【悪堕ちシナリオ】スライムさん

スライムのように身体を液状化させて他人の身体を侵食する能力を持った敵が、ヒロインの身体も記憶も知識も奪い取って本人に成り代わり、主人公の前に現れたところ……という設定です。
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悪堕研究機構 @utakuochi

「あなたを堕とそうと、あなたの顔を見るだけで身体が火照って来るし、彼女の中のあなたの記憶を辿るだけで胸の鼓動が高まるし……手、貸して……私の胸、温かいでしょう……鼓動を感じるでしょう……私は“彼女”の身体を手に入れて人間に……本当の人間になったんだよ……」

2016-07-02 08:47:11
悪堕研究機構 @utakuochi

「ようやく理解した」 「えっ……?」 「それ以上、彼女の顔をして俺に微笑み掛けるな。泣き付くな。口を開くな、化物」 「ば……化物でもいい……! いまは、あなたの傍にいさせて……あなたの優しさを手に入れるためならなんだってする……だから私を嫌いにならないで……」 「……」

2016-07-02 08:57:50
悪堕研究機構 @utakuochi

「私は私よ……思い出して、“私”との記憶を、思い出を。私は“覚えて”いる。あなたとの楽しい思い出も、悲しかった思い出も……あの日、あなたが私を熱く抱いてくれたことも鮮明に覚えている。今の私ならもっとあなたを満足させられる。だからもう一度抱いて……もう一度私を好きになって……」

2016-07-02 09:26:48
悪堕研究機構 @utakuochi

「うっ……身体が……」 「見て、感じて、これが私の力……触れた相手の皮膚から神経を侵食して、相手を意のままに操る力……でも……この力をあなたに使いたくない……だから、抵抗しないで……あなたの身体を私に預けて……」 「あ……ああ……分かった……」 「ありがとう」

2016-07-02 11:41:07
悪堕研究機構 @utakuochi

「ん……んん……」 (ああ……この口付けの味……私、覚えているわ……あなたの優しさ……愛おしさ……) 「俺の精神に語り掛けているのか」 (そう、これも私の能力。対象の口から体内に侵入して相手の精神と同化する能力。でも安心して、あなたは私で侵食しないわ。お話がしたいだけ)

2016-07-02 12:03:57
悪堕研究機構 @utakuochi

「どうしてだ? 元々は俺と俺の力が目的だったはず」 (その通りよ。でも、私と同化してしまったら、あなたはあなたでなくなってしまうでしょう? それが、私には怖かった。ううん、今も怖い、怖いからあなたも、私も、ずっとこのままでいたい) 「よく分からないな」 (私も伝えづらいかな)

2016-07-02 12:09:21
悪堕研究機構 @utakuochi

(私はこれまでこの能力を使って多くの人を私と同化させ溶かして、操ってきた。目的の為なら非情に、冷徹になれた。けど、今回、この子……彼女の身体は初めて……私が溶かすことのなかった唯一の個体……彼女の身体、彼女の記憶をそのままに手に入れた。だけどそれが、私にとって初めての経験だった)

2016-07-02 12:19:35
悪堕研究機構 @utakuochi

(私の好きなあなたから、これ以上彼女を奪いたくない。もし私がこの身体から分離してしまうと、魂のない“彼女”は本当に死んでしまう。それは、あなたを悲しませることになるから私にはできない……だから、私は彼女でいることにしたの。ずっと、ずっと、あなたが満足してくれるまで)

2016-07-02 12:32:45
悪堕研究機構 @utakuochi

(そう……人が人を好きになるってこんな感覚だったのね。人間の身体を手に入れて初めて分かった。好きな人の顔を見ると照れるし、好きな人との思い出は胸をギュッと締め付ける、好きな人の傍にいると鼓動が速くなって身体が火照るし、この人の種が欲しいと思う。人の身体が、性がそうさせるのね)

2016-07-02 12:40:22
悪堕研究機構 @utakuochi

「分かってくれたかしら、私の考え、私の想い」 「ああ、とりあえず君が俺に対して敵意はないことは分かった」 「ありがとう」 「だが、君の行いを許すわけにはいけない」 「違うわ、彼女が死んだという事実はあるけど、私という結果がここにいるじゃない。彼女は私、私は彼女よ……それは信じて」

2016-07-02 12:47:20
悪堕研究機構 @utakuochi

「俺はもう帰る。ちょっと考える時間をくれ……」 「そう……ちなみにお父さんもお母さんも私の操り人形だから、誰も疑う人はいない。いつでも私の部屋に来ていいわよ」 「大変なことをしてくれたな」 「ふふ……私のこと殺したいって思う? ほら、私の心臓はここ。あなたに殺されるなら本望よ」

2016-07-02 12:52:34
悪堕研究機構 @utakuochi

「私はあなたのためだったら、なんでもする。あなたが自分の意志で……本当に私をもう一度好きになって、昔のように私を愛してくれるなら、なんでも……」 「今日はもう帰る。気持ちの整理がついたらまたここに来る」 「ばいばい」 「じゃあな」 「ずっと、ずっと待ってるから……私の愛しい人」

2016-07-02 13:12:02
悪堕研究機構 @utakuochi

※詳細は本投稿をクリック 【アンケート】ヒロインの身体を侵食して成り代わり、主人公の前に現れたスライムさん。次に主人公が彼女の前に現れた時、彼が彼女に対して取る行動は?

