古川雄嗣『偶然と運命』読書メモ集

古川雄嗣『偶然と運命――九鬼周造の倫理学』(ナカニシヤ出版、2015)の読書メモをまとめました。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「いき」の生き方は、偶然性ではなく本当は可能性の生き方で、『偶然性の問題』は偶然万歳本じゃなく偶然の必然化を問う運命論で、さらに等閑視されてた論文「日本的性格」の自然は、必然の偶然化の習慣論。説得力ある。にしても、メーヌ・ド・ビランの邦訳が切に待たれる。ラヴェッソンだけじゃあさ。

2016-06-08 16:45:30
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

他方、依然よく分かんなかったのは、九鬼倫理学の要諦「遇うて空しく過ぐる勿れ」。全瞬間が原始偶然で、これを空しくするなってことなんだろうけど、空しいかどうかって過去になってみないと分からない、っていうか、過去で空しくても大過去になると空しくなくなるってこともあるじゃん?

2016-06-08 16:49:35
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

あと、すべての偶然を空しくさせないってのは土台無理な話で、にも拘らず上記の命令が有効ならば、結局は人間の生は後悔を克服することができないって話に落ち着くと思うんだけど、それって倫理っていえるのか? フツーじゃね?? 私も後悔は克服できないと思ってるから別にいいんだけど。

2016-06-08 16:53:42
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

九鬼は久しぶりに会った岩下壮一と一緒に散歩するより翌日の講義の準備を優先させた事を悔いてるけど、でも準備しなかったらそれはそれで「空しく」過ごしたとか思うんじゃないの?

2016-06-08 17:00:30
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

或いは、後悔の十年後とかに岩下の(たとえば)ゲス男っぷりが発覚して、やっぱり講義の準備しといて良かったと思い直すとか、人生そんなんじゃないの?

2016-06-08 17:02:42