自由を保障する道具としての人権 ~誰にでも保障される人権の便利さ~

気になるまとめを見かけたので、簡単にまとめてみました。
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目次

 1 人一般に対する人権保障
 2 障害者に対する人権保障
 3 補足
 4 関連するまとめ
 

精神保健くん @seishinhoken

障害者の権利は本当に尊重されるべき? - Togetterまとめ togetter.com/li/920692 @togetter_jpから

2016-01-03 14:30:23
まとめ 障害者の権利は本当に尊重されるべき? 果たして実現可能性はありえるだろうか。 話を理解するために必要な前提条件が多すぎてイミフと言われたので前提条件からの説明。 http://togetter.com/li/925629 続きが出来たよ! http://togetter.com/li/921945 156453 pv 757 255 users 101
行政法たん @admi_tan

もし「障害者に人権を保障しないのが適当だ」と考えるなら問題が4つほどあるかな。 (1)人権保障を放棄するのか? (2)人権保障の平等を放棄するのか? (3)生存権の保障を放棄するのか? (4)障害者に人権を保障しない理由はあるのか? togetter.com/li/920692

2016-01-03 16:58:38

1 人一般に対する人権保障

行政法たん @admi_tan

(1)人権が保障されなくてもいいって考えるなら、障害者には人権を保障しないって考えも成り立つ。 …同時に、わたしにもあなたにも、誰にも保障されなくなるけど。

2016-01-03 16:59:08
行政法たん @admi_tan

(2)人権が保障されるとしても「人間であること」以外の条件(たとえば障害を持たないこと、70歳以下であることなど)を満たして初めて保障されるって考えるなら、障害者には人権を保障しないって考えも成り立つ。 …同時に、わたしやあなたが条件を満たさず人権を保障されない可能性が出てくる。

2016-01-03 17:01:10
行政法たん @admi_tan

(3)人権が誰にでも平等に保障されるとしても生存権は保障されないって考えるなら、障害者には生存権を保障しないって考えも成り立つ。 …同時に、わたしにもあなたにも、誰にも保障されなくなるのは(1)と同じだね。

2016-01-03 17:02:10
行政法たん @admi_tan

以上で述べたような人権保障は不要だって思う人もいるかもしれない。もちろん、人権を行使しないのはその人の自由だろうね。 人権を保障されていたって、人権を行使しない自由はある。

2016-01-03 17:02:39
行政法たん @admi_tan

でも…もし人権を保障せず誰も人権を行使できなくなれば、物理的な力や他人を説得する力など、なんらかの力を持っていない人の自由は制限されてしまう。力を持っている人だって、その力を失ったら終わりだよ。 人権を保障していたときと比べれば自由に行動できなくなる…って人のほうが多いだろうね。

2016-01-03 17:04:58
行政法たん @admi_tan

あなたの目の前にあるパソコンやスマホなんかも、財産権っていう人権を保障された結果として、安心して所有して(借りて)いられるってこと、もし奪われても相手に対して返還や損害賠償を求めることができるってこと(その際には法律や裁判所の力を借りられるってこと)を覚えておいてほしい。

2016-01-03 17:07:35
行政法たん @admi_tan

財産権を保障しなくていいなら、窃盗を処罰する必要も、盗まれた物の返還や損害賠償を認める必要もないよね。 もちろん、国がどういう制度を設けるかによっても変わるとしても、警察が窃盗を取り締まらず、盗まれた物の返還や損害賠償を求めて裁判所へ訴訟を提起しても却下されるようになりかねない。

2016-01-03 17:09:32
行政法たん @admi_tan

こんな風に財産権が保障されず、奪われても文句を言えない(文句を言うなら、自分の力で相手を制圧しないといけない)ってことになれば、心置きなく自由に行動できるかどうか…。 財産を守ること以外のことに割ける労力や時間が減って、行動の自由が今より制限される人のほうが多いんじゃないかな。

2016-01-03 17:11:16
行政法たん @admi_tan

「人であれば、ほかの条件を要求されることなく、誰にでも保障される人権」っていうのはとても便利な道具だから、少なくとも今の段階で捨ててしまうのはもったいないにもほどがあると思う。

2016-01-03 17:13:35
行政法たん @admi_tan

あと、「人であれば、ほかの条件を要求されることなく、誰にでも保障される人権」って概念を認めるなら、生存権は必然的に保障すべきだってことになるだろうね。生存権はすべての人権の基礎になっている人権だろうから。 生きていないと、どんな人権も自分で行使することは出来なくなる。

2016-01-03 17:14:18

2 障害者に対する人権保障

行政法たん @admi_tan

それと…(4)障害者であることを理由に人権(とくに生存権)を保障しないことは適当か?…って問題もあるんだったね。

2016-01-03 17:18:15
行政法たん @admi_tan

今まで言ったように、人であれば人権を保障されるのが原則になる。 例外的に保障されない場合があるって言いたいなら、人であれば誰であっても人権を保障されることと矛盾しないような、適当な理由を持ってくる必要がある。

2016-01-03 17:21:06
行政法たん @admi_tan

ただ、障害者であることを理由に人権を制限することについて、人であれば人権を保障されることと矛盾しないような理由はあるかな。 「理由はある」って言えないなら、障害者であることを理由に人権を制限することはできないというべきだろうね。

2016-01-03 17:25:43
行政法たん @admi_tan

たとえば、障害者にはお金がたくさんかかるからダメっていう意見があるけど、病気の治療費でお金がかかる人だってたくさんいる。 すると、多額の治療費がかかる病気(とくに完治の見込みがないもの)にかかった人についても人権を保障しないでいいって考えることもできるようになる。

2016-01-03 17:26:37
行政法たん @admi_tan

人権が制限される人の範囲を安直に狭めようとすると、思わず多くの人の人権を制限することになって、最初に「人であれば、他の条件を要求されることなく、誰にでも保障される人権」を設けた意味が薄れることもある。 人権を制限していいかどうかは慎重に考えて、制限も最小限にする必要があるんだ。

2016-01-03 17:27:42
行政法たん @admi_tan

あと、障害を負うことも病気にかかることも、生きている限り避けることはできない。いつでも誰でも、障害を負ったり病気にかかったりする可能性があるって点も忘れてはいけないだろうね。 アラブの石油王でもアメリカの大統領でも日本の天皇陛下でも、この危険から逃れることはできない。

2016-01-03 22:02:49
行政法たん @admi_tan

「どうなっても可能な限りの自由は保障してもらえる」って安心感をもって、心置きなく自由に行動できるようにするためにも、障害者であるかどうかにかかわらず人権が保障される…ってことにしておいたほうがいいと思うな、わたしとしては。

2016-01-03 17:32:15

3 補足

行政法たん @admi_tan

@zatutan ほんとは、どこかの会長さんみたいに一言で「おかしいだろ、これ。」って言いたくなるところを niigata-bengo.or.jp/20150919-anpo-… 抑えて、簡単に説明してみたよ。

2016-01-03 17:40:14