Erotic Love 〜 case F 〜 芙美香・父と二人の小学生時代

【R18】 Erotic Love 〜 side T / S 〜 からのスピンオフ。 時司家家政婦・澤名芙美香の過去。 続きを読む
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夢乃 @iamdreamers

私が暮らすことになった御屋敷には、おじさまとおばさま、お二人のお子様の朝陽ちゃんと小夜子ちゃん、それにおじさまの御両親のおじいさまとおばあさまが暮らしていました。他に、住み込みの執事が一人と家政婦が二人、通いの家政婦が二人に庭師が一人。 #twnovels

2017-07-25 12:25:39
夢乃 @iamdreamers

家政婦はともかく、執事のいる屋敷というものが今の日本に存在するなんて、ここでお世話になるまで思いもよりませんでした。しかも、それがこんな身近 ー父と住んでいたアパートから車で三十分ほどしか離れていませんでしたー にあるだなんて。 #twnovels

2017-07-25 12:26:02
夢乃 @iamdreamers

屋敷の方々は、おじさま夫婦はもとより、皆様優しく接してくださいました。おじいさまは私を引き取ることに反対だったようですが、自分から積極的に私と接してくださることはなくとも、屋敷の中ですれ違う時に挨拶をすると、優しい笑みで応えて戴けました。 #twnovels

2017-07-25 12:27:26
夢乃 @iamdreamers

これまでは想像もしていなかった生活に、私は戸惑いました。家には常に誰かがいて、私が学校から帰った時には必ず誰かが迎えてくれます。食事の準備も衣類の洗濯も、家政婦がしてくれます。週に一度は、おじいさまがお友達を呼んでささやかなパーティーも開かれ、賑やかです。 #twnovels

2017-07-25 12:28:16
夢乃 @iamdreamers

屋敷にいる間、私のすることと言えば、学校の宿題の他は朝陽ちゃんの遊びの相手くらいです。父と二人で暮らした二年間、暇というものを忘れていた私は時間を持て余してしまうほどでした。転校先の小学校でできた友達と遊ぶ時間も持てるようになりました。 #twnovels

2017-07-25 12:29:00
夢乃 @iamdreamers

こんな幸せな時間を戴いているのに、おじさまも、他の方も、私に何も要求してきません。そんな日が続くうちに、何の血縁もないのに私を引き取ってくださったおじさまやおばさまに対し、何も恩を返せない自分に何とはなしに負い目を感じるようになっていました。 #twnovels

2017-07-25 12:29:27

夢乃 @iamdreamers

ある夜、そろそろベッドに入らないと、という時間におじさまとおばさまの部屋を訪ねました。部屋のドアをノックすると、おじさまの声で「どうぞ」と応えがありました。私は「失礼します」と言ってから、そっとドアを開けて部屋に入りました。部屋にはおじさま一人だけでした。 #twnovels

2017-07-25 12:30:08
夢乃 @iamdreamers

一人だけ、というのは正確ではありません。朝陽ちゃんと小夜子ちゃんが小さなベッドで眠っていましたから。 おじさまは、机に向かって書類か何かを見ているようでしたが、私がおじさまに近付くまでに顔をあげて私を振り返りました。 #twnovels

2017-07-25 12:30:30
夢乃 @iamdreamers

「芙美香ちゃんか。夜遅くに何か用かい?」 私は椅子に座ったおじさまの前に立ちました。 「おじさま、あの、ありがとうございます。私をこの家に置いてくれて」 おじさまはちょっと目を丸くします。 「いきなりどうしたんだい? 突然そんなことを言い出すなんて」 #twnovels

2017-07-25 12:30:55
夢乃 @iamdreamers

「えーと、その、こんなによくして戴いているのに、わたしは何もお返しできなくて、申し訳なくて・・・」 言いかける私の言葉をおじさまは笑って受け止めました。 #twnovels

2017-07-25 12:31:21
夢乃 @iamdreamers

「なんだ、そんなこと、芙美香ちゃんが気にする必要はないよ。この通り、うちには部屋が余っているし、芙美香ちゃんのお父さんにも頼まれたことだし。何より、おじさんが芙美香ちゃんにここにいて欲しいと思っているんだから、芙美香ちゃんはここで暮らしてくれればいいんだよ」 #twnovels

