2016年12月14日

「低線量率被ばくに起因する発がんリスクを直接的に評価」に対して「1%発がん影響大きい」と誤解されている方へ

放医研のプレスリリース、「低線量率被ばくに起因する発がんリスクを直接的に評価」に対して、日経の記事を読んで「1%発がん影響大きい」と誤解を招く恐れのあるツイートが回ってきたのでそうした人向けにまとめました。
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国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構のプレスリリース
ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構のプレスリリース qst.go.jp/information/it… 「じわじわ」被ばくの発がん影響を動物実験で明らかに -モデルマウスを用いて低線量率被ばくに起因する発がんリスクを直接的に評価-

2016-12-14 18:56:51
日本経済新聞の記事
リンク www.nikkei.com 低線量被曝の発がんリスク低く 量研機構、マウスの実験で 量子科学技術研究開発機構は13日、低線量の放射線を浴びた場合にがんになるリスクは低いとする、マウスを使った実験結果を発表した。医療機器のコンピューター断層撮影装置(CT)で浴びる程度の線量では、全く 7
ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771

日本経済新聞の記事「低線量被曝の発がんリスク低く 量研機構、マウスの実験で 」nikkei.com/article/DGXLAS… 「放射線によってがんになったのは1%で、発がんへの影響はほぼないとみなせるという。」← この部分を読んで勘違いをしている人が多いようです。

2016-12-14 18:58:59

図3 髄芽腫の発生率

ryugo hayano 『「科学的」は武器になる』発売中 @hayano

(放医研)「じわじわ」被ばくの発がん影響は低い-モデルマウスを用いて低線量率被ばくに起因する発がんリスクを直接的に評価- qst.go.jp/information/it… pic.twitter.com/SgRRR1SbxC

2016-12-14 13:31:14
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ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771

勘違いを防ぐには、元記事(プレスリリース)を読んでいただくのが一番ですが、上の↑↑↑の図を見れば誤解することもないでしょう。念のため。 被ばく起因による髄芽腫発生率はそれぞれ、非照射群で2%、高線量率被ばく群(540mGy/m:総線量500mGy)で34%

2016-12-14 19:41:47
ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771

低線量率被ばく群①(5.4mGy/h:総線量500mGy)で16%、低線量率被ばく群②(1.1mGy/h:総線量100mGy)で1%

2016-12-14 19:42:44
ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771

非照射群で2%・低線量率被ばく群②で1%という結果を見れば、プレスリリースにある「時間当たりの被ばく量がある程度以下になると、まったく被ばくしていない場合と同等になる」や日経記事にある「発がんへの影響はほぼないとみなせるという」の意味が理解できると思います。

2016-12-14 19:43:21

プレスリリースより引用
本研究により、少しずつじわじわと長期間被ばくした場合には、短時間で一度に被ばくした場合よりも、被ばくに起因する発がんのリスクが小さくなること、また、線量率がさらに低くなるとそのリスクは見えなくなることが実験的に明らかになりました。今後、同様の手法で様々な研究を展開することにより、低線量・低線量率被ばくによる発がんリスクの全容の科学的解明が期待されます。

参考まとめ
まとめ 8月8日の報道ステーションがとりあげた放射線の遺伝的影響をめぐって:動物実験結果を中心に まとめ「8月8日の報道ステーションで取り上げられた広島大・鎌田七男名誉教授の研究の原著論文を探して読んでみました」(http://togetter.com/li/549170 )の姉妹編です。 2013年8月8日夜の報道ステーションの特集の放送後の議論を別まとめから切り出し、単独で読めるようにしました。 番組で取り上げられた野村大成・阪大名誉教授の次の論文の話が中心ですが、放射線の遺伝的影響を調べる動物実験では、どれほど凄まじい量の放射線が照射されているかご覧下さい。 Nomura T. Parental exposure to X rays and chemicals induces heritable tumours and anomalies in mice. Nature 1982;296:575-.. 15613 pv 500 3 users 5

