2017-01-26のまとめ
一般労働者の労働時間の動きについてみていくと、平均的な雇用者の一月の所定外労働時間は2015年で14.5時間となっており、所定内労働時間とともに2008年から現在に至るまで横ばいで推移している。また、
2017-01-26 22:17:55月末1週間の労働時間が35時間以上の雇用者に占める週労働時間60時間以上の雇用者の割合についてみてみると、2008年の13.5%から持続的に低下を続け、2015年では11.8%にまで低下していることがわかる。
2017-01-26 22:18:10雇用者一人当たりの経常利益と雇用者報酬の推移についてみていくと、経常利益は2001年以降増加基調で推移した後、リーマンショックでの大幅減を経て2010年から持ち直しの動きをみせており、2007年までの景気回復局面と比較しても大きく増加している。その一方で、
2017-01-26 22:18:41一人当たり雇用者報酬は2000年当時の水準と比較して長期的には減少傾向で推移しており、2010年以降は経常利益と同様に増加しているものの、その伸びは緩やかなものとなっている。
2017-01-26 22:18:53経常利益と雇用者報酬の増減が互いにどのように影響を及ぼしていたかについて、1980年から現在に至るまでの状況を単回帰分析によってみてみると、1980年から1989年にかけては経常利益の伸びが雇用者報酬の伸びに対して有意に正の影響を与えており、企業活動による利益の獲得に応じて
2017-01-26 22:19:23労働者への利益分配がなされていた傾向がみられる。その一方で、バブル期以降の両者の関係性についてみていくと、長期的にみて経常利益は増加傾向にある中で、雇用者報酬はほとんど伸びておらず、企業の経常利益と労働者の賃金上昇の関係性は弱まってきていることが指摘できる。
2017-01-26 22:19:37企業利益が雇用者のもとに分配されなくなった理由に関する一つの考え方として、企業の内部留保(ここでは「利益剰余金」を指す)の推移について第2-9図によりみていくと、1990年代後半の金融危機を乗り越えて以降、自己資本の強化や財務体質の改善等を目的として、
2017-01-26 22:20:212000年から現在にかけて非製造業を中心に内部留保が増加傾向を続けており、特に景気が持ち直した2013年以降は大幅に増加している。また、営業余剰や受取利息などのフロー所得のうち、人件費がどの程度の割合を占めるかを示した労働分配率の推移をみてみると、
2017-01-26 22:20:37短期的には労働生産性の変動(≒分母であるフロー所得全体)が実質賃金(≒分子である人件費)の変動と比較して大きいことにより、景気後退期(回復期)において上昇(下降)する傾向にあるが、
2017-01-26 22:20:48現在の景気回復局面では2007年までと比較しても低下の傾向を示しており、2000年当時との比較でみても緩やかに低い水準にあることがわかる。
2017-01-26 22:21:06厚生労働省が集計した「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」では、2014年から3年連続で定期昇給分を上回る2%以上の増加の動きをみせており、
2017-01-26 22:21:37中小企業を調査対象に含めた連合の「春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)(最終集計)」をみても、同様の水準が確保されていることがわかる。
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