カイロプラクティック施術に関する消費者契約法の裁判例
- binbo_cb1300st
- 3630
- 11
- 1
- 0
j.mp/1PqHpIm 『インターネット広告も「勧誘」とみなし、広告の内容が虚偽だった場合には契約を取り消せるようにすることも議論されたが、事業者からの反対意見が相次ぎ、見送られた』 前半はともかくこっちが気になった。反対意見の内容見たい
2015-12-27 20:33:11消費者契約法
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 重要事項について事実と異なることを告げること。 当該告げられた内容が事実であるとの誤認
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものに関し、将来におけるその価額、将来において当該消費者が受け取るべき金額その他の将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供すること。 当該提供された断定的判断の内容が確実であるとの誤認
2 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対してある重要事項又は当該重要事項に関連する事項について当該消費者の利益となる旨を告げ、かつ、当該重要事項について当該消費者の不利益となる事実(当該告知により当該事実が存在しないと消費者が通常考えるべきものに限る。)を故意に告げなかったことにより、当該事実が存在しないとの誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。ただし、当該事業者が当該消費者に対し当該事実を告げようとしたにもかかわらず、当該消費者がこれを拒んだときは、この限りでない。
3 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。
一 当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。
二 当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。
4 第一項第一号及び第二項の「重要事項」とは、消費者契約に係る次に掲げる事項であって消費者の当該消費者契約を締結するか否かについての判断に通常影響を及ぼすべきものをいう。
一 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの質、用途その他の内容
二 物品、権利、役務その他の当該消費者契約の目的となるものの対価その他の取引条件
5 第一項から第三項までの規定による消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消しは、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
認知症患者の大量購入契約、取り消し可能に 法改正へ:朝日新聞デジタル asahi.com/articles/ASHDT… 広告を「勧誘」とみなすべきかどうかは判例上は決まってない模様である。 caa.go.jp/planning/23kei…
2015-12-27 20:50:512017/02/15追記
最高裁で広告も「勧誘」に当たる場合がある、という判決が出されました。
東京地裁平成25年3月26日判決
原告の主張
消費者である原告は、肩こりや頭痛などの症状についてインターネットで通院先を探し、被告らとの間でカイロプラクティックの施術契約を締結し、施術を受けた。
原告は、被告らが、原告の猫背、頭痛、肩こりはカイロプラクティックによる施術によって治るとは限らないにもかかわらず、それを故意に告げず、かえって、原告らの症状が治ると将来における変動が不確実な事項につき断定的判断を提供したため、 原告は、本件各施術によって症状が治るのが確実であると誤認したと主張し、法4条2項により本件各施術契約を取消す旨の意思表示をし、不当利得の返還請求をした。
判決の内容
カイロプラクティックの施術における「猫背、頭痛、肩こりの症状を改善させる効果の有無」については、消費者契約の目的となる役務についての「質」に該当すると認められる。
被告らが、本件各施術によって猫背、頭痛、肩こりの症状が改善していく旨の説明をしたことは認められるが、施術によって症状が改善しないと認めることはできないから、被告らが本件各施術によって症状が改善しないにもかかわらず改善する場合があると告げたと認めることはできない。
また、被告らが、原告に対し症状が軽減、消失しないことを告知しなかったことが法4条2項に反するとはいえない。
そして、被告らが「猫背、頭痛、肩こりが治る」などという断定的明言をした事実を認めることはできず、 原告において、猫背、頭痛、肩こりが確実に治ると誤信したと認めることは困難である。
被告らが、症状が改善しない場合があることを故意に告げなかったとも認められない。
以上により、原告の本件各施術契約の申込みの意思表示につき、法4条2項に基づいて取消すことはできないとして、原告の請求を棄却した。
なぜにカイロプラクティックは保健衛生上害を及ぼすおそれのある行為であり、施術契約は医師法やあはき法第12条に違反する契約であり、民法第90条により無効である、という主張をしなかったのか。
2015-12-27 21:14:31医師法第17条
医師でなければ、医業をなしてはならない。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第12条
何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。
民法第90条
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。
東京都消費者被害救済委員会は、アートメイク講座を受講した消費者の申立に関し、アートメイクは医行為であり、医師免許を持たない者に対するアートメイク講座は公序良俗違反としてアートメイク業者に全額返金を命じた。
厚労省がカイロを認めるような通達を出している状況では公序良俗違反を主張する方法は取りにくいかもしれないが。 カイロ通達でなぜ厚生省は過去の通達を改変引用し、医師法判例を無視したのか? - togetter.com/li/844882 @togetter_jpさんから
2015-12-27 21:16:21厚生労働省のカイロプラクティックに関する通達は断食療法に伴う問診を診察とし、その診察を医師法違反とした最高裁判例に背きます。
断食道場の入寮者に対し、いわゆる断食療法を施行するため入寮の目的、入寮当時の症状、病歴等を尋ねる行為(原判文参照)は、その者の疾病の治療、予防を目的とした診察方法の一種である問診にあたる。
もっともあん摩マッサージ指圧師や柔道整復師が行ったカイロ施術に対する訴訟だと公序良俗違反を主張するのは流石に難しい。そういう事情でも有ったのだろうか?
2015-12-27 21:17:06そんなわけで、整体やカイロプラクティックなどの無免許施術に対する返金を求める場合は、施術自体が医師法第17条違反やあん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第12条違反(医業類似行為の禁止)であり公序良俗違反として返金を求めましょう。