「武田勝頼の新府築城」 2/19

日光81 @nikko81_fsi

新府城のハナシ。新府城本体というよりも、①北の能見城、②東の丸山、③隠岐殿遺跡が興味深い三点。まずおもしろかったなと思ったのが、真田丸の図面で話題になった浅野家文書の「諸国古城之図」の新府城。ある程度の正確性がある、という前提で見てみると、おもしろい点がいくつか発見できます。

日光81 @nikko81_fsi

そして、どこの絵図だかちょっとということですが、この丸山は新府城が完成した暁には削ってしまう計画があったとか？江戸時代の軍学談義から出たものか、当時そんなハナシがあったのかソースは不明のようですが。やはり、あの丸山は気になりますね。出城でもつくりたくなります。

日光81 @nikko81_fsi

・・・と考えると、甲府古城（躑躅ヶ崎館）と近世甲府城と広さの比較をした場合、これらがすっぽり嵌るくらいの広さがあるのですね。新府城を出る頃にはわずかの手勢ですが、1581年築城開始時に想定されていたであろう軍勢の規模ってかなりの人数なのかな。

日光81 @nikko81_fsi

しかし、徳川軍が新府に在城したのは極めて短いはず。本能寺の変が6月、徳川・北条和睦が・・10月くらいでしたっけ。規模の大小はあると思われますが、在城期間を考えるとある程度、能見城を中心とした長大な堀と丸山下の虎口の原型になるものが、勝頼築城時にあった気がしました。

日光81 @nikko81_fsi

灰はおそらく火を掛けて新府を出たときの櫓門の焼けた跡なんでしょうねぇ。あ、本曲輪や大手枡形・丸馬出・三日月堀はどうだったんだ？という質問するの忘れた。

日光81 @nikko81_fsi

新府城北側はかなりぬかるんでいて、攻めるには不利であるにしても、大手丸馬出に集中した敵の一部は、丸馬出を避けて丸山と新府城に挟まれながらも、搦手を目指して回り込むんじゃないかな、と思っていたんですが・・・やはりせき止めますか。にしても、この枡形の想定できる場所もなかなかの謎。

日光81 @nikko81_fsi

(1) 東の丸山との間、現在の県道17号線の間に、大きな枡形が描かれていること、そしてその枡形から本曲輪の下まで道が続いていること。(2) 北には能見城を中心に七里岩の北側を長大な堀で切断していること。この姿は天正壬午の徳川入城以降と思われます。

日光81 @nikko81_fsi

本曲輪と虎口くらいしか、発掘しても何も出てこないというハナシですが、今回搦手の発掘した様子を写真で見れてよかった。灰のほか、釘なんかも発掘されているそうです。ちなみに枡形の奥には櫓門と思われる門跡、手前のほうは礎石が二つしかない冠木門だったようです。

日光81 @nikko81_fsi

というのも、県道の脇に「首洗池」といわれる池や沼地のある低い部分があります。新府駅から新府城を目指して歩いていかれた方ならわかるはず。あのあたりに枡形があることになるのです・・・・ものっすごい不利な場所。現県道に相当する部分が往時もあったかわかりませんが・・・

日光81 @nikko81_fsi

にしても、もしお隣の丸山を取られてしまったら、ここの枡形は上からバッチリ見おろせてしまいますし、仮に県道部分が狭い道としてあったなら、その道からすらも見下ろせてしまいます。それでも、ここは通さないという意志の表れなのでしょうか・・・

日光81 @nikko81_fsi

新府城に城下町があったのか？というハナシ。甲斐国志での言及や一部の絵図面には屋敷跡の位置を示しているものがあるそう。しかし・・・甲斐国志の言及、勝頼に近しい長坂氏（釣閑斎？）館・（小山田）大学（助）屋敷・・・はともかくとして、穴山氏館はどうなんだ？梅雪は屋敷造んないでしょう？

