ニコラス・G・カー『ネット・バカ』読書メモ集
- arishima_takeo
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「紙の上で書いたり直したりなど、もはやまったくできないと思った。削除キーやスクロールバー、カットアンドペーストの機能、アンドゥのコマンドがないと、どうしたらいいかわからなくなってしまったのだ」(カー『ネット・バカ』)。この感覚よく分からん。未だに校正は紙の方が精度高いと思う。
2016-06-15 15:07:47「ネット使用が増えるにつれて確実に減少していると思われるのは、印刷物を読むのに使われている時間だーー特に新聞や雑誌であるが、本についても当てはまる」(カー『ネット・バカ』)。うーん、そういう感じしないんだよなー。
2016-06-18 16:21:09心理学者や神経生物学者、教育者、ウェブ・デザイナーによって行なわれてきた何十もの研究は、すべて同じ結論を導いている。ネットに接続するとわれわれは、とおりいっぺんの読み、注意散漫であわただしい思考、表面的な学習を行なうよう、環境によって働きかけられるのだ。byカー『ネット・バカ』
2016-06-19 14:30:59「一八七九年、フランスの眼科医ルイ・エミ-ル・ジャヴァルは、読書する人の目が、文字を追って完壁になめらかに動くわけではないことを発見した。その焦点はいくぶん飛躍しながら進むのである」(カー『ネット・バカ』)。これは面白い。
2016-06-19 20:01:09「記憶をを機械にアウトソーシングすれば、われわれはみずからの知性、さらにはみずからのアイデンティティの重要な部分までをも、アウトソーシングすることになるのだ」(カー『ネット・バカ』)。うーん、でもそれって内属する本質的な自分や知ってものを前提にしてるよな。
2016-06-21 16:26:07、「合衆国のように個人の達成を賞賛する社会に生まれた人は、韓国のように共同体による達成を強調する社会で育った人よりも、幼いころの記憶を多く有する傾向にある」(カー『ネット・バカ』)。ホントかよ。
2016-06-21 16:26:56「あらゆる道具は、可能性を開くとともに、限界をも課すものだ。使えば使うほど、われわれはその道具の形式と機能に合わせて自分を仕立て直していくことになる」(カー『ネット・バカ』)。これはそう。
2016-06-21 16:46:22カー『ネット・バカ』読了。面白いっちゃ面白いんだけど、うーん、仮にグーグル的なハイパーリーディングで「深く読む」ことができなくなったとして、だからなんなんだ、とか思う。創造的なことができなくなる、とか言われても、創造的なことってしなきゃいけないの? とか。
2016-06-21 17:40:19私の理解だと、人間ってのはネットがあろうがなかろうが元々、テクストを深く読むことなんてしないし、早合点ばかりしてる気がするので、いまさら「バカ」化の話とかされても、ずっと「バカ」だったでしょ? みたいな。
2016-06-21 17:42:23失われた能力のことを示唆されるとあたかも自分が前からそれを持っていたかのように考えるのは悪い癖なんじゃないかな、とか。注意散漫な読書って、それこそ大澤聡『批評メディア論』で指摘されてた拡散型読書=読み捨て読者の話なわけで、つまりは、別に雑誌時代からあったわけだしさ。
2016-06-21 17:44:47あと、ネットによって可塑的な脳が大変化する話も、丁度『脳がわかれば心がわかるか』を読んでる途中だったので、モニョモニョする。少なくとも冒頭と末尾の『2001年宇宙の旅』の自己喪失する感情的なロボットの比喩はミスリードじゃないかな。ネット脳と心(感情)って一寸位相が違う気が…。
2016-06-21 17:51:32