物語論・キャラクター論に関する一連の論考

@no_num さんの疑問を皮切りに,@helpline @s_mirai @nycity1022 が自然に集まって行った物語論・キャラクター論に関する一連のツイートをまとめました.(関係ありそうなツイートを時系列順に並べただけです.) @hondeju さんも参加されていましたが,TLが非公開なため,このまとめには入っていません.
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みらい@乱きゅん @s_mirai

@helpline これは僕の入るタイミングが悪かったですね、すみませんw 実は大塚英志についてはそれほど読めていないので、いい勉強になります。

2011-02-21 00:55:47
helpline @helpline

@no_num もちろんポストモダンの時代において成熟は不可能なのですが、大塚としてはまあその手の理論的な矛盾とか批判はおいて、おれは現実/現場で実践的に対応するんだという感じですよね……。で、そのときの構造主義的に捉えられた物語もまあある種のデータベースなんですよね。

2011-02-21 00:59:46
helpline @helpline

@no_num キャラのデータベースをいじるというのと、昔話のパターンのデータベースをいじるというのとではまたちょっと意味合いが違うと思うんですが、それはおくとして、ポイントはいずれにしても「大きな物語」が無効化してる中で物語(ストーリー)が書かれ読まれていることなのかなと。

2011-02-21 01:03:27
helpline @helpline

@no_num ですから、「ハルヒ」や「とらドラ!」についてもたしかにそこではよい物語/面白い物語が語られているのだけど、おそらく昔話の類型に則ったパターンを下敷きに書かれており、読者/主人公の成熟が語られるのだということかなと。

2011-02-21 01:07:18
helpline @helpline

@no_num これは比較対象の問題でもあって、貴種流離譚的な構造を持つ成熟の物語って、芸術的な文学の価値観からすれば、大衆的なサブカルで語られるもので、二級のものだという見解もあると思うんです。純文学はもっと複雑だし、物語を語らないものも多いわけで。

2011-02-21 01:10:00
helpline @helpline

@no_num もちろんそうすると、ライトノベルでいつも問題になる、キャラ(物語から独立)/キャラクター(物語に従属)の区別も反故になってしまうので、どう考えたらいいのか悩むところなんですけどね……。ぼくが考えてきたのはここまでです。

2011-02-21 01:12:13
みらい@乱きゅん @s_mirai

ひとつ言わせていただくと、「大きな物語」が無くても、成熟を主とした「物語」は生成できると思いますよ。ただしそれは、超越的な規範ではなくて、特定の社会における相互了解的な規範という形ではあると思うのですが。 @helpline

2011-02-21 01:13:18
みらい@乱きゅん @s_mirai

『ゲーリア』の最初で「私たちはそれでも大きな物語を信じています」という反響を紹介していて、「それはあなたが言ってるだけ」という反論があったように思います。超越的な保証がなくても、「超越的なものがある」と言う行為は可能ということではないでしょうか。 @helpline

2011-02-21 01:15:27
みらい@乱きゅん @s_mirai

とまぁ、ここまで書いたところで僕もお手上げなのですがw、久々に頭の体操になっています。僕の意見にソースが少ない(ということは薄味)のが難点ではありますが……。 @helpline

2011-02-21 01:16:54
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

うーん…このキャラクター論は難しいところですよ…新城はキャラクターを「ありうべき可能性の束」と表現した,東は「萌え要素の集合」と言い,伊藤は図像とその本質を分離すべきとして「キャラとキャラクター」の概念をわけた. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:17:50
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

新城はどちらかというとキャラクターの構成部品を「行動様式」に求め,この人物ならこう動くだろう,という期待にキャラクターの根拠を見出しています. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:22:32
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

一方東はおそらく図像寄りの考え方で,図像と行動様式のペアをデータベースから(図像をキーとして)参照し,キャラクターを理解すると主張する. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:23:37
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

伊藤のキャラ・キャラクター論は図像(キャラ)とその奥に行動様式や歴史を備えた存在(キャラクター)を区別した.ライトノベル研究序説のコラムで私が提案したオブジェクト指向論は,この3つを統合する試みです. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:28:07
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

東の言い方は,乱暴に読めば単純に部品をかき集めればキャラクターができる,と言っているようにも聞こえます.個々の部品同士の関連性について考えられていない.相矛盾する部品が組み合わされる可能性すら否定できない.@helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:31:44
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

私のオブジェクト指向論では部品同士の親子関係(クラス-インスタンス)の概念で,部品同士が相互に関わり合っている空間をイメージしています.その細い糸でつながった部品をかき集めてキャラになる. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:33:58
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

最近はキャラクターの強度というのも興味を持っています.部品同士が連関性を持っているなら,表層に見えている部品は1つであっても,関連性をたどって深層を追求できる.見えている部品が増えれば増えるほど深層部は追いやすい. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:35:16
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

情報量という概念をつかって,そのあたりの感覚を考察できないかな…と考えています.東のいうデータベースには膨大な量のキャラ概念がつまって連携しているので,数個の部品を表層に持ってきただけで,そこから除ける深層は一気に膨張する. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:38:41
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

その膨張をかなり許容して,キャラ崩壊に近づいてまで情報が過剰に組み合わさったものが「キャラ立ち」ではないでしょうか. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:42:10
Naohiko Yamaguchi @nycity1022

すいません,ちょっと眠くて頭がふわふわしている状態で,書きたい放題書いてしまいました.まぁ,ちょっとした参考かなにかになれば幸いです.横からいきなり出てきて失礼しました. @helpline @no_num @s_mirai

2011-02-21 01:43:07
みらい@乱きゅん @s_mirai

わかりやすい整理、ありがとうございます!参考になります。とりあえず今度また研究序説読み返す必要を感じました……w @nycity1022

2011-02-21 01:56:52
みらい@乱きゅん @s_mirai

@no_num ありがとうございます。データベースも、ストーリーも、同じく「物語」という語で名指されるややこしさはありそうですね。この辺りの整理が必要になってくるかもしれません。

2011-02-21 01:58:22
みらい@乱きゅん @s_mirai

了解しました。刺激的な議論だったと思います。少なくとも僕の頭は刺激されました……w @helpline @no_num @nycity1022

2011-02-21 01:59:15
. @numnumednumed

@helpline @s_mirai @nycity1022 僕はそもそもデータベースというものは決して新しいものだとは思っていません。「大きな物語」が成立していた時代からデータベースは存在していた。より意識的になったのがポストモダンの時代なのだと思います。

2011-02-21 02:18:59
. @numnumednumed

@helpline @s_mirai @nycity1022 ですから「大きな物語」が失われたからデータベースが浮きぼりになっただけでしかない。同時にネットワークの充実によってデータベースを共有するひとびとが増えたのも要因のひとつだと思います。

2011-02-21 02:22:38
. @numnumednumed

@helpline @s_mirai @nycity1022 そしてキャラだけではなく物語もデータベースに取り込まれているのかと。すると「キャラ」を持つ「キャラクター」は物語によって「キャラ」を与えられているのか、データベースとしての物語に与えられてるのか区別できない。

2011-02-21 02:28:32
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