2016-07-02 13:30:42

アンケート結果

  • 20%ありのままの彼女を受け入れる
  • 30%彼女を分離させる方法を探していると伝えて去る
  • 23%君のことをもっと知りたいとデートに誘う
  • 27%やはり彼女を許せないので殺害する

物語は
「彼女を分離させる方法を探していると伝えて去る」

第3話

悪堕研究機構 @utakuochi

「久しぶりね、ずっとあなたが来るのを待ってたのよ」 「久しぶりって、俺とは昨日会ったじゃないか」 「ふふ、恋する乙女は一日千秋の想いなのよ」 「ごめん、意味がわからないし、どこでそんな言葉覚えたって感じだ」 「そう……」 「君のお父さん、お母さん、本当に何も疑問に思ってなかった」

2016-07-03 13:43:53
悪堕研究機構 @utakuochi

「本当に君が、その、改造、してしまったのか?」 「そうよ」 「君の家族だぞ。君が本当に彼女ならそんな酷いことするはずないだろ」 「ふふっ、そんなに怒らないで。ほら、私あなたに言ったでしょう? あなたのためだったら何でもするって。あなたを私と引き合わせるためには肉親であってもね」

2016-07-03 13:48:30
悪堕研究機構 @utakuochi

「私が彼女を取り込んだんじゃない。彼女が私の力を得て、いろんなことができるようになったの。そう考えて、あなた。あなたの目の前にいる私は、あなたのために尽くせるようになった身体を得た、正真正銘の彼女自身よ。だからなんでも望んで……あなたのためにこの身体と力を使わせて……」

2016-07-03 13:56:12
悪堕研究機構 @utakuochi

「なんでもする、ね。じゃあ1つ頼まれてくれるかな」 「ん? 何かしら」 「その“彼女”の身体から出て行ってくれ」 「……それはできない」 「どうしてだ?」 「前にも話したじゃない、彼女は死んで、彼女の魂はもう消えてるって。彼女の声が聞こえないもの」

2016-07-03 13:59:08
悪堕研究機構 @utakuochi

「いつもは、私が同化してる人の魂は私の中で眠っている。ずっと、私も望んで消せずに、ね。だから私が分離したときに、その人は元通りになるんだけれども、彼女は、彼女の心の声は、全く聞こえない。ううん、そもそも彼女を感じられない。それは、本当に彼女が死んで、私と一体化したからだと思う」

2016-07-03 14:04:22
悪堕研究機構 @utakuochi

「だから、あなたが望むように、彼女の身体から私が出て行ってしまったら、魂だけじゃない、彼女の存在が消滅してしまうの。でもそれは、あなたにとってもつらいことでしょう? 私も、彼女を失ったあなたが生まれてしまうことが、怖い。だから、できない」 「そうかできないか」 「ごめん、なさい」

2016-07-03 14:10:47
悪堕研究機構 @utakuochi

「……俺は、一晩考えてみた。いまの君を受け入れる未来、君を改めて好きになるためのデートプラン、いや、君が冗談めいて最後に言ったように、君を殺害することも、考えた。でも俺は、俺が本当に望んだのはそうじゃない、元の、あるべき姿の彼女だったんだ。だから俺は彼女を取り戻したい」

2016-07-03 14:18:11
悪堕研究機構 @utakuochi

「だから俺は、その身体から君を分離させたい。彼女を取り戻したい。君がその気がないんだったら、分離させる方法を探してくる」 「ちょ……ちょっと待って、私の話を聞いていたの?」 「ああ、理解している。俺はまた、彼女を失ってしまうかもしれない。でも、奇跡が起こるかもしれないだろ?」

2016-07-03 14:22:43
悪堕研究機構 @utakuochi

「奇跡は起きないよ。それは多くの人と同化してきた私だから分かる」 「もう、いいんだ。俺は彼女を取り戻したいんだ」 「現実を受け入れてよ……あ、諦めて……いまの、わ、私を受けれてよ!」 「ごめん、俺はそれだけを伝えに来た。だからもう行くね。取り戻す方法を探してくるから」

2016-07-03 14:28:56
悪堕研究機構 @utakuochi

「待って……」 「どうした、まだ何かあるのか?」 「私を置いて行かないで……」 「ごめん、君はつらいのかもしれないけど、君に掛ける言葉はもうないんだ」 「あなたを行かせるわけには……いかないから……」 「えっ……?」 「私の力……覚えているかしら。同化する力……」

2016-07-03 14:38:40
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