凍土遮水壁(海側)の効果は30~40%しかなかったが、凍土遮水壁(山側)は、これから本気を出すかもしれない。

凍土遮水壁(海側)の数字での評価が公表されたので、これについて解説します。
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Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat

一方、凍土遮水壁の凍結前はどうか言うと、2016年3月末頃は、降雨がほとんどなく、4m盤水位の変動も小さい状況で、4m盤の汲み上げ量は「200m3/日」程度で推移している。この量を、降雨・地下水位の変動の影響のない状態での、凍結前の汲み上げ量と評価する。 pic.twitter.com/0tsBvpLCMw

2017-02-02 20:48:59
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この時、凍土遮水壁(海側)の凍結前に、4m盤に流入していた地下水の量は「230m3/日」ということになる。凍結の前後を比較すると、230m3/日 → 160m3/日 へと、70m3/日(約30%)低減したことになる。これが、凍土遮水壁(海側)の、現在の評価ということになる。 pic.twitter.com/RTQDeQPNNx

2017-02-02 20:49:41
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    ↑ 試案は「東電の評価が誤り」と言いたいわけではなく、誤差があるから
     たとえばこのくらいの数字かもしれない、という趣旨です。

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ところで東電は、凍土遮水壁(海側)が凍結すれば、4m盤の汲み上げ量は、平均的な降雨(4mm/日)の時で「70m3/日」程度になると予測していたが、この時、4m盤に流入する地下水の量は「30m3/日」と想定されていた。(この「70m3/日」の意味はしばしば誤解されている) pic.twitter.com/ptDxojQKJU

2017-02-02 20:50:47
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前ツイ図の出典は2016/9/28の監視・評価検討会 nsr.go.jp/data/000165035… だが、海側100%凍結時に、4m盤の汲み上げ量が70m3になるという数字は、2016/6/2の監視・評価検討会 nsr.go.jp/data/000152044… が初出だと思う。 pic.twitter.com/8hoTG35LdV

2017-02-02 20:53:21
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そして、次回2016/7/19の監視・評価検討会 nsr.go.jp/data/000160987… において、4m盤の汲み上げ量がこの数字(70m3/日)に近づいたことをもって、凍土遮水壁(海側)の凍結を確認し、次のステップへ進むことにしようということになったわけである。 pic.twitter.com/X9Z3w6XFzx

2017-02-02 20:54:12
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補足)凍土遮水壁(海側)の凍結後に、4m盤へ流入する地下水の量は、東電の事前の予測では、30m3/日に減少するとされていた。この予測は甘かったようだ。 pic.twitter.com/Rdd8nY1CBQ

2017-02-03 18:43:48
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ちなみに、凍土遮水壁(海側)の閉合により、4m盤に流入する地下水の量が「30m3/日」になるという想定の根拠については、2015/12/18の監視・評価検討会資料 nsr.go.jp/data/000133831… に説明がある。(これが初出かどうかは確認していない。) pic.twitter.com/AE1iwWUVvU

2017-02-02 20:55:19
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結局、2016/12/26の監視・評価検討会 nsr.go.jp/data/000173552… で、東電は「4m盤の汲み上げ量が(平均的な降雨時に)70m3/日に近づく」という主張を取り下げ、「下がらなかった理由」を提示することになった(このあと5ページに渡って説明資料あり)。 pic.twitter.com/6Qv2dwe0it

2017-02-02 20:56:05
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そしてこの、2016/12/26の監視・評価検討会において、凍土遮水壁は次のステップに進むことが認められた。規制委の更田さんは「海側がこれだけ水を通すのだから、山側を凍らせても水を通すだろう」という珍妙な理由を付けたけれど、私はそれはホンネではないと思う。 pic.twitter.com/goYkKefpj7

2017-02-02 20:57:21
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規制委員会も、凍土遮水壁以外には、汚染水の増加を大きく減らせる手立てがないことを、十分理解しているはずだし、ホンネでは凍結を進めたかったのは間違いないと思う。しかし、海側の効果が予想から大きくはずれてしまったために、ゴーサインを出すことが出来ずに困っていたのである。

2017-02-02 20:58:25

 

【凍土遮水壁の今後】

Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat

2017/1/27の監視・評価検討会資料で、凍土遮水壁(山側)は1ヶ所の未凍結区間以外の凍結が認められたが、今後は、どうなるだろうか? twitter.com/tsokdba/status…

