ブレイド・オブ・アングリー・ザット・ブレイク・ザ・シャルロー・ホープ
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「深海モ、人間モ、結局私達ニ嫌ナ事シカシナイナラ、貴方ニツイテイキタイ」「俺モ!」「私モダ!」まつろわぬ深海棲艦達は次々と立ち上がった。スクトゥムはそれを見て苦笑する。「やっぱりお前は王の器だよ、リーダー」「私は王になど成りたくないのだがね」ライオンハートは溜息を吐いた。 4
2016-07-17 17:03:02「なら救えばいい」闇の中に潜むチェルノボグは言った。「お前は王ではなく、救世主が似合いだ」その言葉を聞き、コールドレインも頷いた。「そういうものは、なろうと思ってなるものではないと思うがね」ライオンハートは溜息を吐き、己の紅いマントを脱ぐ。「聞いて欲しい」 5
2016-07-17 17:05:21その場に居た全ての深海棲艦がライオンハートを見た。「私達にはある目的がある。今からその目的を説明したいと思う。私についていきたいと思う者がいるならば、まずはそれに同意して欲しい。もし同意できないなら、その者達は安全な場所で解放しよう」深海棲艦達は皆頷いた。 6
2016-07-17 17:07:30「では、まず。我々が何者かを説明しよう」ライオンハートは脱いだマントの裏地を見せた。そこには、波濤を断つツルギのエンブレムが刺繍されていた。「我々はディープオーダ―…虐げられし同胞を救う、相互扶助同盟だ」 7
2016-07-17 17:10:05「ブスっといってグリグリして【一欠】からのドーンとはいかないか」ヒュウガは自室でだらしなく横になって、センベイを齧っていた。「彼はヒーローの器かと思ったんだが」ヒュウガの視線の先には年代物のブラウンテレビ。そこにはいまだ出撃ドックで無力感に打ちひしがれている聖良の姿があった。 9
2016-07-17 17:13:48既に江見とチクマの姿はない。叢雲も力なく壁に背を預けるばかりだ。「やっぱり赤はダメだな。時代は緑だ、屋上にビオトープを――お?」一人納得し、ヒュウガはテレビの電源を落とそうとした。その時、別の者がテレビに映りこんだ。「お?」 10
2016-07-17 17:15:30それは白磁めいた肌に黒い装甲を持った者であった。深海棲艦だ。その深海棲艦は聖良を抱きかかえ、叢雲に肩を貸すと、泊地の中へと消えていった。 「まさか残った奴がいたのか?」ヒュウガは首を捻った。その深海棲艦が何を考えているのかはまるで分らなかった。 11
2016-07-17 17:17:38だが、ヒュウガは笑った。まだヒーローの希望は潰えていなかったからだ。「絶望と疫病の箱の中に、最後に残るのは希望だった…か?」ヒュウガは珍しく古い言葉を引用すると、その深海棲艦に祝福も込めて手を振るった。これで、あの深海棲艦を余人が害することはないだろう。 12
2016-07-17 17:19:18「さぁ見せてくれヒーロー、君が紡いだ希望の行き先は私が見守ろう」 ヒュウガの目は純粋な光で輝いていた。その眼は、ヒーローショーを見守る子供めいていた。 13
2016-07-17 17:21:48入江の魔人&仮面アーチャーコラボ外伝「ブレイド・オブ・アングリー・ザット・ブレイク・ザ・シャルロー・ホープ」おわり
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