平成27年 司法試験 論文 行政法 答案

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羽廣政男 @m_hahiro

本件の場合,Xとしては,本件基準③の定める高さより高い防火塀を設置すること,及び危険物政令で義務付けられた水準以上の消火設備を増設することについては,技術的にも経営上も可能であり,実施する用意があるので,可能であるという個別事情があり,

2016-01-07 20:41:28
羽廣政男 @m_hahiro

本件基準③所定の防火塀の高さを前提に諸事情を考慮して設けられていることは不合理的である。そして,本件基準①及び②を僅かに満たさない場合に,個別事情を考慮して,水準以上の防火塀や消火設備の設置を理由に同基準の例外を認めるべきである。 6 本件処分の違法性

2016-01-07 20:41:07
羽廣政男 @m_hahiro

5 本件基準①②の違法性のまとめ 本件基準①の短縮条件として,工業地域につき倍数(取扱所で取り扱われる危険物の分量)の上限が定められていることは合理的であるが,本件基準②の短縮限界距離が,

2016-01-07 20:41:03
羽廣政男 @m_hahiro

政令第19条第1項準用に係る第9条第1項第1号ただし書は,「不燃材料(中略)で造った防火上有効な塀を設けること等」と規定しており,塀設置以外の安全対策を予定しているにもかかわらず,たとえば,消火設備等の安全対策を考慮していない点で,行き過ぎであって,不合理である。

2016-01-07 20:40:45
羽廣政男 @m_hahiro

本件基準③(防火塀の高さ)との関係により,きめ細かな規定を設けるべきである。 (2) 本件基準②(短縮限界距離)の違法性 本件基準②は,短縮限界距離の要件として,防火塀のみを考慮しているところ,

2016-01-07 20:40:40
羽廣政男 @m_hahiro

理性はある。しかし,政令第19条第1項準用に係る第9条第1項第1号ただし書の趣旨(できる限り,既得的利益を保護する)からすれば,倍数に係る数値が50を超える取扱所を,一律に短縮条件の対象外としており,行き過ぎであって,たとえば,

2016-01-07 20:40:31
羽廣政男 @m_hahiro

4 ①本件基準自体の違法性 (1) 本件基準①(短縮条件)の違法性 本件基準①は,倍数を短縮条件としているところ,「倍数」は,取扱所で取り扱われている危険物の分量なので,倍数が大きければ危険性も高まるから,倍数に係る数値を短縮条件とすること自体には合

2016-01-07 20:40:11
羽廣政男 @m_hahiro

原則として適法となるが,基準が合理的であっても,本件における個別事情を考慮して例外を認めるべき場合に,これを考慮しない処分は違法となる(要考慮事項(考慮すべき事項を考慮しないこと)(考慮するも過少に考慮すること))。

2016-01-07 20:40:06
羽廣政男 @m_hahiro

本件基準は,保安距離の短縮に関する内部基準なので,その法的性質は,行政規則であるが,先述したとおり,裁量基準でもあるので,本件基準①,②それぞれについて,法令の関係規定の趣旨に照らし裁量基準として合理的であれば,その基準に基づく処分(本件命令)は,

2016-01-07 20:38:56
羽廣政男 @m_hahiro

裁量の幅については,根拠規定の趣旨及び上記ただし書の趣旨を調整する観点から,「距離制限による保安物件の安全の確保」と,「保安物件が新設された場合に既存の一般取扱所の所有者等が負う可能性のある負担」との利益衡量によると考える。 3 本件基準の性質とその効果

2016-01-07 20:38:35
羽廣政男 @m_hahiro

(2) 趣旨 その趣旨は,できる限り,既得的利益を保護する点にあり,そのための救済措置規定である。 (3) 裁量の幅

2016-01-07 20:38:26
羽廣政男 @m_hahiro

同号ただし書は,取扱所の設置後,周辺に新たに保安物件が設置された場合,本文の適用がないという意味で,移設義務を課さないことを内容とするものである。

2016-01-07 20:38:18
羽廣政男 @m_hahiro

2 政令第19条第1項準用に係る第9条第1項第1号ただし書 (1) 内容 法第10条第4項は,取扱所の技術上の基準を政令で定めることとし,政令第19条第1項準用に係る第9条第1項第1号が規定されているところ,

