御成敗式目は立憲主義?
- karuihiroshiA
- 40172
- 260
- 18
- 23
「立憲主義の淵源が御成敗式目」という説に既視感があるなあと思ったら、 学生の時分に同様の説を読んでいたことを思い出した。 昭和十年代って、「近代西欧」の文化の淵源が「中世日本」に存在していた系の説がけっこうあって、その中の1つが上記だった。
2016-04-24 19:26:13まあ、そう考えていくと、「立憲主義の淵源が御成敗式目」と言う説は、実は戦前に既に生まれていた説だったりする、ということをようやく思い出したわけです。 なので、独創性という面では「江戸しぐさ」の方がまだマシです。 (どちらの説も事実認定の部分でケチがつきますが)
2016-04-24 19:44:23御成敗式目を日本の立憲主義とか民主制(合議制)の祖のようにいうことの是非とかはかなり微妙なところだが、西洋的な意味での立憲主義とは違うけれどもコンセプトの部分で近いところもある、程度に考えておかないとよくない。しかし、マグナカルタに「立憲制」を見いだす議論も本当は微妙なんだよな。
2016-04-24 19:46:57日本の立憲主義は御成敗式目に根差しているみたいな議論あるが流石に厳しいだろって考えてるうちに1時になってた なお課題は進んでない模様
2016-04-24 01:05:21なんか、ツイッターの自分が見てなかった時間帯とかに、御成敗式目が立憲主義という強引な論法を現代政治をクサすにに用いて、それへの批判が展開されてたみたいだ。いまから見てみよう
2016-04-25 02:09:29御成敗式目では英米の司法と同じく、専制権力などにものを言わせた直接的で不当な裁判が行われないよう真っ当で公平な裁判の体制を敷いていたのが読み取れる。日本古来の慣習法と英米法には"法の支配"が行き届いているのも共通点として理解できる。 twitter.com/kotendokuhon/s…
2016-04-25 21:34:35その後
.@toshiitoh やはり「道理」というものが自然法だと言ったのは誤りでした。僕の無理解にもとづくものです。13世紀に流通する「道理」のうち『愚管抄』の「道理」については何か明快な言葉で表現することは難しいですね。
2016-04-27 01:05:08.@toshiitoh 御成敗式目の「道理」については判例法のようなものですから、慣習法かコモン・ローといったぐらいのことでしょうか。そういう意味で「法の支配」に関係します。それを西欧では中世立憲主義という言葉で理解することもある、それぐらいのことが今の僕には言えることです。
2016-04-27 01:05:47先日いささか話題にのぼった「鎌倉時代以来の立憲主義」なる本(小路田泰直「日本憲法史」)を一読してみた。つまるところ、左右の違いこそあれ、たとえば手元の本で言うと倉山満「帝国憲法物語」が「十七条憲法の精神は現在も生きている」と主張するのと似たことをしているなと思った。
2016-04-28 17:45:40おー届いた届いた。噂の日本憲法史(意欲的な帯であるな) pic.twitter.com/koJUYZu9hh
2016-04-27 17:49:05まだ全部読んでないのですが、天照大神に奉仕する豊受大神が天御中主と同神として扱われるのは、天皇に対して臣民が格上という意味であり、伊勢神道は国民主権の萌芽を持っていた、なんてところはこの分量の本でドバーンと紹介するには説明不足なんじゃないかと思われたり...。
2016-04-27 23:25:35僕が日本中世で使われていた「憲法」という言葉にひきつけて中世にも立憲主義があったと言ってると思っている人がいるようだが、そんなことは言ってない。それに僕でも中世の「憲法」の意味ぐらい知ってる。以前でもそれについてはツイートしたことがある。立憲主義と護憲とは同義ではないのだから。
2016-04-30 17:27:20先日流れていた、御成敗式目に立憲主義を見る本の議論を見ながら、一昔前に、マルクス主義歴史学の時代区分論が中国史にも適用されるんだ~と、歴史史料に奴隷を「発見」する事に躍起になっていた先学達のことを思い出した。
2016-05-02 22:18:46御成敗式目も塵芥集も、「憲法」と呼ばれていたのですが、これは単に「厳しい法」とか「全員が守るべき法」という意味でしかないようです。明治時代に西洋の憲法が入ってきた時に伝統的な「憲法」というコトバを当てはめるかどうか紆余曲折がありましたが結局「憲法」になってしまった。
2016-05-04 07:13:47御成敗式目に立憲主義性はほぼ無いのだが、山本七平のように天皇家を棚上げしているところから象徴天皇制の創始と見る人はいる。ただこれもそこまでいえるのかなあ?というのが正直な感想。
2016-05-04 12:08:24御成敗式目は権力の恣意的な運用を戒めている箇所も少なく、最後に出てくる「憲法」というコトバも「法律」という意味にしか取れず、権力の恣意的な運用をあちこちで戒めている十七条憲法より立憲主義的には後退しているんじゃないかな
2016-05-04 12:10:21「まあ多少無理して解釈すれば、そういうふうに理解できなくもないね」…という無理な解釈をいくつもいくつも積み重ねていけば、それはもうすっかり恣意的な言説の一丁上がり。史料を正確に読めないなら、『歴史』という言葉を持ち出すな。【小路田泰直『日本憲法史』かもがわ出版、2016年】
2016-05-06 13:07:35『学問的な議論は広く開かれているべきだ』とは思いますが、それは史料を正確に読み込み、先行研究をきちんと理解するという、議論の前提をきちんと踏まえているということが最低限の条件。その条件を満たしていないど素人のたわ言を、真に受けたらまずいでしょうに。
2016-05-06 13:18:04