【離婚で壊れる子どもたち】『夫婦の別れ』=『親子の別れ』になってしまう日本の特殊な現状。離婚の影で壊れていく子どもを守る方法とは。

面会交流について調べる中で出会った本でしたが、読み進める度に、子どもたちが置かれた厳しい現実や、メモしておきたい文章が次々と出てきたので、まとめることにしました。離婚と子どもの事で悩んでいる方に届いて欲しいと思います。
129
前へ 1 ・・ 3 4 次へ

【感想】私の事例はDVや不倫ではない為、自分の事として読むことはできませんでしたが、海外では「DVであっても面会交流をさせる事が子の最善の利益につながる」という考え方になっているのは、徹底していると感心しました。もちろん、それを安全に執り行う為の方策をしっかり準備した上での話です。

実際、夫婦間でのDVがあったとしても、親子関係は良好であるケースは多いと思います。日本の離婚裁判においても、例え母親側がDV加害者であった場合であっても母親に親権を認めるようです。しかし、ここでも引用しているように、日本の裁判では「申立人がDVだと言えばDV認定される」事が多く、裁判所だけでなく児童相談所や学校、警察などもその判断で動いてしまいます。でっちあげDVの問題も以前から言われているにも関わらず、この対応はお粗末すぎると思います。

日本の離婚問題への対応は、あまりにも前時代的なままなのではないでしょうか。

片親疎外と面会交流の重要性

※片親疎外とは、同居親が子どもから別居親を疎外することで起こる様々な問題です。「片親疎外症候群(PAS)」という概念に対しては、病理学的にはこれは症候群とは言えないという批判がありますが、「片親疎外(PA)」そのものは今も相変わらず重大な問題として広く世界で認識されています。

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(片親疎外の状態に置かれた子どもが払う大きな代償は)まず第一に、実は誰よりも自分たちを愛している父親を、自分たちを迫害する恐ろしい人物であると信じて、その姿を視界に入れる事すら拒否し、泣き叫ぶ姿に顕著に表れているように『認知の歪み』である。」#離婚で壊れる子どもたち P.183

2017-05-01 00:54:58
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「第二の代償は、監護親に見捨てられない為に、監護親の思いを100%鵜呑みにして生き、結果として『無自己』で生きることを強いられている点である。これは『支配-服従関係』に生きる事を強制するものであり、明らかに『心理的虐待行為』である」#離婚で壊れる子どもたち P.184

2017-05-01 00:55:26
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「両親間の高い葛藤の間に立たされた形で面会交流をする時には、子どもは監護親に同一化し、監護親の別居親に対する不信感や敵対心、そして憎しみなどを取り入れて、面会交流の前後に癇癪、腹痛、頭痛、ひきこもり、睡眠障害、夜尿など様々な症状を示す事が多い」#離婚で壊れる子どもたち P.187

2017-05-01 01:05:08
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(今後の方向性の話として)別居親と子どもが面会交流することは、子どもの権利条約でも謳われているように『子どもの権利』であり、また同時に親として子どもに対する養育責任や養育義務を果たしていく上で、それを監護親から邪魔されない当然の権利である」 #離婚で壊れる子どもたち P.189

2017-05-01 01:09:30
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(カリフォルニア州ではDVが直ちに面会交流禁止にならない)こうした政策の背後には、DV加害者を接近禁止命令や面会交流禁止などによって被害親や子どもから排除するだけでは問題の真の解決にならないとの認識がある」#離婚で壊れる子どもたち P.193

2017-05-01 01:31:12
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「DVを理由に別居親と子どものとの面会交流を禁止してほしいとの申立が監護親からなされた時に、裁判所がまずしなければならないことは、DVの主張の審議を判断することである。しかしそうした判断は裁判官といえども容易にできるものではない」 #離婚で壊れる子どもたち P.196

2017-05-01 01:38:04
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

P.208より、「DV加害親との面会交流の基準はどうあるべきか」という項で、具体的な基準や手法が詳細に説明されています。面会交流の制限や禁止の基準も書かれています。ここで需要な事は、それだけ入念に基準を決めてでも、基本的には面会を実施するという事です。#離婚で壊れる子どもたち

2017-05-01 01:49:15

【感想】片親疎外の問題は、私も離婚当事者になって初めて知りました。片親疎外は多くの現場で明らかに起きている大きな問題だと思います。しかし、子を連れ去った同居親の心理がその子どもに反映されてしまう事が、様々な部分で「離婚処理の効率化」に繋がってしまう為、裁判所もそれを利用し、安易な「面会交流の中断」そして「家族関係の遮断」を選ばせているように見えます。離婚問題で裁判所の人手が足りていない事が原因ではないかと言われていますが、そもそも、安易に「子の連れ去り」を認め、連れ去った側に親権を認めるような運用を続けているから、子の連れ去りが次々に量産され、多くの「高葛藤な離婚夫婦」を生み出し、裁判がヒートアップする事態になっているのではないでしょうか。

片親疎外にどうやって対応していくか

著者は、米国の歴史において、離婚に関する法律の移り変わりと、それが離婚家庭に与える影響を見てきました。その上で、「法律の影」が離婚した夫婦の交渉に深い影響を与えること、法律の言葉ひとつ変えるだけでも、親と子どもの関係性に大きな影響を与えることを指摘しています。

tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(要約)中度の片親疎外に対しては、セラピストの介入による解決が可能である。その為には、監護親が約束したルールを守らずいつまでも子どもと別居親との面会交流を妨害するときには監護者変更もあり得る、という裁判所の力を背景とする後ろ盾が必要である」#離婚で壊れる子どもたち P.225