2016-01-07 20:38:03
羽廣政男 @m_hahiro

),②安全か否かは防災に係る専門的技術的観点 からの判断を要すること(処分の性質)から,その法的性質は,裁量基準であるので,Y市長は,本件命令を発するに当たり,裁量が認められる。

2016-01-07 20:37:50
羽廣政男 @m_hahiro

第2 〔設問2〕 50点  1 本件命令の根拠規定 本件命令の根拠規定である消防法第12条第2項「適合しないと認めるとき」及び危険物政令第9条第1項第1号ただし書は「安全であると認めた場合」という市町村長等に判断の余地を認める規定の仕方(条文の文言

2016-01-07 20:37:30
羽廣政男 @m_hahiro

問題となる利益は,営業の自由に係る財産的利益であるところ,これは,処分によりかかる利益を害される取扱所の所有者等の個別的利益をも保護する趣旨と解釈できるから,かかる利益を害されるおそれのある灯油販売業者Xは,これを満たす。

2016-01-07 20:37:20
羽廣政男 @m_hahiro

消防法にはそのような規定は存在しないので,この要件も否定されない。 (4) 原告適格につき,消防法11条2項は,「許可を与えなければならない」と規定しているので,法律上保護された利益として

2016-01-07 20:36:57
羽廣政男 @m_hahiro

ここで「その損害を避けるため他に適当な方法があるとき」とは(差止訴訟の補充性とは),先行処分の取消訴訟を提起すれば,当然に後行処分をできないことが法令上定められているため差止訴訟をする必要性がない場合を指すと解釈されるところ,

2016-01-07 20:36:53
羽廣政男 @m_hahiro

は,補充性要件は,法律上,義務付け請求に代替する別の救済手段が用意されている場合に,手続上の交通整理を行う趣旨から,義務付け訴訟のルートを防ごうとするものである。)。 損害の重大性の要件を満たせば,補充性の要件をも満たすのが通常だからである。

2016-01-07 20:36:43
羽廣政男 @m_hahiro

事後的救済により回復することは困難なので,これも満たす。 (3) 損害を避けるため他に適当な方法(補充性)につき,差止訴訟の場合,非申請型義務付け訴訟(37条の2第1項)と異なり,消極要件である(これに対して,非申請型義務付け訴訟の場合

2016-01-07 20:36:35
羽廣政男 @m_hahiro

,直ちにウェブサイトで公表する運用をとっており,Xは, それによって顧客の信用を失うことを恐れており,本件葬祭場の営業が開始されれば,Y市長が本件命令を発することが確実であるという本件事情の下においては,一度失われた信用は,性質上,

2016-01-07 20:36:22
羽廣政男 @m_hahiro

差止訴訟の場合における「重大な損害を生ずるおそれ」とは,処分後における事後的救済である処分取消訴訟によっては,適切な救済を受けることができない場合と解釈する。これを本件に即して検討すると,Y市では,消防法第12条第2項による移転命令を発した場合

2016-01-07 20:36:00
羽廣政男 @m_hahiro

は,自然人の場合の生命侵害に匹敵し,また,考慮事情として,ひとたび処分がなされると,倒産状態になってしまうという意味で,損害の回復の困難の程度も大きいので,これを満たす。

2016-01-07 20:35:52
羽廣政男 @m_hahiro

これに対して,非申請型義務付け訴訟の場合は,当該処分について申請権を持たない者が原告になって処分をすることを求めるため,救済の必要性が相応に高いことを示す趣旨である。)。経営及び敷地内移設不可能というXの事情から,本件命令という処分の内容及び性質を勘案すると,損害の性質

2016-01-07 20:35:36
羽廣政男 @m_hahiro

満たす。 (2) 重大な損害を生ずるおそれ 重大な損害を生ずるおそれ(第1項本文)につき,差止訴訟の「重大な損害」は,取消訴訟(及び執行停止の申立て)との区別に意義があり,処分がなされた後の取消訴訟では救済できない場合を意味する(予防的な事前救済の必要性

2016-01-07 20:35:31