大井浩明 POC[Portraits of Composers]2015 第22回~第26回公演+関連公演
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昨夜の大井浩明さんのドナトーニ @芦屋山村サロン フランソワーズ変奏曲以外は初めて聴く曲ばかり。1曲目の3つの即興は、音に情念を込めないというドナトーニらしい音の羅列。ペダルが少な目なので、残響があまりなく乾いた響き。
2015-08-29 08:37:43後半のメインは、youtubeの音源で聴いたことがあるだけの『フランソワーズ変奏曲』、杉山さんのプログラムへの寄稿では「虚無の音符」という表現があったけど、細かいトリルを多用して中庸の音量で奏でられる音楽は、「軽やかな饒舌」みたいなもんを想起させましたわ。
2015-08-29 08:56:52大井さんは淡々と風通しのえー浮遊感のある響を通じて、感情を交えない重さから解放されたドナトーニの音楽をうまく表現してはったと思う。前衛作品やのに聴後感がえらい爽やかに感じたいうて、ワシの感覚がおかしくなってるんやろか?
2015-08-29 09:09:11昨夜の大井浩明さんの「ドナトーニ 主要ピアノ曲集+湊真一新作初演」≪All'Italiana 2015≫最終夜も存分に面白かった。いくら音を連ねても自己表現ができない1957年の『3つの即興』に逆説・裏返しの彼がいた。 pic.twitter.com/dpyQUBDDQm
2015-08-30 00:36:16そして、後半の大作『フランソワーズ変奏曲』の背後に巨大な「凡=非凡」の男の姿が浮かび上がった。今夏のサロンでの大井/イタリアの白眉はシェルシ。彼の左にベリオ。右にドナトーニ。見事なプログラミングだった。 pic.twitter.com/OnoBhPeHmG
2015-08-30 00:38:06特筆すべきは、当日配布の冊子に書かれた杉山洋一さんの「ドナトーニ歿後15周年に寄せて」と題された一文だ。音楽家が先んじた音楽家を書く文章で、これ以上に鮮やかに描き切った文章は稀だろう。鋭い批評と、すべてを受け入れる大きな愛と。 pic.twitter.com/uxlLjwgW26
2015-08-30 00:52:20引用終わり
【10/11公演】フランコ・ドナトーニ(歿後15周年)全ピアノ作品 《四楽章の作品》《三つの即興》《抜刷》《韻》《フランソワーズへ》《フランソワーズ変奏曲(49曲)》《レンゾとマルチェラへ》《レオンカヴァッロ》/アンコール:シェルシ《アクション・ミュージック》(1955)第4楽章
2016-01-02 03:54:09このたびは、ドナトニ晩年の弟子であり協働者であった杉山洋一氏から素晴らしい追悼エッセイをお寄せ頂き、また氏のお口添えにより、ドナトニの長年の伴侶であるデカルリ女史から、秘蔵の未出版譜をシェアして頂きました。改めてお二人に感謝を捧げる次第です。
2016-01-02 03:54:45デカルリ女史(ならびに杉山洋一氏)の寛大なるお力添えにより、未出版の手稿譜を拝領出来ました。《フランソワーズへ》を主題として扱うのか、《レンゾとマルチェッラへ》《レオンカヴァッロ》を「忘れられた」変奏と看做すのかは、繊細な問題のようです。関西公演ではオリジナルのまま、東京では・・
2015-08-18 02:13:22《四楽章の作品》(1955)の楽譜はゼルボーニとショットを往復でたらい回しにされた挙句絶版を確認、イタリアでも入手困難のようで、杉山氏の御手配でデカルリ女史から譜面をお分け頂きました。「ダラピッコラからの借り物」という路線であっても、時期的にも2歳年長のベリオの後塵を拝する感じ。
2016-01-02 03:55:43《3つの即興》(1957)のような譜面を30歳にもなって公刊するのは如何なる事なのか。一方、この作品の演奏にあたって、奏者にはブレーズ第2ソナタの演奏経験が前提となるのかどうか。拍の優劣無しは《四楽章の作品》と同様の注記。 pic.twitter.com/qPNPaq6ZZq
