鎌倉市図書館の【時々の鎌倉のお話】1232(貞永元)年8月10日、武家の法律、御成敗式目ができました~

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国立公文書館 @JPNatArchives

画像は、鎌倉幕府編纂の歴史書「吾妻鏡」(写本)。左頁2~3行目に、(貞永元年8月)10日、武州(北条泰時)が作らせていた御成敗式目の編纂が終わったという旨の記述が見られます。鎌倉幕府の基本法典であり、後世の武家法の範ともなりました。 pic.twitter.com/XL4XADzYpC

2016-08-10 15:00:38
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鎌倉市図書館 @kamakura_tosyok

【時々の鎌倉のお話】1232(貞永元)年8月10日、武家の法律、御成敗式目ができました~。北条泰時さんが一生懸命まとめたこの法律、ざっくり読むと裁判や相続についてといった内容が中心だな~という気がいたしますが…。

2016-08-10 10:00:23
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第12条に「悪口(あっこう)の罪」というのがあります。「悪口を言うのは争いの始まりだからダメ☆ ひどい悪口を言った人は流罪にしちゃうし、軽い悪口でも捕まえて閉じこめるからねっ。裁判では悪口を言ったほうが負けです~」(勝手に萌え意訳)というようなもの。

2016-08-10 10:00:43
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日蓮さんが鎌倉から伊豆に流された時も、この「悪口の罪」が適用されたのだといわれています。しかし悪口禁止なんて小学生か?!と思われる方もいるのでは?実は中世の人々は大変プライドが高く、バカにされた!侮辱された!と思ったらそのまま殺人沙汰なんてざらだったのです。

2016-08-10 10:01:03
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ちょっと時代が後になりますが、室町時代の京都でのこと。北野天満宮のお坊さんが金閣寺のお坊さんの立ちションを見つけ(お食事中の皆さますみません;)からかって笑ったところ、これがきっかけで大喧嘩が始まりました。

2016-08-10 10:01:24
鎌倉市図書館 @kamakura_tosyok

けんかは当人同士で収まらず、騒ぎはどんどん大きくなり、複数の死傷者が出て(!)ついに北野天満宮と金閣寺が全面衝突へ!この時は、将軍足利義教が人を遣わして仲裁に入り、何とか収まったのですが、京都のお坊さんどうしでこれですから、武士においておや。

2016-08-10 10:01:47
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ふと思い出すのは、御成敗式目を作った泰時さんの二番目の息子さんも16歳で家臣に突然殺されていること。この事件の原因は不明ですが、ちょっとしたことで殺傷沙汰になる中世。悪口禁止は必要欠くべからざる条項だったのかもしれません。

2016-08-10 10:02:17
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参考文献:『徳政令 中世の法と政治(週刊朝日百科日本の歴史)』,『知るほど楽しい鎌倉時代』(多賀譲治),『喧嘩両成敗の誕生』(清水克行)ほか

2016-08-10 10:02:37