側方間隔ルールと構造分離 ~クルマが自転車を安全に追い越す・追い抜くようにするには~(2016年11月)

「自転車で車道を走るとクルマがスレスレを通って怖い」と感じている人は少なくないはず。混走環境での「側方間隔ルール」は世界各地にありますが、現実に強制力を伴っている例は稀です。ここでは米英の先進施策を紹介し、愛媛県の「思いやり1.5m運動」と比較してみました。加えて、車道の重大事故リスクが報告されているのに「混走を防ぐ構造分離インフラ」の推進に力を入れようとしない国土交通省の問題も指摘しています。
社会問題 自転車 交通
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車道混走環境での施策

現段階において自転車とクルマが混走するしかない環境では、まずは側方間隔ルール+取り締まりというソフト施策を採ることが有効だと考えられます。

米国テネシー州のチャタヌーガ警察はレーダー機器を採用

※同州の側方間隔ルールは「最低3フィート」(91.44cm)

リンク YouTube C3FT unit explained by Christopher Stanton Visiting Denmark, Christopher Stanton explains about the C3FT™, which is a bicycle­mounted electronic hardware system, designed for the purpose of detecting,...
Kosuke Miyata @kosukemiyata
クルマが自転車をパスする際の側方間隔を測るC3FT codaxus.com/c3ft/を、TX州オースティンの開発者が解説。同機器はTN州チャタヌーガの警察に採用されているipmba.org/blog/comments/…youtu.be/c9GLZRaoKzQ
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リンク YouTube Chattanooga Police Up Enforcement of 3 Foot La All eyes are on cycling this weekend with the U-S Pro National Championship Cycling event in town. With the added attention, Chattanooga city officials and p...
Kosuke Miyata @kosukemiyata
チャタヌーガ警察によるC3FT/BSMARTの導入を伝えるニュース映像。実効性の怪しい"Share the Road"という呼びかけに頼っていた路線で活躍しそうな機器。市は構造分離自転車レーンを含むインフラ計画も進めているとのこと。 youtu.be/HjaQhdsk_6s
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英国ウェスト・ミッドランズ警察の「覆面サイクリスト」

※側方間隔1.5m未満が取り締まり対象(普通車の場合)

リンク the Guardian Undercover bike cops launch 'best ever' cycle safety scheme in Birmingham Campaigners hope the operation, that sees plain clothes police on bikes pull over drivers that pass too close, will be taken up across the country
Kosuke Miyata @kosukemiyata
十分な側方間隔を保たず自転車を追い越す自動車ドライバーを「覆面サイクリスト警官」らのチームが取り締まる試み、英バーミンガムで2016年9月からtheguardian.com/environment/bi…。3ヶ月は悪質でなければ講座受講も選べるが、その後は罰則のみになる。他地域に広がる可能性も。 twitter.com/Trafficwmp/sta…
Kosuke Miyata @kosukemiyata
前掲のガーディアン紙の記事によれば、この地域での自転車とクルマの事故の98%がドライバーの振る舞いに因る。クルマが追突する事故は経験豊富なサイクリストでも未然に防げない、と取り締まりチームの警察官。 側方間隔ルールは、それを守らせる具体的手段が伴ってこそ効力を持つものですよね。
#aminocyclo @aminocyclo
@kosukemiyata まさにその通りで、地域のドライバーのほとんどが善意により側方間隔を確保してくれたとしても、逸脱した一部がたまたま追突すれば我々は即死。自己防衛する術はない。 ただ、他方で、側方間隔を守らせるインフラを全てに用意するのは現実的に不可というのもその通り。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
英ウェスト・ミッドランズ警察は、自転車をスレスレで追い越すドライバーの取り締まりに動画撮影を使用。危険な追い越し事例の動画もアップしているyoutu.be/MXrqJ8R9yQM。愛媛県の「思いやり1.5m運動」pref.ehime.jp/h15300/1-5m/1-…でも真似しては。
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車道の危険性を念頭に置いた愛媛県の「思いやり1.5m運動」
Kosuke Miyata @kosukemiyata
2013年施行の愛媛県自転車安全利用促進条例pref.ehime.jp/h15300/jitensh…は第6条「自動車等運転者の責務」で「自転車側方通過時の注意事項」を定めている(罰則なし)。思いやり1.5m運動pref.ehime.jp/h15300/1-5m/1-…はこれが元(Q&Aが分かり易い)。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
クルマが自転車をパスする際の安全確保に関する具体的記述が道交法にない→愛媛県自転車安全利用促進条例pref.ehime.jp/h15300/jitensh…は第6条で側方間隔について記述→具体的数値を示した周知活動「思いやり1.5m運動」pref.ehime.jp/h15300/1-5m/1-…を展開。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
愛媛の「思いやり1.5m運動」の説明pref.ehime.jp/h15300/1-5m/1-…に「自動車等が自転車に追突する事故も少なからず発生しており…一度発生すると自転車運転者の致死率が極めて高くなる傾向」とある。ITARDA報告think-sp.com/2012/09/03/tw-…とも重なる。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
愛媛県「思いやり1.5m運動」Q&A pp. 3-4。車道通行する自転車の被追突事故における死亡リスクの高さは、県内の10年の統計から算出されたもの。 twitter.com/kosukemiyata/s… pic.twitter.com/Ini5SkSPfg
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Kosuke Miyata @kosukemiyata
自転車の対クルマ事故。死亡事故は出会い頭が55%=致死率0.47%、被追突が9%弱=致死率4.7%。死傷事故の自転車側無違反率は出会い頭29%、被追突82%。イタルダ報告itarda.or.jp/itardainfomati… No. 88。 pic.twitter.com/03vY3hyffx
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構造分離タイプの自転車空間を増やそう

