デイドリーム・ネイション #5

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BRATATATATA!BRATATATATA……「AAAARGH!」路地裏に駆け込もうとするクロマに、巨大な甲虫じみた人型マシンが立ち塞がる。キュイラジアー級、暴徒鎮圧ロボニンジャである。レッドハッグは最後のヤミヨを斬り伏せたところだ。舌打ちし、そちらを見やった。

2016-03-04 01:10:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゴアアア!」そこへ、白い毛皮に身を覆った四ツ目の怪物が跳びかかった。キュイラジアーの鋼の装甲を爪で切り裂き、牙を立てた。「アイエエエ!」クロマが恐慌に陥った。「敵じゃない!今回の仕事仲間。説明は後だよ」レッドハッグが叫んだ。確かにクロマの周辺のローニン達は恐怖に打ち克っていた。

2016-03-04 01:12:23
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「とっとと」白い怪物はキュイラジアーにオスモウめいて押し勝ち、ビル壁に叩きつけ、めり込ませながら吼えた。「行けッ!」「アイアイ、アイ」レッドハッグは手を振って頷くと、ローニン達を走らせた。クロマも続いた。レッドハッグは眉根を寄せた。「アンタ、今ならそこらに紛れちまえば逃げられる」

2016-03-04 01:14:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「逃げない」クロマは即答した。彼の腕には血まみれの「浪人」の腕章がある。チカマツが身につけていたものだ。チカマツは死んだ。せめて、チカマツが殉じたものは何だったのか、ネオサイタマは今どうなっているのか、見定めるまで、この地を離れる気にはなれなかった。「そうかい。好きにしな」

2016-03-04 01:18:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

クロマは頷き、他のローニン達に続いた。後で彼が確かめたことには、このレッドハッグと、白い獣……フェイタルの二人だけが、ローニン・リーグの貴重なヨージンボーであり、他は皆、必然から望まぬままに武器を取る事になった者達ばかりだった。やがてクロマは廃墟の裏口に滑り込み、アジトへ逃れた。

2016-03-04 01:22:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

今や突発的な連続の落雷も止み、カスミガセキ一帯の電力供給も回復していた。空には黄金立方体がゆっくりと自転し、路地から路地へ0と1の風が吹き渡っていた。全ては再び元通り取り繕われた。元通り。……本当にそうだろうか。アケガ・ターミナルが吹きあげる黒煙は、柱のように曇天に繋がっていた。

2016-03-04 01:26:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【デイドリーム・ネイション】終わり

2016-03-04 01:33:27
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