2017-05-01 02:10:08
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)監護親が子どもをプログラミングしてしまうような深刻な片親疎外が行われている場合は監護者変更が必要になる。その変更は段階を経て徐々に行う。子どもが恐ろしい人間だと思っていた人物が実は優しかったという「生きた経験」をさせる事が目的である。 #離婚で壊れる子どもたち P.227

2017-05-01 02:16:13
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

離婚後に子どもの親権者になった親が再婚した時には、悪条件(その一つは孤立化である)が揃うと子どもが虐待される危険性は離婚前よりもはるかに高くなる。再婚家庭、内縁家庭が孤立化していく事を防ぐ為にも、子どものもう一人の親との接触を残す必要がある#離婚で壊れる子どもたち P.254

2017-05-01 02:27:31
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(カリフォルニアの事例として)初回の調停期日までに、宿題として養育計画を作成してくる事が求められていた。つまり、離婚後に両親がどのような形で子どもに関わっていくことが我が子の福祉に最も適っているかを、それぞれの親が考える事が求められるのだ」 #離婚で壊れる子どもたち P.259

2017-05-01 02:36:06
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「現在の日本では離婚後に単独親権の選択肢しかない。こうした法の影の中にある当事者たちは、親権を武器として戦うことになる。離婚を思いとどまらせたり、復讐したり、面会を拒絶する為に親権を奪う。監護の継続性により、片親の同意なしに家を出る。」#離婚で壊れる子どもたち P.262

2017-05-01 02:44:10
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

(要約)「日本では高葛藤離婚の場合、子の福祉の観点から面会交流は控えた方が良いとするスタンスを裁判所が取ることが多いが、米国ではその理由だけでは面会交流を制限することができない。その場合の対応策の一つとして『並行養育』という手段が取られる」 #離婚で壊れる子どもたち P.264

2017-05-01 02:47:52
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「韓国では、2007年の法改正によって、未成年の子どもがいて離婚を考えているすべての夫婦に、離婚協議書を提出する前に、親教育プログラム受講が義務づけられるようになった」 #離婚で壊れる子どもたち P.266

2017-05-01 02:49:51
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「(ロサンゼルスの事例として)このワークショップには、子の監護について争って、裁判所に何度も戻ってくる高葛藤のカップルたちが、裁判所命令で参加している。(中略)理由なく一回でも休めば、もう一度最初から受け直さなければならない」 #離婚で壊れる子どもたち P.275

2017-05-01 02:55:48
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「父親が車で子どもを連れてくるのだが、子どもは車から降りて母親の姿を目にしても、母親がまるで透明人間であるかのように振る舞うという。だが、父親が車で走り去るやいなや、『ママ!』といって母親に走り寄ってくる」 #離婚で壊れる子どもたち P.279

2017-05-01 02:59:44
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「つまり、元夫婦が葛藤を超えて共同養育を成功させていく鍵は、互いに対する認知の再構造化にあると考えられている。そのため、認知の再構造化を図りつつ、葛藤解決や問題解決のスキルを教育する、という教育的アプローチをとっている」 #離婚で壊れる子どもたち P.280

2017-05-01 03:02:32
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

P.281より、サンフランシスコにある「子どもの為の離婚に関する教育プログラム」の話があります。子どもにポジティブな感情を与える為のプログラムです。「自分が悪いわけではない」事に気づかせ、自尊感情を取り戻させる事が大きな目的とのことです。 #離婚で壊れる子どもたち

2017-05-01 03:06:29
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「自分が子どもたちの父親に頑なな態度をとることによって、結局は子どもたちを傷つけていることを頭ではよく分かっている。それでもそうせざるをえないほどに、自分は傷つき、怒っているのだとメリサはいった」 #離婚で壊れる子どもたち P.289

2017-05-01 03:09:14
tsu@子の連れ去り優遇反対 @tsuresarare

「葛藤の(非常に)高い両親間で面会交流を実現していくためには、極力、子どもの前での両親の接触を減らしていくことが大事である。そうなると、監護親による面会交流の監督は禁忌であり、受け渡しの際にも極力両親は顔を合わさないようにする必要が出てくる」 #離婚で壊れる子どもたち P.307

2017-05-01 03:15:01

【感想】こうした海外の片親疎外に対する施策の数々は、聞けば聞くほど羨ましくなります。日本ではどうしていつまでもこのような状態なのか…。私が自分なりにいろいろ考えて見つけ出した結論である「離婚後の子どものケアの問題は、夫婦間で裁判で争って解決する問題ではない。離婚へ向かう過程で一旦失われた信頼関係を再度取り戻す事が、真の問題解決のための最初のステップであり、唯一の鍵だ」という事が、そのまま海外では当たり前の前提事項として運用されています。法律として規定される前ですら、多くの親が「子どもの為に、自分たちの葛藤は脇において協力せねばならない」と考えていたのです。再度繰り返しますが、日本ではどうしていつまでもこのような状態なのでしょうか…。

前へ 1 ・・ 3 4 次へ