「イービル・インフルエンス・フロム・ザ・ソウル」

「咆哮系提督の吹雪」第4章 「敵は己と知れ」 「嗚呼、世界は広大だ」
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Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

暗く、明確に突き放すような声。榛名は狼狽えたが、このままこの状態の少女を見過ごす訳にはいかぬ。「吹雪=サン、榛名にはとても大丈夫には…」「……!」その時、吹雪は空を見た。その目は緑色に怪しく輝いている。「吹雪=サン?」榛名は訝しんだ。「アブナイ!」吹雪は榛名を突き飛ばす。 31

2016-02-08 22:46:48
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「ンアーッ!」榛名は尻餅をついた。「何が」「ちょっと吹雪!」僚艦達が咎めようとした。次の瞬間、KADOOOOOOOM!爆発!「何だ今の!?」「砲撃か!?」『馬鹿な!』通信機越しに利根が狼狽えた。『索敵機は何も捉えておらぬぞ!』「まさか射程外から!?」「もしや敵戦艦?」 32

2016-02-08 22:49:23
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

艦娘達は戸惑いながらも迎撃準備を始めた。『総員被害状況報告!』通信機から響くザハの声。「隼鷹、飛鷹、鳥海、山城4名被弾無し!…榛名と吹雪は…」「榛名は大丈夫です!…ですが吹雪が被弾!」「まだ来る!」吹雪は榛名の襟首を掴み、投げ飛ばす!「イヤーッ!」「ンアーッ!」 33

2016-02-08 22:53:53
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

榛名は直ぐに着水、体勢を整える。「吹雪=サン!」榛名の悲鳴。吹雪は儚く笑った。そして目を見開く。一瞬の出来事であった。砲撃が、吹雪の左脇腹を抉り飛ばし、吹雪を吹き飛ばした。KADOOOOOOM!「吹雪=サン!?」「吹雪ィ!」榛名と隼鷹の叫び声。吹雪の体は宙を舞った。 34

2016-02-08 22:56:37
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

吹雪の体が海面に数度バウンドして叩き付けられる。吹雪が僚艦達の前まで転がって来た。吹雪は力なく皆を見た。己に呼びかける声が聞こえた気がした。だが、誰の声か聞き取る前に、吹雪の意識は、闇に落ちた。 35

2016-02-08 22:58:27
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イービル・インフルエンス・フロム・ザ・ソウル」おわり 「エグジステンス・プルーフ」へ続く

2016-02-08 22:58:59
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