市街地など自転車利用が盛んな場所、また潜在需要の高い場所では、クルマの流れから構造的に分離された空間を作るというハード施策が重要です。

「シェア・ザ・ロード」は混走前提
Kosuke Miyata @kosukemiyata
前述のように、愛媛県の条例と「思いやり1.5m運動」は国内では先進的。ただ、同条例の基本理念は「シェア・ザ・ロード」という、英米でも時代遅れの代物。自転車の「利用促進」を目指すなら「思いやり」の連呼pref.ehime.jp/h15300/kenkyuk…より物理的に分離された空間の整備を。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
愛媛の自転車インフラ整備、2015年3月末の時点で自転車道(物理的分離)0km(四国全体でも香川の2kmのみ)pref.ehime.jp/h15300/jitensh…。計画の下敷きはやはり国交省の「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」mlit.go.jp/report/press/r…
国土交通省のガイドラインの問題点
Kosuke Miyata @kosukemiyata
全国の自転車インフラ計画の元になる国交省ガイドラインは2016年に一部改定されたがmlit.go.jp/report/press/r…、パブコメで車道の危険性を指摘されても2月の委員会では愛媛の1.5m運動https://t.co/r3RVxCQNrHの背景など追突事故リスクの話ナシ。
Kosuke Miyata @kosukemiyata
第7回 安全で快適な自転車利用環境創出の促進に関する検討委員会の開催について mlit.go.jp/report/press/r… これが2016年2月25日(木)13-15時(開催発表23日)。なおITARDA報告88は2011年4月、愛媛の1.5m運動は2015年11月15日から。 pic.twitter.com/6ImxkGqOtO
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Kosuke Miyata @kosukemiyata
車道の自転車の被追突リスクに関し、愛媛は県条例6条や1.5m運動などソフト施策で頑張ってる(※罰則なし)。構造分離空間などハード対策は手薄だが、計画の雛型たる国のガイドライン自体が「構造分離は60キロ道路のみでOK」と安全軽視、改定時パブコメでの車道リスクの指摘を委員会はスルー。

※車道の危険性を危惧するパブコメを無視できない、と発言した委員がいましたが、被追突リスクについて知っていなければならないはずの複数の委員からは愛媛やITARDAのデータに対する言及がありませんでした(詳細については傍聴レポートをご覧下さい)。また、国土交通省の事務局は「対クルマ事故のデータ」を改定後のガイドラインに盛り込むと明言したにもかかわらず、被追突リスクを含む重要な情報を記載しませんでした。

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コメント

greentoptube @greentoptube 2017年1月3日
素晴らしいまとめ。日本でも自動車のスレスレ追い抜き抑止の施策や、構造分離のインフラの充実を一刻も早くやっていきたい。
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