第4話「序章」 パート2

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白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

4-2-25「そうか、んじゃ貰っとくよ」「ん」 大智はそう言うと、満足げな顔で綾香の部屋を出ていった。 「…はぁ」 綾香はぼんやりと貰った石を眼前にかざしてみる。 「まだまだ色々と敵わないなー」 そのまま何となくベッドに横になると、考え事をしている内にその日は眠ってしまった。

2016-05-10 21:47:57
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4-2-26 …その日、綾香は不思議な夢を見た。 自分がどこか見たことも無い、海の上に立っている夢。 夜のようで空と水の色は真っ黒で。 それなのに周囲は何故か煌々としていて。 水の上に居るのに何故かとても熱くて。熱くて。 自分の体が焼けていくようで。

2016-05-10 21:51:52
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4-2-27「—— っ!!」 体に走る恐ろしい感覚に、思わずベッドから跳ね起きる。 荒く呼吸しながら、反射的に枕元の時計を探って見てみると 時刻はまだ夜明けの頃合い。 「…夢」綾香は額の汗を拭うと、カーテン越しの光で僅かに見える室内を見回して呟いた。

2016-05-10 21:59:27
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4-2-28 ふと、机の上に置いてあった石に目がとまる。遠目にカーテンから漏れた淡い光に照らされた模様は、不思議と水面のように揺らめいているように見えた。

2016-05-10 22:06:06
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___ その時は刻一刻と迫りくる ___

2016-05-10 22:10:34