- mori_tatsuya
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神様はある日こうおっしゃった。入試は大学が責任を持って完全な公正性を確保しなければなりません。定員は必ず充足させるように。入学させた学生を全員責任を持って卒業させるのが教育機関の責務です。就職先も大学できちんと考えるように。さすれば、あなた方にも運営交付金の恵みがあるでしょう。
2011-03-03 10:12:19ああ神様、わかりました。しかし、あなたが下さる運営交付金は余りに少なく、人員も遥かに足りません。日本経済の見通しは暗く、我々にはそれを自らの力で解決するだけの資源も与えられていません。
2011-03-03 10:17:24しかも神様、あなたは過日、我々に世界の大学と伍して研究の責務をも果たすようにおっしゃりました。しかし、神様、私達には研究費はもうないのです。私達は一体どうしたらよいのでしょうか。
2011-03-03 10:19:14暫くして、神様は思い出したかのようにこう付け加えられた。学士力も忘れてはなりません。大学の国際化も大事です、留学生を沢山集めなさい。英語コースも作るように。但し、留学生が日本国内で就職できるなどと考えてはいけません。奨学金もありません。必要な資金は大学が自分で集めてくるように。
2011-03-03 10:59:07神様、それでは余りに余りです。私達に下さる恩恵はないのでしょうか。そうすると神様は手をそっと握って、微笑みかけながらおっしゃった。「修士論文は書かせなくてよろしい、但し博士号は必ず5年以内に出すように。くれぐれも国際水準のものであることを忘れないように」。
2011-03-03 11:02:29私は尚も神様に取りすがった。それでは私達は余りに救われません。すると神様は怒ったようにおっしゃられた。あなたは私を心から信じていないようだ。そう言うと神様は、奇跡をお見せになられた。海が真っ二つに割れ道ができたのだ。
2011-03-03 11:20:35そして神様はこうおっしゃられた。あなたの前に道はある、ただこの道を行きなさい。しかし、と私は神様に問いかけた。神様、道が半分しかありません。するともう一度神様は私の手をとっておっしゃった。後の半分の奇跡はマッチングファンドを探してきなさい。
2011-03-03 11:22:37