金木犀さんの「日中文学話と中国の宇宙観」集中講義!その3
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要約:古代、天地も陰陽もだ分かれず形が定まっていなかったが、やがて万物の兆しが含まれるようになった。陽の気が天となって陰の気が地となったが、陽気は集まりやすく、陰気は固まりにくかった。故に天が先に、地が後にできた。その後、その中に神が生まれた。
2010-03-16 23:28:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
どうでしょう? 『淮南子』天文訓と『日本書紀』の冒頭、とてもよく似ていませんか? ちなみに研究者の間では、『淮南子』が『日本書紀』冒頭に影響を与えたのが定説になっており、大抵の概説書にそう書いてあります。私もこの点には疑問がありません。
2010-03-16 23:32:37![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
次に、『淮南子』天文訓のうち、水星・金星・火星・木星・土星について述べた箇所を挙げていきます。分かる人は分かるかも知れませんが、この5つは、木火土金水の五行を冠するのと同時に、肉眼で見える惑星でもあります。
2010-03-16 23:42:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ご納得いただけて何よりです。私が教えられたとき、こうまで影響がはっきりしていることに驚きました。 QT @kimi_lica: @kin_mokusei うん、この似通ってるのは、『淮南子』説明始まった辺りで感じました。 知らなかった
2010-03-16 23:45:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
東方,木也,其帝太皞,其佐句芒,執規而治春。(東方,木なり,其の帝は太皞,其の佐は句芒,規を執り而して春を治む。):東方は木、その帝は太皞(タイコウ)氏、補佐は句芒氏、規(コンパス)をとって春を治める。
2010-03-16 23:52:16![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
其神為歲星,其獸蒼龍,其音角,其日甲乙。(其の神は歳星,其の獸は蒼龍,其の音は角,其の日は甲乙たり。):その神は歳星、その獣は蒼龍、その音は角、その日は甲乙である。
2010-03-16 23:54:06![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ここで、「木」の星が「歳星」であることが示されます。「蒼龍」であることから、東に対応する色は青であることも分かります。以下、続けます。
2010-03-16 23:55:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
西方,金也,其帝少昊,其佐蓐收,執矩而治秋。(西方,金なり,其帝は少昊(ショウコウ),其の佐は蓐收(ジョクシュウ),矩を執り而して秋を治む):矩は定規。
2010-03-17 00:03:23![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
北方,水也,其帝顓頊,其佐玄冥,執權而治冬。(北方,水なり,其帝は顓頊(センギョク),其の佐は玄冥(ゲンメイ),權を執り而して冬を治む。)
2010-03-17 00:06:31