2017-02-02 20:58:58
tsokdba @tsokdba

福島第1の凍土壁、1カ所残し凍結 規制委が了承  :日本経済新聞 nikkei.com/article/DGXLAS… 『27日の規制委の会合で更田豊志委員は「4つ閉じて遮水の効果が表れてきたら、次の段階を考える」と話した。4カ所を閉じれば建屋側への地下水流入量が減る見通し。』

2017-01-29 22:35:05
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凍土遮水壁(海側)の効果があまり高くなかった要因は、大きな構造物が貫通しているためだと推定されているが、凍土遮水壁(山側)にはそのような大きな構造物の貫通はない。だから、山側では十分な止水効果が上げられるかもしれない。【凍土遮水壁はこれから本気を出す?】 pic.twitter.com/VoS3Y7vf5C

2017-02-02 21:00:35
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もちろん、遮水の効果がどれだけ出るかは、やってみなければわからないのだけど、海側がダダ漏れだったから、山側もそうなる、と予想するのは明らかに早計であると思う。

2017-02-02 21:01:20
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat

東電のシミュレーションでは、壁の95%が凍ったとしても、水は54%しか減らない→ twitter.com/Kontan_Bigcat/… と予想されている。つまり、凍土遮水壁(山側)の効果が実際にはっきりするのはまだ少し先のことになりそうだ。

2017-02-02 21:02:16
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メモ)凍土遮水壁の「閉合率」(凍結率)95%のとき、地下水+雨水の「遮断率」は54%。 出典:2/15 特定原子力施設監視・評価検討会「参考1」→ nsr.go.jp/disclosure/com… pic.twitter.com/wnnmpbrEsF

2016-05-19 00:11:10
Kontan_Bigcat @Kontan_Bigcat

凍土遮水壁の進捗状況は、通常毎週木曜日に公表があり、木曜の東電会見で説明が行われている。最新(2016/2/2)の公表はこちらになる→ tepco.co.jp/nu/fukushima-n…

2017-02-02 21:02:51

 

【サブドレンの影響】

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ところで、4m盤の汲み上げ量には、サブドレンの汲み上げ状況も、影響を及ぼしているかもしれない。(この件は、木野龍逸さんが東電会見で質問を出しているが、今のところ、東電からは特に説明はないようである。) twitter.com/kinoryuichi/st…

2017-02-02 21:04:31
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

とにかく汚染水の増加量が減ってくれればなんでもいいとは思いつつ、350億円かけた凍土遮水壁の効果なのかサブドレンの汲み上げ増量効果なのかがわからず。 →地下水くみ上げ3分の1に 第1原発・凍土遮水壁で東電発表:福島民友ニュース ow.ly/grp03089vvW

2017-01-19 21:50:55
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サブドレンは、2016年2月頃から、点検・清掃に伴う停止が増えていたが、2016年11月以降は、比較的安定して稼働している。サブドレンの停止時には地下水位が上昇するので、理論上は4m盤への移行量も増えると想定される。 pic.twitter.com/PpvKmao8Sc

2017-02-02 21:05:23
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しかし、サブドレンの稼働水位(下段グラフの水色塗りつぶし)よりも、陸側遮水壁(建屋側)の水位(下段グラフの水色のライン)は一貫して高めで推移しており、凍土壁内と4m盤の水位差(水色ラインー赤色ラインの差)は、それほど小さくはなっていないことがわかる。 pic.twitter.com/JFtNnn6wwa

2017-02-02 21:05:56
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また、今回比較の対象とした2016年3月末頃は、海側のサブドレンが安定して稼働している時期なので、サブドレン停止による影響は小さい。 2016年3月末のサブドレンの状況→ nsr.go.jp/data/000153036…

2017-02-02 21:06:39
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ということで、今回の凍土遮水壁の評価においては、サブドレンの稼働状況の違いによる影響は、小さかっただろうと私は考えている。

2017-02-02 21:07:06

 

【地下水ドレンの稼働水位の影響】

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4m盤の汲み上げ量に影響を及ぼす要素として、サブドレンのほかに、地下水ドレンの稼働水位の影響が考えられる。地下水ドレンポンプの停止水位(L値)は、2016年の3月頃から、順次OP+2.4m程度(GLー1.5m程度)に下げられたが、現在はOP+3m程度で維持されている。

2017-02-02 21:08:06
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