【文豪とアルケミスト】文豪ゆかりの地、横浜を訪ねる【文学散歩・舞台探訪】
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2017年3月29日、某・坂口安吾が卒業した大学で公開シンポジウムを拝聴しに上京する機会がありましたので、その夜から2泊ほど横浜に宿を取りまして、3月30日・31日と文豪ゆかりの地をめぐることにしました。
今回訪ね歩いた所をざっくり申し上げると、三溪園→山手→中華街→横浜港→伊勢佐木町→横浜駅周辺といった感じです。見所の多い三溪園や、実際に横浜に住んだ谷崎潤一郎・中島敦・吉川英治に多くのツイートを割いています。
●今回紹介した文豪
芥川龍之介 三溪園、岩崎博物館、山手、ニューオデオンビル
有島武郎 山手、横浜港
石川啄木 神奈川県立歴史博物館、横浜平和プラザホテル
江戸川乱歩 山手
尾崎紅葉 桜木町駅
北原白秋 三溪園、三之谷北公園付近、横浜港
小林多喜二 神奈川公園
坂口安吾 海岸通り
島崎藤村 ゲーテ座、ホテル・ニューグランド、伊勢佐木町
高村光太郎 横浜港、横浜市開港記念会館
谷崎潤一郎 パークシティ本牧C棟付近、山手、元町、聘珍樓、横浜人形の家付近、桜木町駅
田山花袋 (ほぼ全域)
永井荷風 横浜港
中島敦 山手、横浜外国人墓地、横浜学園付属元町幼稚園、喜久家洋菓子舗、レイトンハウス横浜、聘珍樓、山下公園、横浜市開港記念会館、ニューオデオンビル
中野重治 横浜市開港記念会館
夏目漱石 三溪園、神奈川近代文学館、横浜港
萩原朔太郎 ゲーテ座、横浜港
武者小路実篤 横浜港、横浜YMCA、蓬莱町1丁目
森鷗外 横浜港
吉川英治 日活会館、羽衣町2丁目付近、伊勢佐木町3丁目付近、曙町2丁目付近、コトブキヤ酒店、石橋ビル
若山牧水 横浜港
一日目(2017年3月30日)
【三溪園】 2017年3月30日朝、本牧の日本庭園「三溪園」にやってまいりました。横浜の豪商、原富太郎(雅号・三溪)が作った日本庭園です。芥川龍之介・北原白秋・夏目漱石など、多くの作家・芸術家が訪れた場所でもあります。 pic.twitter.com/0gZf0h1cj3
2017-04-15 00:07:51・芥川龍之介「書簡287」『芥川龍之介全集(18)』岩波書店 1997年 85, 381頁
・北原白秋「私録(『多磨』13巻1号所収)」『白秋全集(37)』岩波書店 1988年 470頁
・和辻哲郎「漱石の人物」『和辻哲郎全集(3)』岩波書店 1962年 430頁
それと、園内の建築物については、西和夫『三溪園の建築と原三溪』有隣新書 2012年 を御参照いただければと思います。
園内は広大な池を中心とする「外苑」と、歴史的な建築物を移築した「内苑」で構成されています。三溪園正門から園内に入り、外苑を歩くと、このような風景が広がっています。 pic.twitter.com/k1kunLfnxc
2017-04-15 00:09:40旧燈明寺本堂。この堂宇はもともと京都にあったものを移築したものだとか。 pic.twitter.com/geeC6sidYu
2017-04-15 00:10:51待春軒とその周辺。園内の飲食処も、なかなかに風情があります。 pic.twitter.com/t4n43cMLsQ
2017-04-15 00:12:25もともと白川郷にあった、入母屋合掌造りの「矢箆原(やのはら)家住宅」。1750年ごろに作られたものだとか。1960年に岐阜県から三溪園に移されたそうです。 pic.twitter.com/DTMNbbUU6s
2017-04-15 00:16:15階段のあたりでは光が差し込んできます。この階段を登りまして、2階にも民具の展示があります。 pic.twitter.com/sTlet6FSQr
2017-04-15 00:19:26旧東慶寺仏殿。北鎌倉のいわゆる"縁切り寺"から1907年に移築されたものです。当時は雨漏りもする荒れた仏殿だったようですが、三溪の修繕によって再建され、重要文化財となりました。 pic.twitter.com/HKwR3tmOxp
2017-04-15 00:20:43cf. 井上禅定『東慶寺と駆込女』有隣新書 1995年 161〜162頁
園内の川。思わず、横浜にいることを忘れてしまいそうになります。 pic.twitter.com/Ao867RZD3X
2017-04-15 00:21:55年間パスポートを買って、何度もお散歩に行きたい…。 pic.twitter.com/OzS0yXFNNC
2017-04-15 00:23:43初音茶屋。説明板によると、芥川はここで「ひとはかり浮く香煎や白湯の秋」と、一句詠んだっぽいです。 pic.twitter.com/BXlVgQCmZy
2017-04-15 00:25:26初音茶屋については、新井恵美子『原三渓物語』神奈川新聞社 2003年 212〜214頁、齋藤清『原三溪』淡交社 2014年 321頁。
展望台からの風景。途中の道には、関東大震災で倒れた建築物がそのまま残されています。 pic.twitter.com/yBwxEChuWA
2017-04-15 00:29:22紀州徳川家の別邸「臨春閣」です。三溪の子、原善一郎の結婚披露宴がここで行われたようで、善一郎の中学時代からの友人である芥川龍之介も出席しました。 pic.twitter.com/bGyHSMdAQU
2017-04-15 00:35:16「大正6年日記」『阿部次郎全集(14)』角川書店 1962年 214頁
cf. 新井恵美子『原三渓物語』神奈川新聞社 2003年 168〜169頁
三溪が収集した美術品を展示する施設、「三溪記念館」です。1917年に三溪園を訪れた芥川龍之介は、三溪が収集した美術品を見て、とても感動したといいます。 pic.twitter.com/7swrDWlojz
2017-04-15 00:36:57