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7-3-47「っ!ここは!?」 五十鈴が気が付くと、そこは元居た監獄島の崖。 「目が覚めたか?」 そして、傍らを見ると、浜風の姿…どうやら寄りかかって意識を失っていたようだ。 五十鈴は額に指を当てて脳内を整理する。 …既にそこには、今までは無かった多くの記憶や感情が渦巻いている。
2016-06-26 20:48:427-3-48「上手くいったのか?」 「うん、ばっちり」 少々顔色は青い…が、言い切る五十鈴の目に既に迷いの色は無い。それどころか、先程までは無かった光までもが灯っているように見える。 「あの…有難う。貴方が背中を押してくれてなかったら私、取り返しのつかない事になってたと思う」
2016-06-26 20:49:277-3-49「ねぇ、さっきから喋ってる貴方…多分男の子だよね。貴方も浜風ちゃんと一緒に居るんでしょ?名前、聞いてもいいかな?」 「俺?…まぁいいか、『日野原 大智』だよ。そういう五十鈴さんと一緒に居る貴方は…『誰』だったんだ?」 「そっか、大智君…私は元々はね…」
2016-06-26 20:50:147-3-50「…ですってよ!提督!くーっ、この良い雰囲気が甘酸っぱくてムズムズ来ますね!」 「ちょっと明石さん私にも貸して!兄さんと五十鈴さんの表情が見たいっ!ぐぬぬ…!」 …二人の居る崖を遠目に臨む波止場近くの茂み。 明石の双眼鏡を取り合って盗み見ているのは残り「全員」だ。
2016-06-26 20:52:147-3-51「もう周りが暗くってよく分かりませんけど、五十鈴さんの顔、ちょっと赤くなってませんか?赤くなってますよね!?」 「お前がそこまでノリノリなのは初めて見るぞ、大淀」 風見は早々に双眼鏡を譲ると、呆れた顔で…しかし口元では微笑む。 「ここも乗り切れたようで、何よりだ…」
2016-06-26 20:53:127-3-52「ああいうのって良いですわね~私も憧れちゃいますわ、提督」 扶桑は妙に含みのある笑顔で風見の方を見る。 扶桑から目を反らしてちらりと鳳翔の方に目線を逃がせば、風見を見る鳳翔の笑顔は恐ろしい威圧感を放っている。 「ま、満足したら引き上げるぞ?後で話も聞いてやらんとな」
2016-06-26 20:54:02