50
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【超伝導の理論】提唱した3人のイニシャルから「BCS理論」と呼ばれます(1957年)。この登場を受けて、ある物理学者は超伝導の理論と場の量子論の関係を深く考察しました。それが南部陽一郎で、自発的対称性の破れと呼ばれる理論の提唱につながりました。《#20世紀物理学史 第24章より》

2016-12-12 20:50:21
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【高温超伝導】ある種の金属酸化物が、それまでの常識よりずっと高い温度で超伝導状態になるという発見(1986年)が、世界中の研究者を騒然とさせました。翌年にはノーベル賞が授与され、日本では官民連携の研究センターが直ちに設立されたのですが……。《#20世紀物理学史 第24章より》

2016-12-12 23:48:51

第25章

『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【トランジスタ】pn接合型のトランジスタは1950年にアメリカで発明されたのですが、当初、市場に出回るにはあまりに高価でした。52年に製造された9万個のトランジスタは大部分、気前のよい一人の顧客に買われていきました――つまり、アメリカ軍です。《#20世紀物理学史 第25章より》

2016-12-14 00:49:42
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【レーザー】「LASER」というのは略語で、元来は「放射の誘導放出による光増幅」という意味合いを持ちます。歴史的には、この技術が1960年頃に登場するのに先立って、「メーザー」すなわち「放射の誘導放出によるマイクロ波増幅」の発明がありました。《#20世紀物理学史 第25章より》

2016-12-12 17:50:02
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【光ファイバー】開発の契機となったのは、電磁波の理論的解析により、その実現可能性が示されたことです(カオとホッカム、1966年)。この結果を、日本を含む世界中の大学・研究所・企業が、信号損失の少ない材料を開発せよという挑戦と受け止めたのでした。《#20世紀物理学史 第25章より》

2016-12-15 06:18:47

第26章

『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【物理学の博士学位】1970年代初頭のアメリカでは、毎年1,600人を超える物理学博士が生まれていました。この数字は80年代初頭になると、毎年900人まで減少します。この変化は、70年代のアメリカ物理学が経験した「危機」の一例と言えるものです。《#20世紀物理学史 第26章より》

2016-12-12 12:50:51
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【ヨーロッパ物理学】物理学におけるヨーロッパ統合。その象徴は、ドイツ、フランス、イタリアの伝統ある学術誌の統合でした。Europhysics Lettersは1986年、European Physical Journalは98年の創刊です。《#20世紀物理学史 第26章より》

2016-12-14 22:22:24
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【物理学と東洋思想?】この二つのつながりを主張した本として、カプラの『タオ自然学』(1975年)があります。同書は、カウンターカルチャーに代表される時代の空気と共鳴し、たいへんな好評を博しました。それもまた、20世紀の物理学史の一コマです。《#20世紀物理学史 第26章より》

2016-12-15 18:23:06
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【物理学の終焉】その日が来ることはあるのでしょうか。アインシュタイン、ガモフ、ファインマン、ホーキングといった人々は、いずれ(近々)来ると信じていたようです。すべてを説明する最終理論や究極的な法則が見つかれば物理学は終わる、というのですが……。《#20世紀物理学史 第26章より》

2016-12-17 08:22:26

第27章

『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【重力場の量子化】最初の試みは1930年代、ローゼンフェルトやブロンシュテインによるものでした。この関心は50年代に復活し、クラインとホイーラーによる「プランク・スケール」の議論や、ディラックによる「重力子(グラビトン)」の提案がなされました。《#20世紀物理学史 第27章より》

2016-12-22 08:47:52
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【超弦理論】「超ひも理論」と呼ばれる理論が大流行したのは80年代後半です。84年の「超弦革命」前は年間100本に満たなかった論文数が、87年には1,200本を記録しました。多くの支持の一方、実験で検証できないとの批判もあり、現在に至っています。《#20世紀物理学史 第27章より》

2016-12-22 05:48:09
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【量子宇宙論】その一例として、ホーキングとハートルが1983年に提唱した理論があります。彼らは「宇宙の波動関数」を書き、その解釈として、宇宙は創造も破壊もされないと考えました。『ホーキング、宇宙を語る』はこれを一般向けに語ったベストセラーです。《#20世紀物理学史 第27章より》

2016-12-12 19:50:06
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【陽子崩壊】1974年のジョージ=グラショウ論文に始まる大統一理論の発展から出てきた予測の一つに、陽子の崩壊寿命の推定があります。1980年代以降、陽子崩壊の実験は一連のビッグ・サイエンスとなりました。その一つが、日本のカミオカンデです。《#20世紀物理学史 第27章より》

2016-12-13 00:49:40

第28章

『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【ノーベル物理学賞】ノーベルの遺言では、「毎年、その前年に人類のために最大の貢献をした人たちに」贈られることになっていました。これはやがて幅広く解釈されるようになります。研究成果の発表から、実に40年以上も経って賞を受けた人たちが中にはいます。《#20世紀物理学史 第28章より》

2016-12-17 18:20:31
『20世紀物理学史』bot @Quantum_G_bot

【ノーベル物理学賞】20世紀のあいだに受賞した人物は、全部で161人。そのうちジョン・バーディーンが2回、栄誉を受けています(1956年および72年)。女性は2人だけで、マリー・キュリー(03年)とマリーア・ゲッパート=マイヤー(63年)です。《#20世紀物理学史 第28章より》

2016-12-27 22:47:44

[2015年12月27日現在の注] 本は第29章までありますが、解説ツイートは今のところここまでです。暫定的に、残りの部分の内容の紹介を含むツイートを収録しておきます。

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