掌小説語り~自作つぃのべる集27~

自作つぃのべるのまとめです。 2014年9月分
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リュカ @ryuka511

君の力が世界の存続に必要だからと、世界が君を奪おうとする。世界の中枢で君の意思など無関係に、君の力を貪ろうとする。そんな事は許さない。世界から君を匿い逃げる。君は神でも何でもない普通の女の子なんだから。世界が終わるまで君を守る。その時何が起きても知った事じゃない。#twnovel

2014-09-25 23:57:36
リュカ @ryuka511

絵の才を認められ少年は王家のお抱え画家になった。王族の肖像以外を描く事を禁じられ、風刺に繋がらないようにと城外の情報も遮断され抽象画を描く事も出来なくなった。忠実に肖像画を描く彼が絵に込めたものに誰も気付かない。 #twnovel 風刺が利いた彼の騙し絵は後世でも高く評価された。

2014-09-27 00:43:42
リュカ @ryuka511

「やっぱり君の作る弁当は旨いな。もう大量生産された弁当なんて食えないよ。」「機械が作ったものは食べられないと仰るの?」彼は慌てて言葉を紡ぐ。彼女はアンドロイドだという事を失念していた。「そうじゃないよ、伝わる温もりが違うんだ。」彼女の凍った笑みは溶けないまま。 #twnovel

2014-09-27 22:54:11
リュカ @ryuka511

青年は無人の城を振り向く。ここへ帰るのは一族の復興を叶えた時だと決意を新たにする。人間に数で圧倒され追われる側になった吸血鬼は次第に数を減らしていった。共存が叶わぬなら関わらず生きれば良いだろうに、何故わざわざ人間は我々を討つのか。複雑な想いを胸に青年は旅立つ。 #twnovel

2014-09-28 23:17:40
リュカ @ryuka511

「今日もシケた客ばかりだねぇ。」幕が上がり舞台に立つ踊り子は客席を見回し大仰に首を振る。銀髪と黒い瞳が人気の踊り子だ。客席は彼女の言葉に沸くが、興味無さげに肩を竦めると彼女は曲に合わせ舞始める。いつかこの疲れ果てた街を出て、あの人のようなスターになるのだ。 #twnovel

2014-09-29 23:01:47
リュカ @ryuka511

空っぽの額縁に世界を詰めて、記念に残しておきましょう。それは感傷でも何でも無い、ただの記録のようなもの。この世界はもうすぐ終わるから。何もなくなった空間にかつての世界が詰まった額縁だけがあるのは、何とも不思議で美しい光景となるでしょう。 #世界もう滅ぼしたい協会 #twnovel

2014-09-30 23:50:01