コメント

ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771 2016年12月14日
実験では低線量率と表現されていますが、1.1mGy/hは私たちが通常生活している環境と比べるとあり得ないほど高い線量率です。マウスの実験とはいえこのような結果が得られ、「原発事故でがんの増加は考えれれない(国連委)」と国連機関も報告をしています。2011年の原発事故に起因する放射性物質による人体への影響について深刻な影響が出ていないことが明らかになってきている中で、「低線量被曝」の文言を使い基礎知識のない人を恐怖に陥れるような行為に加担しないよう気を付けたいものです。
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nao @parasite2006 2016年12月14日
1.1mGy/hってどのくらいの値かというと、2011年3月12日に東京電力福島第一原発1号機が水素爆発したあと福島県双葉郡双葉町上羽鳥のモニタリングポストで観測された最大値https://twitter.com/shanghai_ii/status/443538869204439040 と同じ桁の値ですよ(グラフの縦軸の単位はnGy/h、1 mGy/h=1,000,000 nGy/h)。
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ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771 2016年12月14日
parasite2006 補足コメントありがとうございます。平たく言えば、実験ではその最大値を4日連続で照射しても髄芽腫の発生率に増加がなかったということですね。当初の被曝線量がゼロというわけではありませんが、数値など関係なく「初期被曝」という言葉だけで子供の将来まで悲観している人たちがこの点を理解することができればと思います。
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縞うさぎ/詫摩雅子 @shima_usa96 2016年12月14日
非照射群のことが、日経の記事にはなかった。
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addicks(あでぃっくす)🌔 @addicks_cycle 2016年12月15日
非照射群の「被ばくに起因する髄芽腫」というのは自然放射線を受けたことにより発生するリスクを推定したものという理解でいいんだろうか
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nao @parasite2006 2016年12月15日
addicks_cycle ご明察の通りです。ご参考までに、この動物実験が行われた実験室のようすがわかる写真がこちらのページhttp://www.nirs.qst.go.jp/rd/ref/index.html に公開されています。
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addicks(あでぃっくす)🌔 @addicks_cycle 2016年12月15日
parasite2006 ありがとうございます。これは非照射群が明示されてるほうがはるかに理解しやすいですね
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大石陽@聖マルク @stmark_309 2016年12月15日
ontheroadx ペトカウ効果は、この場合なら1.1mGy/分のほうを5倍の時間照射したら、同じ総線量の5.4mGy/分よりも細胞のダメージが大きくなる、という形で現れるはず。今回はそもそも総線量が違うからペトカウ効果の観測はできないんじゃないか。
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neologcutter @neologcuter 2016年12月15日
あの程度の被曝でも影響ない…というより60年代の核実験真っ盛りの最中を生きてきた団塊世代の発ガン率がほかの世代よりとびぬけて多いかというと、そうでもないことから低線量被曝の影響は無視していいんでないの?
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月16日
②群で1.1mGy/h=0.88mSv/h=880μSv/h 放射線の種類がわかりませんが、単純計算だと100mSv/y=11.416μSv/hの約80倍ですね。  http://www.nap.st/radiation_exposure_per_time/
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月16日
あくまで単純計算ですが、総線量では100mSv/yの環境下で約308日間過ごした場合と同じ。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月16日
1mSv/yの基準値を超えたら高線量()だと騒ぎ立てる人には、これでも理解できないんだろうなぁ……。
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NPAGW @NPwrAGW 2016年12月16日
addicks_cycle こう勘違いする者もいるようだ。→@drsteppenwolf 修復機能を考えるとLNT仮説は無理がありそう / https://twitter.com/drsteppenwolf/status/808989237198499844  ※確率的影響には,突然変異や染色体異常,発癌が該当し,DNA損傷 「修復時のエラー」 に起因する。(http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201109eq07.pdf
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ネメシスの悪事を記録するkiriナントカです @kiri_7771 2016年12月16日
