国語辞典編纂者、飯間浩明さんの「紅白歌合戦の国語的解説」が面白すぎた

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

氷川きよし「白雲の城」の「風蕭条（しょうじょう）と　哭くばかり」は難しい。『三省堂国語辞典』では「蕭条」は「ひっそりしているようす。ものさびしいようす」。漢詩の世界の趣のある詞です。

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

高畑充希さん、「とと姉ちゃん」で「みんなのクランクアップを、ずっとヒロインだったので見送っていくのが続いて」。クランクアップは、全体の撮影終わりとは限らないんですね。出演場面のクランクアップというのもあるわけです。

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

宇多田ヒカル「花束を君に」で「毎日の人知れぬ苦労や淋しみも無く」。「淋しみ」はパソコンでも一発入力できないのですが、『三省堂国語辞典』にはあります。ただ、「淋しさ」とどう違うか、十分説明していない。どう違うのでしょう？

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

相葉雅紀さん、司会の労をねぎらわれて「すいませんでした、ありがとうございました」。そしたらメンバーから「謝んないで」。おそらく生放送で、いろいろご自分で反省があるのかも。でも、「すいません」連発はしないほうがいい、というのはメンバー（二宮さん？）の言うとおりだと思います。

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

今年最後の歌詞の当て字は、嵐「One Love」で、「同じ時間（とき）を刻む人へ」でした。乃木坂46「サヨナラの意味」では「歳月（とき）」、THE YELLOW MONKEY「JAM」では「時代（とき）」でした。「とき」は大人気です。

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

紅組の逆転勝利を見届けたところで、「紅白」の用例採集を終わります。なんだかツイートしていて、非常に疲れたのですが、なぜでしょうか。ともあれ、ことばの「取れ高」は十分で満足しています。それでは、皆さま、よいお年をお迎えください。

飯間浩明 @IIMA_Hiroaki

「新年明けましておめでとう」はおかしい、新年が明けたら来年になってしまうではないかという意見があります。でも問題ない。「毛糸を編む」でなく「セーターを編む」、「水が沸く」でなく「湯が沸く」という言い方があります。結果を主語に持ってくる語法が日本語にはあるのですね。