日光81 @nikko81_fsi

新府城のハナシ。新府城本体というよりも、①北の能見城、②東の丸山、③隠岐殿遺跡が興味深い三点。まずおもしろかったなと思ったのが、真田丸の図面で話題になった浅野家文書の「諸国古城之図」の新府城。ある程度の正確性がある、という前提で見てみると、おもしろい点がいくつか発見できます。

日光81 @nikko81_fsi

そして、どこの絵図だかちょっとということですが、この丸山は新府城が完成した暁には削ってしまう計画があったとか？江戸時代の軍学談義から出たものか、当時そんなハナシがあったのかソースは不明のようですが。やはり、あの丸山は気になりますね。出城でもつくりたくなります。

日光81 @nikko81_fsi

さて、続いて隠岐殿屋敷。以前はそもそも「隠岐殿」って誰？レベルだったらしいんです。そ、そうなんだ・・・位置を見ると字名で「隠岐殿」と呼ばれている地域と隠岐殿遺跡はちょっとずれているのがわかります。遺跡は中原と隠岐殿に跨っていて、判別の便宜から「隠岐殿遺跡」と呼ばれていたとか。 pic.twitter.com/Z2B0IFaXkZ

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日光81 @nikko81_fsi

詳細は端折りますが、隠岐殿が真田信尹かどうか？という根拠について。まず加津野昌春が隠岐守を称した時期。文書からも天正7年時点で加津野市右衛門名の朱印状、天正8年10月で加津野隠岐守。そしてその後慶長期の史料にも引き続いて、真田隠岐殿と。てことは武田新府城で隠岐守＝信尹になりうる。

日光81 @nikko81_fsi

これ、喜兵衛尉→安房守（真田昌幸）、修理亮→大和守（内藤昌月）、左馬助（典厩）→相模守（武田信豊）らと同じ、武田信勝元服に当たって一斉に官途名を受領名に変えたんじゃない？って言われてるやつよね。 twitter.com/nikko81_fsi/st…

日光81 @nikko81_fsi

そして発掘調査。文書等には出てこないものの、出土遺物からも16世紀。新府城よりも儀式に使われたかわらけが少ないのが新府城との発掘物との違い。破片数の比較だと白磁が32%、青磁4%、染付23%。実に59%が貿易陶磁器。ある程度のクラスの人物の屋敷・・・

日光81 @nikko81_fsi

武田滅亡後を考えたときに、この陶磁器を持つ人物が常時住まう屋敷があるというのはやはり考えにくい・・・？とすると、武田一族に養子入りし、信玄・勝頼の重用された加津野昌春として、武田の重臣格だった真田信尹と考えても矛盾はなさそう。うん、ここまでは知ってた。

日光81 @nikko81_fsi

ここで決め手になりそう？なのは比率としては少ない「かわらけ」。素人にはなんでもない土器なんだけども、その形状が、山梨県内としては非常に稀らしく・・・・どうも、佐久や上田（丸子城・塩田城）、上野（沼田城・岩櫃城）あたりと形状が似ているだって・・・あれ？真田にゆかりのところ・・・??

日光81 @nikko81_fsi

儀式で割るかわらけですから、輸入する高級なものではないわけですが、非常に異質な形状なんですって・・・いろいろ比較してようやく当たったのが、佐久や上野。ひょっとしたらですが、佐久や小県のつくりのクセのある素焼き土器の作り方で、新府の土で焼いた土器があったとしたら・・・??

日光81 @nikko81_fsi

まだまだ研究が必要なのかもしれませんが、こういう「クセ」が隠岐殿遺跡の「隠岐殿」が真田信尹ではないかということをより強固にする証拠になりえますよね・・・うわぁ、これはわくわくする・・・

日光81 @nikko81_fsi

仮にそうだとすると、搦手にかなり近い位置にあるわけで、躑躅ヶ崎にあって真田弾正邸、真田源太左衛門邸を考えると、その近さ加減を思い出しますよね・・・すごい・・・