ドコモタワーは「ドコモ岳」に 新宿の高層ビル群を山に見立てた「都山地図」がユーモア満点で面白い
新宿の高層ビル群を“山”に見立てた地図がX(Twitter)で話題になっている。
新宿の高層ビル群を山にした地図を作りました。
#PLATEAU #OpenStreetMap https://t.co/wQgK3n4h3S
— 地図とかデザインとか (@chizutodesign) 2024年3月20日
「新宿連峰」と題し、登山ならぬ“都山”地図を制作したのはグラフィックデザイナーの地図とかデザインとか(@chizutodesign)さん。
投稿された地図はJR新宿駅を中心にしたもので、国土交通省が提供しているオープンデータ「PLATEAU(プラトー)」の2021年データを元に、オープンストリートマップと組み合わせて制作。等高線も引かれており、本当に山岳地帯の地図を見ているようで魅入ってしまう。
新宿周辺に連なる主な高層ビルを山岳名に置き換えており、例えば第一&第二本庁舎という2つのビルが並ぶ東京都庁は「第一都岳」「第二都岳」に、南新宿にあるNTTドコモ代々木ビルは「ドコモ岳」などとネーミング。ユーモアに富んだ山岳名に思わずクスリとしてしまう。
こちらの地図に対し、X上では「私の登っていた山はこの中ではけっこう高い方だったのね」「連峰育ちとしては十二社の名前が入っているのが嬉しい」と自身と縁のある山(ビル)に思いを馳せる人たちが続出。
また、「新宿連峰は地下洞窟も樹海レベル」と地下街のスケール感について言及する人や、「2029年には小田急岳が加わるのかな」と新たに生まれる山(高層ビル)を予測する人も見られた。
ユニークな視点で生み出された「新宿連峰」マップはどのようなきっかけで生まれたのか、制作した地図とかデザインとかさんに聞いてみた。
地図を作ったことで得られた豆知識も
新宿連峰地図というアイデアが生まれたきっかけを教えて下さい。
私はもともと首都圏で生まれ育った人間で、一昨年札幌に引っ越しました。
札幌は街中から当たり前に山が見えるのですが、東京都心では周囲の建物に邪魔されて地表から山を見ることは難しいです。
そう考えると、そびえ立つ高層ビルのような建物もある意味では「山」と同じなのではないかと思い作ってみました。
ビル名を山岳名に置き換えるアイデアもユーモアに富んでいますが、名前を考える作業は大変でしたか?
ありがとうございます!
名前を考えるのにはそこまで時間を費やしませんでした(むしろ、地図自体を作るのに時間がかかりました…)
「樫ヶ峰」や「塔ノ岳」のように実際に存在する名前に訳せたものが特にお気に入りです。
実際に制作してみて気づいたことがありましたら、ぜひお聞かせください。
建物の高さは国土交通省の「Project PLATEAU」という3D都市モデルを利用したのですが、実際に公称されている建物高さと異なる場合があります。
例えば「ドコモ岳」ことNTTドコモ代々木ビルはこの地図だと270mですが、公称の高さは240mとなっています。
これは数値が間違っているわけではなく、先端部のクレーンを含めた数値が前者となっているそうです。
そのような豆知識はもちろんのこと、遠景から新宿を見た時に山っぽいなとぼんやりと感じていたものを実際に可視化することで見えてくるものがある、ということを改めて実感しました。
高層ビルを山に見立てた #都山地図、大阪梅田版も見たいという声を頂いたので作ってみました。
#PLATEAU #OpenStreetMap https://t.co/1OsFqc9azq
— 地図とかデザインとか (@chizutodesign) 2024年3月23日
なお、地図とかデザインとかさんはその後、大阪梅田周辺を山地に見立てた地図も公開しており、こちらもさまざまな反応が見られた。
普段何気なく歩いているビル街も、山に見立てたら景色が変わる。視点を変える面白さを再認識させてくれる投稿だった。