大学教員が自宅に約5000冊収蔵できる可動式書架を設置、憧れる声に「よく考えて」とアドバイス

嗚呼、あこがれの自宅書架
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本好きの夢、可動式本棚を自宅の2階に設置。書架は四六判約5000冊を収蔵可能だそう

読書好きのTwitterユーザーの間で「自宅に書庫が欲しい、特に図書館にあるような大型の「可動式書架」に憧れる」…という話がたびたび話題に上がっている。

そんな夢の書架を自宅の2階に設置したという、平松隆円(@ryuenhrmt)さんのツイートが注目された。

平松さんは、化粧心理学や化粧文化論を専門に研究する大学教員。したがって職業柄、大量の本を収納できる書架は必須。だが、「2階はやめたほうがいい」「一度設置したら未来永劫移動できない」と、実際に導入した人にしかわからない警告を伝えている。

元となったツイートへのリプライでは「これがあればと、何度望んだことか」「一室これにしたい」と、可動式書架へのあこがれの声が多く集まっているが、実際導入してみたからこそわかった現実を平松さんに聞いた。

「導入を考えている人はよく考えたほうがいいです」

可動式書架を導入した理由を教えてください

大学に勤めているため、本は商売道具です。そのため、本や雑誌がドンドン増えるのですが、その整理のために導入しました。

可動式書架は何台あり、何冊くらいの本を収蔵できるのでしょうか?

所有しているのは電動式ではなく手動タイプの可動式本棚です。画像で確認できる3本がセットで、1本に12棚、それぞれ裏表に収納できます。1棚あたり四六判(188mm×130mm)サイズで300ページくらいの本なら、70冊は納められます。

可動式書架を購入して搬入するまでの手順を教えてください

一般家庭に納品してくれて、かつ自室のサイズに合う製品を取り扱ってくれるメーカーを探し、搬入・ 組み立てまでやってもらいました。設置前は床の補強工事をおこなっています。

実際に設置してみて、ご感想はいかがでしょうか?

ツイートした通り、書棚自体の重さに加え本の重さも加わるので、設置場所はよく考えたほうがいいかと思います。

ボクも所有する本をこの書棚に集約したかったのですが、重さのことも考え、終わった研究でもう使用しないであろう書籍や雑誌は、段ボール箱などに詰めて別のところに置いています。

正直、室内の壁面全部を本棚にするくらいにした方がよかったかとちょっと後悔しています。

もし導入を考えている人は、よく考えたほうがいいです。

新築やリフォームを機に本の収納スペースを充実させたいなら、地下室を作ってそこを書庫にするか、壁自体を本棚にすることをオススメしたいですね。

ちなみに大学で働いている人は、勤務先の研究室に本を置いたり、それでもスペースがない人は書庫として使うためにマンションの一室を借りたりしています。

確かに、重さに耐えられる床の強度は一般家庭では限界がある。床の補強工事にも多額のお金がかかるであろう。それでも可動式書架を設置したい、という人はアドバイスの通り、リフォーム時や家を建てるタイミングで検討してみるのがよさそうだ。

記事中の画像付きツイートは許諾を得て使用しています。
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書いた人
中野ようす

野生のフリーライター。本とお笑いを摂取し日陰で眠り、たまには濡れた犬の匂いが嗅ぎたい。Twitter:@nakano_books