2016-01-02 03:56:49声部のヒエラルキー禁止はブーレーズ序文と共通。ブーレーズ第2ソナタでは声部を力学的に差配するのに、バッハでは「ソプラノしか聞えない」ポリーニ様。「表情的ニュアンス」を忌避するブーレーズに対し、「余計なペダルによる『効果』」に釘を刺すドナトーニ。
2016-01-02 03:57:04《抜刷》(1969)の有音部の「雀の鼓動」に対し、無音部で喩えられている「骸骨蛾の羽ばたき」とは、映画《羊たちの沈黙》の例のアレ。 pic.twitter.com/fYkHLj3uZP
2016-01-02 03:58:26《韻(リーマ) Rima》(1983) は、タイトルになっているくらいなのか、単純な曲のわりには拍節設定に迷う作品。ドナトーニで最も演奏頻度が高いでしょうが、譜めくりを含めて皆さんどう解決なさってるんでしょう。第2部冒頭など、「骸骨蛾の羽ばたき」のように弾きたいところ。
2016-01-02 03:58:36コルトーナでのデカルリ嬢による《韻》世界初演(1983)に臨席したアルド・タッソーネ(フェリーニの知人の映画評論家)から、「妻のために何か書いてくれよ」と冗談で言われてドナトニが書き下ろしたのが《フランソワーズへ》(1983)だそうです。初耳。
2016-01-02 03:59:24《フランソワーズへ》(1983)は1ページの小品ですが、不親切にも《フランソワーズ変奏曲》の楽譜には所収されておらず、リコルディ社のアンソロジー曲集(1988)をそのためにわざわざ購入しなければなりません。
2016-01-02 03:59:37今回デカルリ夫人の御厚意で入手した《レンゾとマルチェラへ》(1990)は、第4セット(第22~28変奏、1989)の完成後に、新たなシリーズの胚種として1990年初頭に書き留められたものの、ドナトニがそのまま忘れてしまっていた作品だそうな。
2016-01-02 03:59:53《レンゾとマルチェラへ》(1990)ならびに第5セット(第29~35変奏、1994)を献呈されているのは、幼少時代からの友人レンゾ・ボニッツァート(Renzo Bonizzato、ヴェローナ音楽院教授)。ミケランジェリ弟子。youtube.com/watch?v=NAmQnC…
2016-01-02 04:00:11《レンゾとマルチェラへ》(1990)は、最もシンプル、かつ最も調性的に書かれた変奏ですが、確かにここを出発点として全然違う径も有り得たと思わせる筆致。これを元に、誰か「幻の変奏」を書き継いでも面白いかも。未出版なのはもったいない佳品。
2016-01-02 04:00:19第5セットあたりから譜面の筆致が大雑把になり読譜に支障を来たすのは困り物。第33変奏など普通に読めば「B-G-G-Fes-F」だが、前後関係からすると明らかに「B-A-G-Ges-F」とか。臨時記号の位置のずれ方も酷い。「書かれたまま(com'è scritto)」では弾けない。
2016-01-02 04:00:50第6セット(第36~42変奏、1995)の最後から《レオンカヴァッロ Leoncavallo》(1996)は非常に滑らかに接続出来るので、やはり挿入位置として悪くない。 pic.twitter.com/EeKrDRiuJb
2016-01-02 04:01:307×7のフランソワーズ変奏曲と、3×10のゴルトベルク変奏曲を交互に弾く、というアイデアを思い付きましたが、良い組み合わせが見つからない。今更ながらに、カノンで区切ると収まりが悪く聞えてしまう。序曲とか短調とかの配分もあるし。各々の演奏時間の長さも揃えたほうが良いし。
2016-01-02 04:01:49フランコ・ドナトーニ(1927-2000) & 勝新太郎(1931-1997) pic.twitter.com/6y1lDUXLhF
2016-01-03 02:28:43