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【悪堕ちシナリオ】スライムさん

スライムのように身体を液状化させて他人の身体を侵食する能力を持った敵が、ヒロインの身体も記憶も知識も奪い取って本人に成り代わり、主人公の前に現れたところ……という設定です。
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悪堕研究機構 @utakuochi

「ん……んくく……はぁ……はぁ……はぁ……」 「なんだこれは……?」 「驚いたかしら。この部屋は、私の部屋は、既に私と同化済みなの。この部屋全てが私の一部なのよ。ふふ……あははは……はぁ……はぁ……あなたが“私の中にいる”、その事実だけで私、ずっと蕩けそうになっていたのよ」

2016-07-03 14:43:41
悪堕研究機構 @utakuochi

「うっ……身体が……」 「そう、この感覚、覚えているでしょう? 私の力、あなたの皮膚から侵食して身体を思い通りに操る力。それに、私の体内にいるから、どう抵抗しても逃げられないわよ。でもね、信じて。この力を、これ以上あなたに使いたくないの。だから、あなたの意思で私を愛して……」

2016-07-03 14:52:27
悪堕研究機構 @utakuochi

「俺は……何度君に請われようと……俺の意思を曲げることは……ない……」 「お願い、私の理性が残っている内に……折れて、心を開いて」 「ば……バケモノに売り渡す心は……持ってない……」 「バケモノでもいいよ。あなたの心を手に入れるためならバケモノと蔑まれようと、私は構わない」

2016-07-03 15:08:12
悪堕研究機構 @utakuochi

「は……はは……泣いてる……じゃないか……」 「え……あ……私、また涙を……」 「この状況じゃ……ハンカチ……渡せそうにない……な……」 「……バカ」 「おっ……」 「行って」 「いいのか、俺の拘束を解いてしまって」 「いいの。今はあなたの優しさがつらいから」

2016-07-03 15:20:19
悪堕研究機構 @utakuochi

「それに、私の泣き顔をあなたに見せる訳にはいかないから」 「そういう強がりな所は昔から変わってないな」 「えっ……あなた何をして……って、昔からって、あれ?」 「ほら、俺の胸を貸すから思いっきり甘えておけよ」 「うん……」 「君が彼女じゃないのは事実だが、いくつか彼女さがある」

2016-07-03 15:30:59
悪堕研究機構 @utakuochi

「その……なんだ、その涙は、君の彼女の部分が流した、本当の涙だと思うから。だから俺は君を信じるよ。君を分離させたいと思うのは、やはり俺が俺自身、どうしていいかわからないから、ひとつの答えを、結果を探そうとしているのかもしれない。俺だって、彼女も、君も、失ってしまうのはつらい」

2016-07-03 15:35:01
悪堕研究機構 @utakuochi

「私も、あなたを失うのは苦しいから、あなたをどうにかして引き止めようとしていた。あなたが抵抗するなら、私の力を使って、決して逃さない、私の体内で、ずっと私と一緒に生き続けるの……そんな未来も考えていた。でもそれは、あなたの優しさ、純真さを見て、とても恐ろしいことだと分かった」

2016-07-03 15:47:05
悪堕研究機構 @utakuochi

「でも、俺は行くよ。やっぱり、俺は君の思い通りになる訳にはいかないから。そういう自分を良しとしない俺が心のどこかにいるから、それと決別してこないといけない」 「うん……」 「さようなら、またいつか会える日が来るよ」 「さようなら、私の愛しい人……」 「うっ……くっ……うう……」

2016-07-03 15:56:05

第4話

悪堕研究機構 @utakuochi

「そうか、今はその姿をしているのか」 「お父様……」 「探したぞ。ここ数日姿も見えず、連絡もないから心配していた」 「ごめんなさい、この身体に慣れるのに時間が掛かっておりました」 「今回の個体は良いな、非常に美しい。肉付きも素晴らしい」 「お父様にそう言っていただけて幸せです」

2016-07-03 16:25:36
悪堕研究機構 @utakuochi

「彼の件は、まだ時間が掛かりそうです」 「気にするな、そう急く案件でもないし、お前には十分な時間を与えてあった」 「しかし……」 「もし手に余るようであれば妹達を呼ぶ」 「いえ、その必要はありません。彼は、私の手で、必ず……」 「お前には期待している」 「はい、お任せください」

2016-07-03 16:37:04
悪堕研究機構 @utakuochi

「お父様」 「なんだ?」 「お父様は、人間の身体をお持ちでしたよね」 「そうだ、まぁ人間の形に未練はないが、このままの方が動きやすいのでな」 「その……人を好きになる、『恋』という感情はなんなのでしょう」 「そうか、そういうくだらない感情はお前には与えなかったのだがな」