2017-07-25 12:31:59
夢乃 @iamdreamers

おじさまの言うことは本心でしょう。けれど、それと私の気持ちとは別です。 「でも、あの、それでも、申し訳ないから・・・」 私は一息に、寝間着を上下とも脱ぎ捨て、ショーツも脱いで産まれたままの姿をおじさまに晒しました。 「ふ、芙美香ちゃん、何してるの」 #twnovels

2017-07-25 12:32:44
夢乃 @iamdreamers

おじさまは慌てたようでした。腰を椅子からあげ、手を前に出しておろおろしています。おじさまのこんな姿を初めて見ました。ちょっと可愛く見えましたが、その時の私は真剣でした。 「おじさま、わたし、何もお返しできるものないから、身体で返します。抱いてください」 #twnovels

2017-07-25 12:33:09
夢乃 @iamdreamers

「芙美香ちゃん・・・」 おじさまはしばらく言葉を失いました。それから私にゆっくりと近付いて私の後ろに回り、私の肩に手をかけました。ああ、今までお父さんにしか抱かれたことのない身体を、おじさまが抱いてくださる・・・お父さん、お母さん、いいよね? #twnovels

2017-07-25 12:33:35
夢乃 @iamdreamers

自分の身体が震えていることを自覚しました。父とは幾度となく情事を重ねてきましたが、他の人との性交は初めてです。相手が父と同じくらい大好きなおじさまであっても、緊張してしまいます。 おじさまが肩から手を離し、次に肩に感じた感触は・・・布地でした。 #twnovels

2017-07-25 12:34:09
夢乃 @iamdreamers

おじさまは、私が床に落とした寝間着の上を拾って私の肩に掛けたのです。 「・・・おじさま?」 私は自分の肩越しにおじさまを振り返りました。 「芙美香ちゃん、自分の身体はもっと大切にしなくちゃいけないよ。簡単に『抱いてくれ』なんて言うもんじゃない」 #twnovels

2017-07-25 12:34:34
夢乃 @iamdreamers

おじさまは優しく言いました。、けれどその目は少し怒ったような色を湛えています。 「でも、わたし、こんなに良くして戴いているのに、何もできない・・・」 そう言う私に、おじさまは椅子に戻って優しく諭すように言います。 #twnovels

2017-07-25 12:35:41
夢乃 @iamdreamers

「いいんだよ。芙美香ちゃん、芙美香ちゃんはおじさんの子供ではないけれど、朝陽や小夜子と同じように愛しているんだから。ここで暮らすのに、何も遠慮することも、引け目に感じる必要もないんだよ」 「でも・・・」 私は上目遣いにおじさまを見上げます。 #twnovels

2017-07-25 12:36:59
夢乃 @iamdreamers

「納得できないかい?」 私は控え目に頷きます。 「困ったな。うーん、そうだな。それじゃこうしよう。芙美香ちゃん、芙美香ちゃんは今、この家に住むのに家賃も食費も払えないことに負い目を感じている、ということだよね?」 私はまた、曖昧に頷きました。 #twnovels

2017-07-25 12:37:28
夢乃 @iamdreamers

「それなら、今は芙美香ちゃんの養育費や生活費は、おじさんが貸しておく。芙美香ちゃんが大人になって自分で働いてお金を稼げるようになったら、その時に返してくれればいい。これでどうかな?」 おじさまはにこやかに言ってくれました。 #twnovels

2017-07-25 12:37:51
夢乃 @iamdreamers

それで、本当に良いのでしょうか? 正直に言って、私が働いている未来をその時の私は想像できませんでした。その不安を私の表情から読み取ったのでしょうか、おじさまは言葉を継ぎました。 「不安かい? 自分が“借りた”お金を返せるかどうか」 こっくりと頷きます。 #twnovels

2017-07-25 12:38:25
夢乃 @iamdreamers

「そうかもしれないなぁ。おじさんだって芙美香ちゃんくらいの時は、親父・・・おじいちゃんの跡を継いで会社を支える自分なんて想像できなかったし」 おじさまは自嘲するように笑いました。 「それが、今じゃ曲がりなりにも社長をやっているんだ。芙美香ちゃんだって同じだよ」 #twnovels

2017-07-25 12:39:38
夢乃 @iamdreamers

「・・・本当にそう思いますか?」 「もちろん。もしかしたら、おじさんの歳になる頃にはおじさんよりもっと稼いでいるかもしれないよ」 「そんなことはない、と思いますけれど」 少しだけ、口元が緩んだようです。 「お、笑ったね。芙美香ちゃんは笑っている方がいいよ」 #twnovels

2017-07-25 12:40:32
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