高校一年向け英語教科書を読んでみて思ったこと

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It happens sometimes @ElementaryGard

県図書館で小中高の教科書の棚を見て回った。いわゆる文部科学省検定済み教科書がそろっている。この県では使われていないものもある。高校一年生用の英語の教科書を開けてみた。三省堂のCROWN。昔でいうリーダーと文法の二コースに対応する教科書がそれぞれあった。

2016-01-27 18:03:52
It happens sometimes @ElementaryGard

高校一年用となるとさすがに使える英単語が多くて教えていい文法事項も多いせいかあまり不自然な文がない、でもない。一応文法的には正しいけれど、一度日本語に置き換えて理解する場合後で確実に誤用すると思われる言い回しがめだつ。水面下で生徒の足を引っ張ってしまっていないか。

2016-01-27 18:09:43
It happens sometimes @ElementaryGard

keep ~ing 文がまさにそうです。「~し続ける」と生徒は日本語で理解してしまうため、いざ自分で英文を作ったり話したりする際に、この keep ~ing 文をネイティヴにとってはありえない使い方で使ってしまう。

2016-01-27 18:11:54
It happens sometimes @ElementaryGard

文法コースの教科書に手塚治虫の話題が出てくる。これがまたオーノーな英文。 pic.twitter.com/JHIpccr9oc

2016-01-27 18:15:14
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It happens sometimes @ElementaryGard

"no other animation characer would be more famous than his Astro Boy, except Mickey Mouse." この文がどれほど滅茶苦茶なのか皆さんはわかりますか。

2016-01-27 18:16:06
It happens sometimes @ElementaryGard

「ミッキーマウスはともかく、アニメーションのキャラクターで手塚のアストロボーイよりも有名なものは今後も出ないでしょう」 国産限定でもハローキティやピカチューや悟空や他たくさん思い浮かびます。

2016-01-27 18:18:27
It happens sometimes @ElementaryGard

この奇妙な英文は、たぶんもともと日本語で書かれたものです。「手塚の鉄腕アトムは圧倒的に有名です」なら嘘ではない。で、この「圧倒的」(かそれに近い副詞)を英語で言い表そうとして、no ... more ~ than 文に飛びついたと思われます。

2016-01-27 18:21:27
It happens sometimes @ElementaryGard

または no ... more ~ than 文を生徒に示すために手塚のアストロボーイが使われたのかもしれない。いずれにせよこの文型を使うと、ネイティヴには「アストロボーイ?なんか見たことはあるけどミッキーマウスに肩を並べるほど有名だっけ?」とつっこまれるのは必至です。

2016-01-27 18:23:25
It happens sometimes @ElementaryGard

この文型は、話者の主観を大仰に語るときに使う。No man is more stupid than my husband!(うちの亭主ぐらいアホな男はいないわ!)とか。

2016-01-27 18:25:12
It happens sometimes @ElementaryGard

このトンデモ英文の掲載ページ下を見ると、全体否定、部分否定の例文が並んでいます。まるで no ... more ~ than 文の親戚であるかのように。

2016-01-27 18:27:21
It happens sometimes @ElementaryGard

ニュアンスは全然違うのに、形式が似ているというそれだけの理由で no ... more ~ than 文といっしょに紹介されるのです。これで文法の教科書?文部科学省の検定委員会はいったい何をしているのか。

2016-01-27 18:28:41
It happens sometimes @ElementaryGard

「英語のできる日本人をもっと育てたい」と国は触れ回っているけれど、中高生の英語教育の実態たるやこの程度です。間違った英文、間違ってはいないけれど間違った用法を身に着けさせてしまうような英文でいっぱい。ことばと実が一致していない教育制度。

2016-01-27 18:44:44