就職も出来ずニートをやっていた私がアニメの原作者として劇場で登壇するまで

ずんだホライずん劇場公開までの道のりと将来の展望
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榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

かくして、面接の結果は不採用となりました。実は通算3回応募したのですが、すべて面接で落選しました。 その挫折から7年が経過し、わたしは東京に居ました。

2017-04-27 14:44:14
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

ちなみに、その7年間ですが、福岡でWEBデザインの仕事をしながら、いつか必ずゲームをつくる!と回りに言いながら、時間だけが立っていました。その間、ゲームやろうぜ!で失敗したメンバーと共に、同人ゲームを開発し、自分たちで手売りで販売したりしていました。

2017-04-27 14:48:29

▼はじめてのチャンス。ゲーム業界への道!

榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

そんな私に最初のチャンスが到来します。とあるゲームプログラマーさんが会社をつくるのでロゴをデザインして欲しいという依頼が来たことがチャンスへのきっかけでした。 その方は、すでにPCゲームの大戦略8のメインプログラマーもやっている人でした。

2017-04-27 14:58:01
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

ロゴ制作をきっかけに仲良くなり、意気投合して一緒に仕事をすることになりました。ある日、その会社がもっている携帯電話向けの3DCG関連の技術がハドソンの執行役員さんの目に止まり、当時私を含めて3人しか居なかった小さな会社でしたが、会社ごと東京に引っ越してこいという話に発展しました。

2017-04-27 15:06:03
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

その時、ハドソンさんから最初に依頼された仕事は、DOOMというFPSの携帯電話への移植でした。しかし、DOOMの版権がNGとなり、急遽オリジナル作品の企画を出してほしいと言われたのです。

2017-04-27 15:06:13
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

そこで、わたしは7年間あたためていた、ゲームやろうぜ!で不採用となった、フィニステルという作品の企画を提出しました。そのゲームは、ハドソンさんからリリースされ、携帯電話としては、世界初の3DCGのFPSとして当時話題になりました。

2017-04-27 15:06:42
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

挫折から7年で、ついにその企画は日の目を見たのです。その後、いろいろな仕事を頂き、バイオハザードや三國無双といったビックタイトルにも関わることができました。挫折しても諦めずに、ゲーム開発を個人でも続けていたことで、つかんだチャンスと成功でした。

2017-04-27 15:07:20

▼新たな試練!携帯電話の3DCGゲーム市場が完全崩壊!

榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

そして、次の試練が訪れます。好調だった携帯電話向けの3Dゲーム市場が、ある年を堺になくなってしまったのです。覚えていらっしゃる方も少ないかと思いますが、iPhoneが流行る前の日本の携帯電話は、かなりの高性能を誇っていました。

2017-04-27 15:08:45
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

高額でも0円などで手に入る携帯電話をだれもが躊躇なく買い替えていたのです。この性能向上がこのままつづけば、かなり高度な3Dゲームがつくれる。そうなれば、携帯電話のゲーム市場も盛り上がると考えて、三國無双の携帯電話版が大ヒットしたこともあり、その市場に大きな期待をしていたのです。

2017-04-27 15:09:15
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

ところが、割賦制度という毎月の支払いにローンとして端末代金を組み込む販売方式が主流になると、携帯電話の買い替えが減少し、携帯電話の性能も止まってしまったのです。   そこに颯爽と登場したのが、Mobageなどのブラウザソーシャルゲームでした。

2017-04-27 15:09:30
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

市場は開発費のかかる3Dゲームアプリではなく、Flash liteによるソーシャルゲームに急速に移行し、3DCGによる携帯電話向けゲームは完全になくなってしまったのです。

2017-04-27 15:09:42
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

当時は、三國無双の実績をベースに、他の大型ゲームの移植の営業をしていましたが、どこに言っても言われるのは、もうアプリに高額の開発費をかけるのは無理だという話でした。コストの低いブラウザゲームをつくってくれと言われるのです。

2017-04-27 15:10:04
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

いままで、取り組んできたものが完全に崩壊した瞬間でした。   そして、なにか好きなことをやろう…そう思ったのです。

2017-04-27 15:10:18

▼自主制作アニメへの道

榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

当時ゲーム開発をしながら、趣味で自主制作系のアニメを多く見ていたのですが、自主制作は自由にオリジナルがつくれていいなぁと傍目に思っていました。ロマのフ比嘉さんや新海誠さんなどの、自主制作界のスタークリエイターがまぶしかったのです。

2017-04-27 15:10:54
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

そこで、貯金の残額を計算して、1年なら無収入でも創作にあてられると考えて、会社を辞めて自主制作アニメを作ることにしました。最初の半年間は、本当に1日も休まず、寝る時間以外は3DCGで映像を作り続けました。そして、15分のイラスト調フル3DCGアニメ映像が完成しました。

2017-04-27 15:11:29
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

考えられる限り現存する映像賞にすべて応募しました。しかし、結果は惨敗でした。すべての賞に落選し、ニコニコ動画の再生数も微妙な再生数となりました。   貯金も尽きかけた頃に、ある人物と出会います。

2017-04-27 15:11:48
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

現在ライデンフィルムの代表で、ヒット作を次々と送り出しているプロデューサーの里見哲朗さんでした。当時里見さんは、ポケットマネーでプロによる同人アニメをつくっていたのです。

2017-04-27 15:12:16

補足:里見哲朗

榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

その同人アニメの劇場公開で、里見さんからサインをもらうために話しかけたのですが、あろうことか、お返しというと変ですけど、自分のつくった作品のDVDをお渡ししました。今考えてみると私もとんでもないやつですよね。

2017-04-27 15:13:00
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

それをきっかけに、里見さんとは仲良くなり、里見さんが作っていた同人作品のPV映像を手がけることになりました。こちらの作品は、世界初のBluRay同人ということで、コミケで沢山のお客さんの手にとって頂くことが出来ました。

2017-04-27 15:13:25
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

また、その時、里見さんのつくっている3D同人が、あまりにも自然に手描きアニメのように見えるので、聞いてみたところ、いろいろと秘密のテクニックを教えてもらいました。いま、わたしがセルルック3DCGでお仕事が出来ているのは、そのときのアドバイスのおかげです。

2017-04-27 15:13:45
榊正宗@BlenderQuiz @megamarsun

同人PVアニメは話題になりましたが、翌月から生活するための貯金はもう底をつきかけていました。そこで、作った映像をもって、いろいろなアニメ会社を営業してまわることにしたのです。

2017-04-27 15:14:06