まとめを更新しました。以下の参考まとめを追加しました。 http://togetter.com/li/1059957 「動物実験から見えてきた放射線影響の閾値」 http://togetter.com/li/680454 「8月8日の報道ステーションがとりあげた放射線の遺伝的影響をめぐって:動物実験結果を中心に」
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201109eq07.pdf ヒトの場合は,被爆者を対象とした調査から100 mSv の被曝で発癌率が0.5 % 上昇し,それ以上では線量に比例して発癌率が増加することが明らかになっているが10),100mSv 未満の低線量でも,発癌の確率があがるのかどうかについては明確な結論は得られていない。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201109eq07.pdf また,10 mSv のリスクを評価するためには500 万人規模の疫学的調査が必要とも予測されており11),現状では低線量のリスクを正確に評価するのは困難である。しかし,しきい値の存在が証明されていない以上,安全性を考慮して,しきい値はないと仮定して被曝の規制値が設定されているのが実状である。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
承前)20 mSv/年を50 年被曝したときの積算線量は1 Svなので,単純に計算すると発癌リスクは5.5 % となる。しかし,生物効果には被曝線量だけではなく,線量率も大きな影響を与える。細胞内には元々,還元型グルタチオンなどのように活性酸素を吸収する物質や,スーパーオキサイドジスムターゼなど活性酸素を分解する酵素が存在するので,少量の放射線を時間をかけて被曝する場合は軽減効果がある上に,DNA 修復機構が十分に機能する。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
承前)上記の発癌リスクは被爆者のデータを元に算出した値であり,長期間の低線量被曝の場合,リスクはかなり小さくなることが複数の実験から示されている14)15)。実際,地球上には自然放射線量の多い地域が複数あり,そこに居住する人たちの年間被曝量は10mSv に達するが,これらの地域の住民は,末梢白血球の染色体異常の頻度がやや高いものの,自然発癌や奇形児の発生率は高くはないことが報告されている。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201109eq07.pdf また,細胞内では酸素呼吸により反応性の高い活性酸素が常に発生しており,放射線を被曝しなくともDNAは絶えず損傷を受けている3)。代謝により生じる一本鎖切断や塩基修飾の数は1 個の細胞で,1 日当たり数千個~数万個にも達し,二本鎖切断も1 日あたり0.1~10 個/細胞程度生じていると推定されている。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
承前)これらの損傷の大部分は遺伝情報が損なわれることなく修復されるが,一部は修復過程で突然変異を引き起こす。癌の発症率は年齢の5~6 乗に比例することから,細胞増殖にかかわる遺伝子5~6 個に突然変異が入ることが癌の原因と考えられているが,こうした自然発癌の主要な要因は代謝による活性酸素である。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
http://www.jsac.or.jp/bunseki/pdf/bunseki2011/201109eq07.pdf 一方,一年間かけて20mSv のg 線を被曝したときの,1 日当たりの二本鎖切断の頻度は約0.002 個/細胞であり,代謝により生じた活性酸素によるDNA 損傷の影響に比べて,放射線による影響はかなり少ないことが予想される。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
毎度のことだが、自分が根拠として提示している記事ぐらい読んだ方が良いと思うぞ。それとも、自分が提示した根拠によって自説が否定されていることすら理解できない程度の知能なのかな。
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誠福丸 @smaru_org 2016年12月17日
でもこの実験、よく考えたら間接効果ではPtch1正常遺伝子が欠失しないんじゃないかと……。自然要因の方に隠れちゃいませんか?
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tomo @tomo_091519 2016年12月17日
事故前の基準で問題無いってことだね。
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NPAGW @NPwrAGW 2016年12月17日
addicks_cycle NPwrAGW 「全固形がんについて過剰相対危険度が有意となる最小推定線量範囲は 0–0.2 Gy であり、定型的な線量閾値解析(線量反応に関する近似直線モデル)では  閾値は示されず、ゼロ線量が最良の閾値推定値  であった。」/・原爆被爆者の死亡率に関する研究 http://www.rerf.or.jp/library/rr/rr1104.pdf
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NPAGW @NPwrAGW 2016年12月17日
addicks_cycle NPwrAGW NPwrAGW 早野龍五氏「我々はK40で年に約0.2mSv内部被曝(除去出来ないリスクなので普通は除外して考えるが,線形閾値なしを仮定するなら,K40由来のガンは皆無でないはず).」/ https://twitter.com/hayano/status/371572102345682944
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