「エグジステンス・プルーフ」

「咆哮系提督の吹雪」第6章 「世界は生きている奴の物だ!」 「これが、私のエゴだ!」
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Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

鳥海が深海棲艦に蹴りを繰り出すが、「イヤーッ!」ブリッジ回避される!「離れて!イヤーッ!」KADOOOM!山城が砲撃を繰り出すが…「イヤーッ!」深海棲艦はそのまま5連続バク転回避!「何なのよこいつ!」山城は不快げに叫ぶ。「ちょろちょろ動くんじゃないわよ!」 23

2016-02-10 20:11:43
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「避ケネバ当タルダロウニ」深海棲艦はそう返した。二人は動きを止める。「へっ」「コイツ」山城と鳥海は顔を見合わせた。言語能力を持つ深海棲艦は限られる。公的に確認されているだけでも戦鬼級、棲鬼級、そして棲姫級のみだ。 24

2016-02-10 20:16:09
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

よく見れば装備も不気味だ。左腕はル級の物よりも更に堅牢な盾形主砲だが、右腕が槍であった。槍を持っているのではない。右腕そのものが槍に変じているのだ。奇怪!「貴方」鳥海は主砲を構え、問う。「何者ですか!」「ソウ言エバ名乗ッテ無カッタナ」そう言い、深海棲艦はオジギをした。 25

2016-02-10 20:19:41
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「これは…」鳥海は更に困惑した。これはアイサツだ。いにしえより伝わるカラテの作法。まさかこの深海棲艦は、カラテの心得があると言うのか!深海棲艦は鳥海の動揺を知ってか知らずか、名乗った。「ヴァンガードデス」 26

2016-02-10 20:21:37
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「……ドーモ、ヴァンガード=サン。高雄型4番艦・鳥海です」鳥海は動揺をどうにか抑え込み、アイサツを返す。アイサツとは神聖不可侵のイクサの儀式である。アイサツをされれば、返さねばならない。「扶桑型2番艦・山城です」山城もそれに続く。互いにアイサツが終わる。 27

2016-02-10 20:24:10
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「サテ、何者カト言ワレレバ、オ前達ガ深海棲艦ト呼ブ存在ダト答エルシカナインダガナ」ヴァンガードは主砲を構える。「マァ、私ガ特別ナノハ否定センガネ」「イヤーッ!」山城が瑞雲を背後から強襲させる。「イヤーッ!」ヴァンガードは振り向きもせず、槍で切り払う!ワザマエ! 28

2016-02-10 20:28:06
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

瑞雲が煙を上げ、海に落ちていく。「イヤーッ!」鳥海が砲撃!「イヤーッ!」盾が弾く!何たる堅牢さか!「モット本気デ来イ」ヴァンガードは凄んだ。「私ハ君達ヲ皆殺シニスルツモリデココニ来タ。君達モモット頑張リタマエ!イヤーッ!」ヴァンガードは槍を構え突進! 29

2016-02-10 20:33:37
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ!」「イヤーッ!」鳥海と山城は難なく避けるが、ヴァンガード差直ぐ様180度ターン!砲撃を放つ!「イヤーッ!」砲撃は艤装重量で復帰の間に合わぬ山城に命中!KABOOM!「ンアーッ!」「山城=サン!?」「不幸だわチクショウ!」山城は中破した主砲一基をパージ。 30

2016-02-10 20:36:09
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「気骨ハヨシ!次ハドウカナ!」「「イヤーッ!」」鳥海達は飛び掛かる!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」一進一退の攻防!その頃、隼鷹は!「衛生兵!衛生兵!」出撃ハッチに到着し、助けを求める!「どうしました!」「一人やられた!」 31

2016-02-10 20:39:01
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

二人の衛生兵がストレッチャーを担いでやってくる。隼鷹はストレッチャーの上に吹雪を寝かせた。「これは」「急いで高速修復剤を!」「よし、頼んだ」隼鷹は戦場に戻ろうとした。KABOOM!入り口が爆発!開け放たれた防護壁が吹き飛び…「「アバーッ!」」ナムサン!衛生兵の頭部に直撃! 32

2016-02-10 20:42:15
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「マジかよ…ッ!」隼鷹は今死んだ衛生兵達に気を配ってやれる余裕はなかった。目の前に深海棲艦がいるからだ。それも、赤い光を纏った、戦艦ル級エリート。隼鷹は一瞬背後を見た。吹雪が苦しげに呼吸している。脳裏に過るのは、昨夜の泣き顔。「……仕方ねぇよなぁ」隼鷹は呟いた。 33

