薬動学 初歩 線形1-コンパートメントモデルのパラメータについて

0
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

薬動学ですが、皆さんの大学ではどのような科目名で行われていましたか? 私の出身校では薬物動態学という科目で、四年次の難関科目でした。 この単位が無いために何年も留年する人もいるそうです。 なぜこれほどまでに不得手な方が多いのでしょう。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:13:24
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

同じく留年の原因になる単位に有機化学がありました。 これらに共通する必須の作業は、自分で問題を解けるようになるまでの訓練です。 高校数学が苦手だったのは大したハンデにはなりません。 1回で解けるようになる人もいますが大半の人はそうでありません #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:17:41
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

薬動学のうち、1コンで必要になるのはlogの知識です。それ以外はほとんど四則演算です。 問題文を読んで、最初のうちは慣れるまで図を書いて、必要な数値を穴埋めで出せるように練習しましょう。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:21:33
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

今回はどこまで話しましょうか? まずは主要なパラメータと、それに関わる公式に触れてみましょう。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:24:08
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

線形1-コンパートメントモデルについて少しお話しましょう。 線形とは、他の専門の方に怒られる言い方ですが薬動学においては凄く乱暴に言い換えてしまえば「比例」です。 コンパートメントは「箱」「区画」です。 字数が苦しいですね。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:29:56
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

なので、線形1-コンパートメントモデルとは、人体を一つの区画(体循環コンパートメント)で認識して、投与量だったり、バイオアベイラビリティだったり、腎排泄や肝代謝(胆汁排泄)の割合や排泄量を計算して求めるためのモデルです。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:32:45
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

字数の関係で以降1コンと略します。 1コンの概略図を書きますね。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:34:15
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

少し雑多な図になるので、途中で一旦説明します。 色々なアプローチがあると思いますが、私はまず分布容積と投与量と初期血中濃度について触れます。 最も単純なのは単回静脈内投与(iv)です。 最も基本的で頻用する公式の一つです。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス pic.twitter.com/0qyapQGrvI

2017-04-01 22:51:10
拡大
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

まず、分布容積とは何か、人間の体水分量は60kgの人では60%の36Lではないか?という疑問が出ると思います。 分布容積は実容積ではありません。 薬物が血中濃度と同じ濃度で組織に分布すると仮定した時の見かけの容積です。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:54:06
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

ですので、脂溶性薬物であれば脂肪組織にたくさん分布し、簡単に言ってしまえば濃縮されることになります。 その濃縮された倍率を、分布組織の容積にかけたものの総和がVd、分布容積になります。 ジゴキシンなどは実容積を遥かに超える分布容積です。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 22:57:23
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

少し書き加えました。今度は消失速度定数です。 kは反応速度定数(物理薬剤学)の、一次式のものと同じ形(式3)をとります。 これも乱暴に言うと比例定数です。 y=axのaです。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス pic.twitter.com/atCpa1NrDM

2017-04-01 23:09:58
拡大
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

keが分かったら半減期が算出できます。 半減期とは、注目した濃度(基本的には初期血中濃度)が半分の値になるのに要する時間です。 言い換えると1/2減期の事です。書いてありますが1/n減期、例えば1/10減期(初濃度の1/10になる時間)はln10/keです (字数…)

2017-04-01 23:21:14
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

記号についてです。 Dはdose(服用量)、V(d)はvolume(容積)とADMEのd(分布)、Cはconcentration(濃度)、tはtimeの頭文字だと考えるとわかりやすいかも知れません。 ここまでは大丈夫でしょうか? #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス

2017-04-01 23:26:57
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

さて、厄介なところに入っていきます。 AUCについてです。 AUCは図中の英語の略ですが、直訳すると血中濃度-時間曲線下面積となり、何のことかピンと来ません。グラフの斜線部の事なのですが薬物の体内移行量の指標とでも言いましょうか。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス pic.twitter.com/aVY5QD0gMs

2017-04-01 23:36:53
拡大
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

なぜAUCを避けて通れないのか、というのが、この式5'です。AUCの横のivは静注の意味です。このように、AUCを経由しないと変換できないパラメータがあるためです。 私の中では薬が体内にどれくらい(の量と時間)居座るか、といったイメージです。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス pic.twitter.com/5kdLeBkQNw

2017-04-01 23:45:00
拡大
薬学たん(活性低下中) @pharmacotan

全身クリアランスについてです。 公式的には血中濃度Cと消失速度keをつなぐものです。 意味的には単位時間あたりに薬物が除去される血液量、私は蛇口に取り付ける浄水器の性能のようなものだと思っています。 #基礎薬学たんの主要科目ガイダンス pic.twitter.com/vz1EJZGEfF

2017-04-01 23:59:12
拡大