「この本ドイツんだ？」「オランダ」。。。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

つい先日購入したばかりの巻物、幕末に筆写された機械学関連の一巻、を展開して確認した。箱書きには｢デルブラット著　ウエルキトイーク図｣、裏には｢安政五戊午年於東都写　館有武」と記されている。途轍もない精密さで、度肝を抜かれた一品 pic.twitter.com/PbazZheKrV

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全部で10枚の大図と若干の小図を収めるが、第1番目の絵がこんな感じ。いやあ、ほんとにこれを手で写したのか、とビックリした。 pic.twitter.com/xljFSrsDtW

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以下、このような図が9枚ほど。蒸気機関をはじめとする機械工学分野のグラフや機械要素の挿図が並んでいる。(幾つかの拡大図を) pic.twitter.com/qtElzxoQyZ

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佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

そうなると気になるのは、一体この絵はどの本から写し取った物なのかということ。 オランダ語の本だろうなあ、ということはすぐに見当が付いたが「デルブラッド」て誰？、「ウエルキトイーク」って何？となった。。。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

乏しいオランダ語の知識から、「ウエルキトイーク」は"werktuig"のことかな、と当たりをつけられたが、その意味はただの｢道具｣。。。これでは全然書名の手がかりにならない。それでは著者名からということで、最後の頼みの綱、松田清氏が作成された幾つかの蘭書目録をひっくり返す。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

松田氏が作成された｢佐賀藩旧蔵蘭書目録｣(2004)の索引から著者名で調べてみたところ、「デルプラト」(I.P. Delprat)という類似の人名を発見。「お！これだな！」とその頁をめくったところ、ドンピシャリでそれらしき本が佐賀県立図書館の鍋島文庫にある事が判明。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

その書名は「砲兵工兵士官候補生・水利省幹部候補生用機械学入門」(1842年)というもの。たしかに、オランダ語の書名にも"Werktuigkunde"の語が入っている。内容的にもこれに違いないと確信したが、そうなると現物を見てみたくなる。ダメで元々、オランダ語の書名で検索をかける。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

検索をかけたところ、これまたビックリ。静岡県立図書館葵文庫のページがヒット。何と言うことは無い。旧徳川家の所蔵本の中にこの一冊が有ったのであった。そこでデジタル画像を確認したところ、まさにこの本が「ウエルキトイーク」であった。　multi.tosyokan.pref.shizuoka.jp/digital-librar…

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

ちょこちょこと1時間程度調べたぐらいで、オランダ語の原書が判明できたというのは、考えてみればすごい時代になったんだなあ、とあらためて実感した。資料のデジタル化然り、キーワードの検索精度の向上然り。一昔前だったら、この同定作業には数ヶ月ぐらいかかっていたかも。

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

そうなんです。由来が分からないままというのはとても気持ち悪かったので、ちょいと調べてみましたw twitter.com/ruka_tkym/stat…

高山由香@鎌倉FM『理系の森』毎週土曜16:30～ @ruka_tkym

今日の講義で見せていただいた資料の件ですね！謎が紐解かれる経緯をネットで観戦できるなんて、幸せすぐる(^ω^) twitter.com/ke_1sato/statu…

2017-01-28 18:50:32