2016-02-10 20:45:32
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」入り口近くから榛名と利根の声が聞こえる。深海棲艦と戦っているのだ。隼鷹は、紫の鬼火を周囲に複数灯した。「安心しな」隼鷹は後ろの吹雪に呼びかけた。「あたしが、死なせねぇよ!」 34

2016-02-10 20:47:24
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「イヤーッ!」隼鷹は戦艦ル級エリートに跳びかかった!こうして、無謀なイクサが始まったのだ! 35

2016-02-10 20:48:00
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「エグジステンス・プルーフ」#1 おわり #2 へ続く

2016-02-10 20:48:17

#2

Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「エグジステンス・プルーフ」#2

2016-02-16 19:51:46
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「左舷被弾!」「出撃ハッチから出火!敵が侵入した模様!」「死傷者多数!応援を!応援を!」「よほろ」司令部は今までにない喧騒に満ち満ちていた。「よほろ」がこれほどまでに深海棲艦の攻撃に晒されたのは、今回が初めてであった。 1

2016-02-16 19:54:57
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「消火急げ!武装戦力をハッチに送り込め!」ザハが普段は出さぬ荒々しい声で命令を下す。彼の表情も焦燥に満ちている。「榛名!そっちは!」『あんまり大丈夫じゃありません!』通信機越しに榛名も叫ぶ。『水雷戦隊は排除できましたが、戦艦級がかなりしぶといぞ!』利根が通信に割り込む。 2

2016-02-16 19:57:38
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

イヤーッ!BLAM!BLAM!アバーッ!KABOOM!KABOOM!通信機から聞こえるは、ジゴクめいた戦場の轟音。『こ奴等、こっちの嫌なところばかり攻めて来おる!』「何?」『気を抜いたら直ぐに「よほろ」に砲を向けてくるんです!』榛名は主砲を撃った。DOOOM!KABOOM! 3

2016-02-16 20:00:36
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「深海棲艦の目標が、この「よほろ」だと言うのか…?」ザハは高速思考する。今までの経験上、深海棲艦は眼前の敵に食いつきやすい傾向にあった。故に人でありながら艦の力を行使し、水上で戦える艦娘が対深海棲艦戦に有用であった。「傾向が変わった…いや…誰かに指示を受けている?」 4

2016-02-16 20:03:44
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「GRAAA!」「グワーッ!?」一方、出撃ハッチ内で、隼鷹は何度目か分からぬ程壁面に叩き付けられていた。周囲は補給用の燃料が破壊された影響で火の海だ。「クッソ…!」隼鷹は血の混じった唾を吐き捨て、再びカラテを構える。隼鷹はちらりと吹雪を見た。周囲を覆う式神が火を妨げている。 5

2016-02-16 20:07:13
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

だが、それもいつまで持つか。そもそも今の吹雪は瀕死の重傷だ。可及的速やかに治療を施さねばらならないのに!「衛生兵はまだかよ!」隼鷹が毒づく。それを合図にル級エリートが砲撃!BLAM!「イヤーッ!」サイドステップ回避!KABOOM!近くにあった金属机が破損し、炎の中へ! 6

2016-02-16 20:09:33
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

「者ども!行って来い!」隼鷹は端々が煤けた航空甲板型巻物から艦載機を3機発艦させる!「勅令」の炎を通し、ニューロンの速度で個々に命令!((壱番は機銃で足止め!弐番は爆撃を叩き込め!参番は弐番の援護!))壱番機が機銃掃射!BRATATATATATA!ル級は足を…止めぬ! 7

2016-02-16 20:15:26
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

ル級は自身の堅牢な装甲に任せ、力づくで走り抜け…隼鷹に盾を叩きこむ!「GRAAA!」「グワーッ!?」隼鷹は反応しきれず、まともにこれを食らう!彼女のカラテは然程でも無いのだ!隼鷹は受け身も取れず壁に叩き付けられる!「グワーッ!」ル級は主砲を隼鷹に向けた。 8

2016-02-16 20:20:02
Ricardo Berenguer @entry_yahhoo

その光景を、吹雪は俯瞰するように見ていた。((これは…))吹雪は自身の様子に戸惑った。やがて、床に伏せた自分を見、彼女は悟った。((幽体離脱、ですか…?))((その通りだ))誰かが吹雪の声に応えた。世界が静止する。吹雪は見た。緑色の炎で出来た目の前に人型が浮かんでいるのを。 9

2016-02-16 20:24:30
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