デジタルイラストとアナログの絵画の繋がり

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千葉章人 @chiba_akihito

写真を加工してアニメ背景風にするのがTLで流行っているようなので、便乗して自動変換AEファイルをアップデートしてみました。写真を読み込むだけでアニメ背景風になります。 pic.twitter.com/Zughytqgwy

2016-04-04 19:01:53
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千葉章人 @chiba_akihito

@ko_yuki_lo 手作業でトレースはしていません。AEの機能で自動的に輪郭を検出して線を描画しています。各種合成もすでに組み上げてあるので、写真を読み込めば自動で絵が出てきます。うまく行かなかった場合はパラメータをいじって調整しています:D

2016-04-05 23:58:40
千葉章人 @chiba_akihito

AfterEffectsで写真をアニメ背景風に自動変換。実際の変換の様子 pic.twitter.com/IPUJtNvVGJ

2016-04-07 12:59:07
gnck @gnck

暗部を黒でなく、青の絵の具で塗りましょうねってのは水彩画の常套だけど、そうかこれは「明度ではなく色相によって明暗を描写する」って言い換えられるのか。色相の対比で描写するのだから、自動的に絵は多彩になる。

2016-04-06 07:16:49
gnck @gnck

近年のイラストにおける「異常な瑞々しさ」って、湿気や光のシズルの投入だと思うけど、「紙の白さ」から出発する水彩画から、「発光する媒体」としてのデジタルを経由した技法として、その発展の方向はまさしく、という感じだな。

2016-04-06 07:21:04
松下哲也 @pinetree1981

これは基本的にはバロック絵画のキアロスクーロと印象派の手法の合わせ技なのだけど、明暗の強いコントラストと高い彩度を両立させるためには絵の具ではちょっと無理で、レイヤーのオーバーレイが必要であるというのがいかにもコンピュータ時代の表現っぽいかんじだ。

2016-04-06 08:58:35
松下哲也 @pinetree1981

「石恵塗り」とそこから派生した諸々の技法の偉いところは、絵画の基礎的な訓練を受けている人間ならかなり簡単に習得できるという点にあるんだけど、言い方を変えると、ここにきてアカデミックな絵画とイラストの文脈が思いっきり合流しちゃったというかんじだ。

2016-04-06 09:09:05
松下哲也 @pinetree1981

アニメ塗りとかギャルゲ塗りは独特の「塗り方言」とでも呼ぶべきものの集積でできており、この技術と絵画の蓄積はあまり関係ない。一方ベタ塗りのレイヤーに白黒の陰影で描き込んだレイヤーをオーバーレイで重ねるというやり方の場合、これは単純にデッサンできるかできないかの話になる。

2016-04-06 09:15:54
松下哲也 @pinetree1981

あと、地の絵をコピーしたレイヤーのコントラストをバカ高くして「スクリーン」で合成するやつ(みなさんなんて呼んでるのかド忘れした)も定着しきったなあという感じだけど、ああいうのはPhotoshopの機能のハック的な部分があって、作品よりむしろ「講座」見てるのが楽しいかんじだ。

2016-04-06 09:46:01
松下哲也 @pinetree1981

デジタルのイラストっていうのは造形技術の修練というマッチョな側面とアプリの機能をいじって何か面白いテクニックを開発するおもちゃいじりの側面があり、なおかつ作品を軸にしたコミュニケーションが楽しいわけで、趣味にするなら最強の部類だ。

2016-04-06 09:53:07
松下哲也 @pinetree1981

そういうのは模型などにも通じる普遍性だなあと言おうとして、両方とも最近全然遊べていないのを思い出し、人生が嫌になった。

2016-04-06 09:56:06
松下哲也 @pinetree1981

何か魅力的なスタイルが出てくると、それを「何々塗り」などと名付けて技法と製作過程をつまびらかにしていくイラスト趣味人の姿勢、実にまっとうな美術に対する態度で、とても好きだ。

2016-04-06 10:16:36
松下哲也 @pinetree1981

「何々塗り」のテクニックが明らかになると「何々塗り講座」を作る者が出てきて、世の中に「何々塗り」が溢れる。するとそれに対して「テンプレ」などと批判する者があらわれ、やがて流行が去る。これは「時代様式」というものが伝播し拡大し、批判され縮小していく過程の可視化なわけでじつに好きだ。

2016-04-06 10:25:22
松下哲也 @pinetree1981

「絵柄が古い」という感覚も、これを厳密に定義すれば「美術史」という学問の基本になるわけで、学問的な分類をきちんとしたい感じだ。

2016-04-06 10:32:40
松下哲也 @pinetree1981

昔『トイストーリー』を初めて見た時は違和感があったけど、今じゃピクサーの絵は普通にアニメの絵として見ているというのと同じで、世の中の人が新しい絵に「慣れる」というプロセスがあって、ペインターを使うネット絵師が激減したのもその辺絡んでるんじゃないか説。

2016-04-06 11:25:09
松下哲也 @pinetree1981

パッケージが缶だった頃のPainterにはすごく大きな需要があったけど、今は「現実の画材のシミュレート?なにそれ食えるの?」 って感じだ。

2016-04-06 11:27:33
松下哲也 @pinetree1981

俺、ネット絵師が「デッサン」を重要視している(神聖視と言ってもいい)の、とても大事なことだと思ってるんだよね。彼らの多くが正規の美術教育を受けていないアートのアウトサイダーだから、かえって基礎に敬意を払うのだというのが常識的な解釈だけど、本当にそれだけかね。

2016-04-06 12:23:16
松下哲也 @pinetree1981

歴史的に言えば、「イラスト」の土壌は古典主義の近代アカデミズムが育んできたもので(これが我が研究の骨子である)、それがあまりにコテコテであったがゆえに当時の前衛がアカデミーから彼らの居場所を奪ったという経緯がある。これが「形骸化したアカデミズムに対する批判」と呼ばれるやつだ。

2016-04-06 12:29:06
松下哲也 @pinetree1981

ネット絵師がやっていることには、西洋の近代アカデミズムにおける古典主義絵画のコンテクストの継承という側面もある。「萌え要素」とか「キャラクター」とかはまさにそれだ。だから「デッサン」を基礎とする規範意識も強いんだというのが今のところの俺の理解だ。

2016-04-06 12:42:26
松下哲也 @pinetree1981

「アート」の人がことさら「デッサン」とか言わないのは、そりゃあ大学に入る前に何百枚も描いてるんだからみんな出来て当たり前だと思っているからなのだが、同時に現代の美大の教育が基本的に反古典主義だからだという側面もある。

2016-04-06 12:55:28