2016-07-03 16:50:43
悪堕研究機構 @utakuochi

「だが、お前に与えたのは同化する力だ。人間と、他者と同化し、他者を自分の中に取り込む力。その過程で、人間の感情に目覚めていく未来も予想していた」 「はい……」 「大方、彼に恋を“している”のだろう」 「よくご存知で」 「その身体からは彼との因縁のニオイがするからな」

2016-07-03 17:03:41
悪堕研究機構 @utakuochi

「その感情はお前の感情ではない、その身体の持ち主の感情だ。だからその感情をお前が振り切れないことに私は疑問を持っている」 「話せば長くなりますが……」 「よい。だが、その感情がお前を苦しめて、任務の支障となるのなら、私の力で取り去ってやる」 「……いいえ、大丈夫です」

2016-07-03 17:12:26
悪堕研究機構 @utakuochi

「お前は、姉妹たちの中で最も色濃くお前の母親の血を受け継いで生まれてきた」 「お母様のですか?」 「だがお前は、多くの人間と同化する内に、本来の顔も姿形も忘れてしまったことだろう」 「はい」 「私がお前に対して抱く感情が愛である裏返しで、お前が私に抱く感情が恋だと、今は思え」

2016-07-03 17:36:44
悪堕研究機構 @utakuochi

「よく、分かりません」 「まだ分かる必要はない。だが、最終的に彼の心をお前のものにするために必要な、理解しておくべき感情だ。本来ならそういうくだらない感情はすぐにでも消し去ってやりたいが、今回は、このケースは特別だ。存分に時間を掛けてやりなさい」 「ありがとうございます」

2016-07-03 17:45:16
悪堕研究機構 @utakuochi

「しかしお父様……私は……彼を、彼の心を手に入れることはできませんでした」 「お前の力を使えばよかっただろう」 「いいえ……私の力は、私自身が最後に拒絶しました」 「そうか」 「彼に私の手はもう届きません。私は、どうすればいいのですか、お父様……」 「私に考えがある」 「えっ」

2016-07-03 17:55:06
悪堕研究機構 @utakuochi

※詳細は本投稿をクリック 【アンケート】 主人公に対して恋心を抱いて戸惑うスライムさん、物語も終盤に向けて、この後の展開とは?

2016-07-03 18:43:38

アンケート結果

  • 31%純愛エンド
  • 24%陵辱エンド
  • 45%オチ(堕ち)がつく

物語は
「オチ(堕ち)がつく」

第5話

悪堕研究機構 @utakuochi

「……というわけで、今度から君の家で住み込みで働くことになったメイドさんだ」 「は!?」 「また会えましたね、あなた」 「はっ? えっ? はっ?」 「なんだ、君たち知り合いだったのか。先にそう言ってくれればよかったのに」 「うちの息子と顔見知りなら話は速い、よろしく頼むよ」

2016-07-03 22:55:59
悪堕研究機構 @utakuochi

「いやー、兄さんには大変感謝してるよ。夫婦水入らずで海外旅行しようと思っても息子の世話があってなかなか行けなかったんだ」 「はっ? えっ? お前、親父の兄……俺の伯父さん?」 「こら、兄さんに向かってその言い草はないだろう」 「いいんだ、君の子供はすごく元気がいいと聞いている」

2016-07-03 23:00:08
悪堕研究機構 @utakuochi

「それに君、メイドって、本当に?」 「ええ、これでも私はメイドとして修練してきたのよ?」 (本当は昔吸収したメイドだった人の知識を掘り起こしただけだけど) (俺の精神に直接語りかけるな気持ち悪い) (あら、私の分身をあなたに残しておいたらこういう会話ができて便利だと思ったのに)

2016-07-03 23:07:09
悪堕研究機構 @utakuochi

「というかなんでこんな話になってるの?」 「それは兄さんからの申し入れもあってな」 「はっはっはっはっ」 「はっはっはじゃねぇよ!?」 「兄さん、ちょっと息子とあっちで話をしてきていいかい?」 「どうぞ、私達のことなら気にしないでくれ」

2016-07-03 23:12:20
悪堕研究機構 @utakuochi

(いいか、これは政治的判断だ) (いや政治関係ないでしょ) (お互いの駒を預け合う、向こうは彼女、こっちはお前だ。一種の休戦協定みたいなものだ) (ていうか親父、兄弟喧嘩に俺たちを巻き込んでるのかよ) (そうだ) (胸張って言うなよ!) (だがよく考えろ、これはチャンスだ)

2016-07-03 23:16:27
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